二級ボイラー技士の過去問
令和4年10月公表
ボイラーの構造に関する知識 問3

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問題

二級ボイラー技士試験 令和4年10月公表 ボイラーの構造に関する知識 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

超臨界圧力ボイラーに一般的に採用される構造のボイラーは次のうちどれか。
  • 貫流ボイラー
  • 熱媒ボイラー
  • 二胴形水管ボイラー
  • 強制循環式水管ボイラー
  • 流動層燃焼ボイラー

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この過去問の解説 (3件)

01

今回の問題は、超臨界圧力ボイラーからの出題です。

超臨界圧力ボイラーは、水の臨界点より高圧力で稼働するボイラーです。水の沸点は100℃ですが、圧力を上げていくと、沸点の温度が上昇して水の状態にあります。さらに圧力を上げていくと水の状態では存在できず蒸気に変化します。このときの圧力が臨界圧力で、臨界点と言います。

臨界点に達するまでは、水の温度が上昇しながら蒸気が発生し、水と蒸気が共存する状態にあります。しかし、臨界点に達すると水の状態はなく全て蒸気に変化します。

臨界圧力以上では、水を加熱するとすぐに蒸気の状態となる事から、ボイラー水を貯めて加熱して蒸気を発生させて水と蒸気を分離するプロセスが省かれます。このため、超臨界圧力ボイラーは、貫流式によるボイラーとなります。

選択肢1. 貫流ボイラー

正解です。

選択肢2. 熱媒ボイラー

誤りです。

熱媒ボイラーは、熱媒に油を使い常圧で高温が得られるボイラーです。

選択肢3. 二胴形水管ボイラー

誤りです。

二胴形水管ボイラーは自然循環式水管ボイラーです。蒸気ドラムと水ドラムを連絡させたボイラーです。

選択肢4. 強制循環式水管ボイラー

誤りです。

強制循環式水管ボイラーは、循環ポンプでボイラー水を循環させた水管ボイラーです。

選択肢5. 流動層燃焼ボイラー

流動層燃焼ボイラーは、石炭を燃焼させて蒸気を得るボイラーです。

まとめ

超臨界圧力ボイラーは、ドラムが不要ということから、構造的に貫流ボイラーが適すると判断できます。この問題では、超臨界圧力という基礎知識と、ボイラーの種類ごとの構造の知識があれば、超臨界圧力ボイラーを知らずとも回答できるでしょう。

超臨界圧力ボイラーは貫流ボイラーと一度過去問で知れば、忘れることはないでしょうが、聞き慣れないボイラー名が出てきたときは、基礎知識から回答が導かれるため、基礎を覚えることが合格へのポイントになります。

ボイラー資格の問題は、基礎知識が多く出ますので、その意味からも基礎知識はポイントです。

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02

【同一テーマでの出題回数】★(H27/4~R4/4公表分)

超臨界圧力ボイラーの「臨界圧力」とは、液体(この場合は水)の臨界圧力(臨界状態の蒸気の圧力)を超える圧力で運転されるボイラーです。ここで、臨界状態とは、飽和状態(水と蒸気が共存している状態)から圧力上昇により飽和状態が存在しなくなる限界の状態といい、この時の圧力を臨界圧力といいます。水の場合、臨界圧力は22.064MPa(218.3気圧、臨界温度374.2℃)とされています。

選択肢1. 貫流ボイラー

超臨界圧力ボイラーに一般的に採用されています。

貫流ボイラーは水管ボイラーに分類されていますが、その他の水ドラムと蒸気ドラムを有する二胴(三胴)形とは異なり、ドラムがありません。水管へは、ポンプで給水された水が予熱を経て投入され蒸発、加熱されていくため、高圧・大容量から小型低圧用とカバーエリアが広いことで知られています。

選択肢2. 熱媒ボイラー

超臨界圧力ボイラーとしての採用はありません。

熱媒ボイラーとは、低圧での飽和温度が水より高い(200~400℃)有機熱媒を使ったボイラーで工場での熱源などに活用されているものです。

選択肢3. 二胴形水管ボイラー

超臨界圧力ボイラーとしての採用はありません。

二胴形水管ボイラーとは、水ドラムと蒸気ドラムの二胴を有する一般的な水管ボイラーで、低圧・中圧形や高圧形が製作されていますが、12MPa程度が限界とされています。

選択肢4. 強制循環式水管ボイラー

超臨界圧力ボイラーとしての採用はありません。

強制循環式水管ボイラーとは、貫流ボイラーを除く水管ボイラーに特有の水ドラムと蒸気ドラムをつなぐ水管への循環をポンプを使って強制的に行うボイラーです。強制循環とすることで、水管の配置自由度が増し、コンパクト化が可能となるため、排熱ボイラーや高さ制限のある舶用ボイラーに使われています。

選択肢5. 流動層燃焼ボイラー

超臨界圧力ボイラーとしての採用はありません。

流動層燃焼ボイラーとは、燃料となる石炭をはじめ産業廃棄物などを石灰石などと合わせ多孔板などに載せ、多孔板の孔から噴出する空気を使って燃焼させていくものです。

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03

この問題では、超臨界圧力ボイラーの一般的に採用される構造に関して知識を問われています。超臨界圧力ボイラーは、水の臨界点(22.064MPa、374.2℃)を超える圧力で運転されるボイラーで、水と蒸気の区別がなくなる状態で運転されます。このタイプのボイラーでは、水と蒸気を分離する必要がなく、水の加熱と蒸気の生成が一連のプロセスで行われます。そのため、超臨界圧力ボイラーは一般的に貫流式の構造を採用しています。これは、水と蒸気を分離するプロセスが必要ないためです。

まとめ

超臨界圧力ボイラーは、水の臨界点を超える圧力で運転され、水と蒸気の区別がない状態で動作します。この特性により、貫流式の構造が採用されることが一般的です。

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