二級ボイラー技士の過去問 令和5年10月公表 ボイラーの構造に関する知識 問1
この過去問の解説 (2件)
この問題では、熱と蒸気に関する物理的な特性とそれらの圧力や温度に対する挙動についての理解が問われています。水の沸騰時の温度、過熱蒸気の温度、飽和水の比エンタルピ、飽和蒸気の比体積、および飽和水の蒸発熱についての知識が重要です。それでは、各選択肢を詳しく見ていきましょう。
この文章は正しいです。水が沸騰を開始してから全てが蒸気に変わるまでの間、温度は一定です。これは水が相変化する際に温度が変わらないことを意味します。
この文章は正しいです。過熱蒸気の温度と同じ圧力の飽和蒸気の温度との差は過熱度と呼ばれます。これは過熱蒸気が飽和蒸気よりも高温であることを示しています。
この文章は誤りです。飽和水の比エンタルピは、圧力が高くなるにつれて大きくなります。圧力が増加すると、水の温度も上昇し、それに伴ってエンタルピも増加します。
この文章は正しいです。飽和蒸気の比体積は圧力が高くなるほど小さくなります。これは、圧力が増すと蒸気の密度が高くなり、同じ質量の蒸気が占める体積が減少するためです。
この文章は正しいです。飽和水の蒸発熱は圧力が高くなると小さくなり、臨界圧力に達するとゼロになります。これは、臨界点で液体と気体の相差がなくなるためです。
熱と蒸気に関する物理的性質、特に沸騰時の温度の一定性、過熱度の概念、飽和水の比エンタルピや比体積の圧力依存性、そして蒸発熱の圧力依存性を理解することが、この問題の解答の鍵です。特に、飽和水の比エンタルピが圧力によってどのように変化するかの理解が、正答へと導く重要なポイントとなります。
この問題は、熱と蒸気に関する基本的な物理学的特性について理解しているかを試すものです。
特に、水の沸点、過熱蒸気、飽和水及び飽和蒸気の性質に焦点を当てています。
適切でない特性を見分けるためには、熱力学の基本原理と、蒸気と水の相関係に関する知識が必要です。
適切
解説:水が沸騰し始めてから全てが蒸気に変わるまで、その温度は一定です。
これは、水と蒸気の相変化が定圧下で起こるとき、温度が変わらない熱力学的特性に基づいています。
適切
解説:過熱蒸気の温度と同圧力下の飽和蒸気の温度との差は、過熱度と呼ばれます。
これは過熱蒸気が飽和蒸気よりも高い温度を持っていることを示しています。
不適切
解説:飽和水の比エンタルピは、圧力が高くなるにつれて増加します。
この理由は、圧力が増加すると水を加熱するために必要なエネルギーが増加するためです。
適切
解説:飽和蒸気の比体積は、圧力が高くなるにつれて減少します。
これは、圧力が増すと蒸気の密度が高まり、単位質量あたりの体積が小さくなるためです。
適切
解説:飽和水の蒸発熱は、圧力が高くなるほど小さくなり、臨界圧力でゼロになります。
これは、臨界点で蒸気と液体の区別がなくなり、相変化に伴う熱の吸収が不要になるためです。
この問題を解く上での鍵は、水と蒸気の状態変化に関する熱力学的原理の理解です。
沸点での温度の一定性、過熱度の定義、飽和水と飽和蒸気の性質が圧力にどのように依存するかを把握することが重要です。
過熱度の概念、飽和状態での物質の性質変化、及び蒸発熱の圧力依存性を理解することにより、各選択肢の正誤を正確に判断することができます。
特に、飽和水の比エンタルピが圧力によって増加するという事実は、物質の状態変化を理解する上で重要なポイントです。
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