二級ボイラー技士の過去問
令和2年4月公表
ボイラーの構造に関する知識 問3

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問題

二級ボイラー技士試験 令和2年4月公表 ボイラーの構造に関する知識 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

炉筒煙管ボイラーについて、誤っているものは次のうちどれか。
  • 水管ボイラーに比べ、一般に製作及び取扱いが容易である。
  • 水管ボイラーに比べ、蒸気使用量の変動による圧力変動が大きいが、水位変動は小さい。
  • 加圧燃焼方式を採用し、燃焼室熱負荷を高くして燃焼効率を高めたものがある。
  • 戻り燃焼方式を採用し、燃焼効率を高めたものがある。
  • 煙管には、伝熱効果の高いスパイラル管を使用しているものが多い。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は「2」です。

設問は、炉筒煙管ボイラについて問われています。

以下に、選択肢ごとに説明します。

 1.炉筒煙管ボイラは、水管ボイラに比べて、一般に製作及び取扱いが容易です。

 2.炉筒煙管ボイラは、水管ボイラに比べて、保有水量が大きいために蒸気使用量の変動による圧力変動や水位変動は小さいです。

 3.加圧燃焼方式とは、炉内に空気を押し込んで燃焼させる方式です。
   この燃焼方式を採用して、燃焼室熱負荷を高くして燃焼効率を高めたものがあります。

 4.戻り燃焼方式とは、燃焼ガスの流れをボイラの端で反転させて、燃焼ガスの滞留時間を長くする方式です。
   この燃焼方式を採用して燃焼ガスとボイラ水との接触時間を増やし、燃焼効率を高めたものがあります。

 5.煙管には、伝熱効果の高いスパイラル管を使用しているものが多いです。
   スパイラル管を採用することによって、燃焼ガスとボイラ水との接触面積が広くなり、効率が高められます。

以上の説明から、選択肢2が誤っていることがわかります。

正答は「2」です。

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02

1.正解です。
炉筒煙管ボイラーは、製造工場で組み立てを行い、パッケージ品として
客先に据え付ける事が多いです。水管ボイラーは、客先現地で製作、
据え付けを行う事が多い為、工事期間が長くなる傾向にあります。
炉筒煙管ボイラーは、保有水量が水管ボイラーに比べて多いので、
ドラム水位等変動が少なく比較的取り扱いは、容易です。

2.誤りです。
炉筒煙管ボイラーは、保有水量が多いので使用量によるドラム水位、圧力変動は小さいです。

3.正解です。
問題文のとおりです。燃焼室を加圧した(大気圧より高めた)ボイラーがあります。
通常のボイラーに比べ、熱を含んだ空気密度が高くなる為、燃焼効率が良くなります。

4.正解です。
バーナーからの火炎熱が、突き当たり戻ってくる方式を戻り燃焼方式と言います。
より多くの熱をボイラー水へ伝えられる為、燃焼効率は、1パスボイラーに比べ良くなります。

5.正解です。
スパイラル管は、煙管表面に溝をスパイラルに掘っていますので、表面積が多くなり、
ストレート管に比べ伝熱効果が良くなります。


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03

正解は「2」です。

炉筒煙管ボイラーの特徴に関する問題です。

「加圧燃焼方式」「戻り燃焼方式」「スパイラル管を使用した煙管」は、炉筒煙管ボイラーの一般的な特徴です。

1.正しいです。

 炉筒煙管ボイラーは、水管ボイラーに比べて、構造がシンプルですので、制作や取扱いが容易です。ですので、工場であらかじめ組み立てて完成状態で運搬し設置することが多いです。

2.誤りです。

 炉筒煙管ボイラーは、水管ボイラーに比べて、水量が多いですから、蒸気量が変わっても圧力や水位の変動は小さいです。

3.正しいです。

 加圧燃焼方式とは、押込ファンで強制的に燃焼用空気を供給する方式です。燃焼室内の圧力を大気圧より高く保つことで、高い温度で燃焼させられるので燃焼効率が高まります

ちなみに選択肢中の「燃焼室熱負荷」とは、燃焼室の単位容積、単位時間あたりの発生熱量(J/hm3)のことです。

4.正しいです。

 戻り燃焼方式とは、燃焼ガスをボイラーの端でUターンさせ、燃焼効率を高める方式です。燃焼ガスは、燃焼室(炉筒内)を通り、向きを変え第一煙管群を通り、さらに反転して第二煙管群を通ってから煙突から捨てられるというようになっています。

5.正しいです。

 スパイラル管は、らせん状の溝を設けた管で伝熱効率を大きくしています

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