二級ボイラー技士の過去問
令和3年4月公表
ボイラーの構造に関する知識 問2
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
二級ボイラー技士試験 令和3年4月公表 ボイラーの構造に関する知識 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
ボイラーの容量及び効率に関するAからDまでの記述で、正しいもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 蒸気の発生に要する熱量は、蒸気圧力、蒸気温度及び給水温度によって異なる。
B 換算蒸発量は、実際に給水から所要蒸気を発生させるために要した熱量を、0℃の水を蒸発させて、100℃の飽和蒸気とする場合の熱量で除したものである。
C 蒸気ボイラーの容量(能力)は、最大連続負荷の状態で、1時間に消費する燃料量で示される。
D ボイラー効率を算定するとき、燃料の発熱量は、一般に低発熱量を用いる。
A 蒸気の発生に要する熱量は、蒸気圧力、蒸気温度及び給水温度によって異なる。
B 換算蒸発量は、実際に給水から所要蒸気を発生させるために要した熱量を、0℃の水を蒸発させて、100℃の飽和蒸気とする場合の熱量で除したものである。
C 蒸気ボイラーの容量(能力)は、最大連続負荷の状態で、1時間に消費する燃料量で示される。
D ボイラー効率を算定するとき、燃料の発熱量は、一般に低発熱量を用いる。
- A, B, D
- A, C
- A, C, D
- A, D
- B, C
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
正解は、4です。
それぞれの記述について正しいかどうか検証していきます。
Aは、正しい記述です。
蒸気の発生に要する熱量は、その時の蒸気圧力、蒸気温度及び給水温度によって異なります。
『ボイラー教本』の蒸気表の数値を見ていただければ、温度や圧力によって必要な熱量が異なっている事が分かると思います。
Bは、 誤った記述です。
換算蒸発量とは、標準大気圧下で100℃の飽和水を蒸発させて100℃の乾き蒸気にする場合の熱量を基準蒸発熱量とし、実際の蒸発量を基準蒸発量の時の量に換算したものをいいます。
計算式は下記の様になります。
換算蒸発量(kg/h) =
{ 実際蒸発量(kg/h) × [蒸気にする為の全熱量(kJ/kg) − 給水熱量(kJ/kg)] } / 基準蒸発熱量(kJ/kg)
換算蒸発量とは、実際に給水から所要蒸気を発生させるために要した熱量を、0℃の水を蒸発させて、100℃の飽和蒸気とする場合の熱量で除したものではありません。基準蒸発熱量の記述が誤っています。
C は、誤った記述です。
蒸気ボイラーの容量(能力)は、最大連続負荷の状態で、1時間に消費する燃料量で示されるわけではなく、1時間に発生し得る蒸気の蒸発量(kg/h又は、t/h)で示されます。
D は、正しい記述です。
ボイラー効率とは全供給熱量に対する発生蒸気の吸収熱量の割合をいいます。
端的に言えば「蒸気を発生させるためにどれくらいの熱量を必要とするか」という事です。
ボイラー効率には、低位発熱量が使用されます。
因みに、低位発熱量と高位発熱量(総発熱量)の違いですが、
一般に燃料には炭素と水素を含んでおり燃焼時に水分を生成します 。この水分を蒸発させるのに必要とされる熱量を含めたものを高位発熱量(総発熱量)と言い、この水分を蒸発させる為の熱量を含まないものを低位発熱量と言います。
参考になった数120
この解説の修正を提案する
02
正解は4です。
A. 正しい。蒸気の発生に要する熱量は、蒸気圧力、蒸気温度及び給水温度によって異なります。大まかには、蒸気圧力が変化すると沸点及び蒸発潜熱が変化し、蒸気温度及び給水温度が変化すると、昇温に必要な顕熱が変化します。
B. 誤り。換算蒸発量は、実際に給水から所要蒸気を発生させるために要した熱量を、100℃の水を蒸発させて、100℃の乾き蒸気とする場合の熱量で除したものです。
C. 誤り。蒸気ボイラーの容量(能力)は、最大連続負荷の状態で、1時間に発生する蒸発量で示されます。
D. 正しい。ボイラー効率を算定するとき、燃料の発熱量は、一般に低発熱量を用います。
低発熱量とは、燃料の燃焼によって生じる総熱量(高発熱量)から水の凝縮潜熱(= 蒸発潜熱)を引いたものです。
実際のプラントでは燃焼によって発生した蒸気を基本的には凝縮させずに放散させるため、発生蒸気の凝縮潜熱を利用することはできません。そのため、燃料の発熱量には低発熱量を使用します。
参考になった数32
この解説の修正を提案する
03
正解は「4」です。
ボイラーの容量・効率に関する問題です。
A.正しいです。
記述の通り,蒸気の発生に必要な熱量は,蒸気圧力・蒸気温度および給水温度によって異なっています。
蒸気圧力が高い場合は,飽和温度も上昇するため,蒸気発生に必要な熱量も増加します。
圧力が高い程,蒸気に変化する際に必要なエネルギーが多くなるため,高温・高圧になるにつれて,その蒸気が持っているエネルギーは多くなります。
B.誤りです。
換算蒸発量とは,圧力や温度の違うボイラを同じ基準で比較するためのもので,100℃の飽和水を乾き飽和蒸気にする場合に必要な熱量で換算した蒸発量の事を言います。
記述の「0℃の水を蒸発させて,100℃の飽和蒸気とする場合の熱量で除したもの」は飽和蒸気の比エンタルピの事を指しています。
C.誤りです。
蒸気ボイラーの容量は,最大連続負荷の状態で1時間に発生できる蒸発量(kg/hまたはt/h)で示されます。
D.正しいです。
発熱量には高発熱量および低発熱量の2つあり,高発熱量は燃料内に含まれる水分の蒸発潜熱を含んだ値になります。また,高発熱量から蒸発潜熱を引いた値を低発熱量と言い,ボイラーに使用される実熱量は,低発熱量となります。よって,ボイラー効率を算定するときは一般に低発熱量を用いています。
よって,A・Dが正しいため,正解は「4」です。
参考になった数24
この解説の修正を提案する
前の問題(問1)へ
令和3年4月公表問題一覧
次の問題(問3)へ