二級ボイラー技士の過去問
令和3年10月公表
ボイラーの構造に関する知識 問6

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問題

二級ボイラー技士試験 令和3年10月公表 ボイラーの構造に関する知識 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

鋳鉄製ボイラーについて、誤っているものは次のうちどれか。
  • 蒸気ボイラーの場合、その使用圧力は0.1MPa以下に限られる。
  • 暖房用蒸気ボイラーでは、重力循環式の場合、給水管はボイラー本体の安全低水面の位置に直接取り付ける。
  • ポンプ循環方式の蒸気ボイラーの場合、返り管は、安全低水面以下150mm以内の高さに取り付ける。
  • ウェットボトム式は、ボイラー底部にも水を循環させる構造となっている。
  • 鋼製ボイラーに比べ、熱による不同膨張によって割れが生じやすい。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は, 2 です。

鋳鉄製ボイラーに関する問題です。

1.正しいです。

ボイラー構造規格 第八十八条 鋳鉄製ボイラーの制限より、以下に該当するボイラーは鋳鉄製としてはいけません。

・圧力0.1Mpaを超えて使用する蒸気ボイラー

・圧力0.5Mpaを超える温水ボイラー

・温水温度120℃を超える温水ボイラー

0.1Mpa以下の蒸気ボイラーのため,鋳鉄製としても大丈夫です。

2.誤りです。

誤:給水管はボイラー本体の安全低水面の位置に直接取付ける ➡ 正:給水管は返り管に取付る

ボイラー構造規格 第百条 圧力を有する水源からの給水より、給水は,返り管に取り付けなければなりません。万が一,返り管が空となった場合でも,ボイラー内が安全低水面以下とならないよう,ハートフォード式連結法を用いて、返り管に取付ます。 

3.正しいです。

・「給水管」と混同しないように注意しましょう。

4.正しいです。

ウェットボトム式は,ボイラー底部にも水を循環させる構造です。

・底部に水を循環させない構造のものを、ドライボトム式と呼びます。 

5.正しいです。

・鋳鉄は錆・腐食に強いですが,強度が弱いのが特徴です。

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02

正解は、 2 です。

1.正しい記述です。

鋳鉄製ボイラーは、鋳鉄の材料特性から使用圧力に制限があります。蒸気ボイラーとして使用する場合は0.1Mpa以下、温水ボイラーとして使用する時は0.5Mpa以下( 但し、定められた方法で破壊検査をした時は1Mpa以下)で使用すると法令(※ボイラー構造規格第88条)で定められています。

2.誤った記述です。

『給水管はボイラー本体の安全低水面の位置に直接取り付ける』というのは、誤りです。

仮に、給水管をその位置に取付けた場合、安全低水面以下に水位が下がる事も考えられます。安全低水面以下に水位が下がると、通常、重故障となり、ボイラーは、直ちに停止するようになっています。よって、給水管を接続する位置は、安全低水面より下部でなくてはなりません

蒸気暖房用ボイラーでは、復水を利用する事が普通であり、給水管は、復水の返り管の安全低水面以下の位置に接続されます。この接続法を、『ハートフォード式連結法』といいます。

3.正しい記述です。

問題文のとおりです。

4.正しい記述です。

問題文のとおりです。

ウェットボトム式は、底部に水があります。反対に、水が無い構造のものをドライボトム式といいます。

5.正しい記述です。

鋳鉄の素材の特徴で、鋼鉄より硬くて、脆いという特性があります。金属としての粘りがない素材ともいえます。ですから、熱による不同膨張によって割れが生じやすい素材です。

ただし、鋼材に比べ腐食に強いという長所もあります。

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03

正解は、2です。

鋳鉄製ボイラーについての問題です。

1. 正しいです。

 鋳鉄製ボイラーは、蒸気ボイラーとしては最高使用圧力0.1MPa以下、温水ボイラーとしては0.5MPa以下かつ温水温度120℃以下と決められています。

2. 誤りです。

 暖房用蒸気ボイラーでは、放熱器(ラジエーター)で蒸気が冷やされて水(復水)になり、この水を循環使用するために返り管を備えています。重力循環式でポンプを用いない場合、返り管が空だと、ボイラー水は返り管を逆流し、抜けてしまいます。低水位事故を防ぎ、最悪でも安全低水面を下回らないようにするため、返り管を一度安全低水面の高さまで持ち上げてから落とすという形にします(ハートフォード式連結法)。

 給水管はボイラーに直接取り付けてはいけません。その場合、ボイラーにいくら給水しても、返り管から抜けて(逆流して)しまい、安全低水面以上に水位が上がらない可能性があるからです。給水が水道などの圧力を有する水源から供給される場合は特にそうです。給水管は返り管に取り付けます。

3. 正しいです。

 ポンプで押す場合は、逆流しませんから、返り管は安全低水面を大きく下回らない位置につけるのが妥当です。

4. 正しいです。

 ウェットボトム式の鋳鉄製ボイラーは、名前の通り、燃焼室の下にも水があります。

 ドライボトム式ですと、下部には燃焼室しかありません。

5. 正しいです。

 鋳鉄製ボイラーは、腐食には強いですが、強度は弱いです。

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