FP2級の過去問
2021年5月
学科 問51

【正解４】

［1］適切

贈与契約は、贈与者の一方的な意思表示だけでは贈与契約にはならず、相手方（受贈者）が受諾することによってその効力を生じます。

［2］適切

負担付贈与契約とは、財産の贈与を受けた者に一定の債務を負わせる贈与のことで、贈与者は、その負担の限度において、売買契約の売主と同様の担保責任を負います。

［3］適切

定期の給付を目的とする定期贈与は、贈与者または受贈者のいずれかが死亡したときに効力を失い、相続人等に引き継がれることはありません。

［4］不適切

贈与契約は、書面による贈与契約は、贈与者が一方的に撤回することはできませんが、書面によらない贈与の場合は、まだ履行していない部分については撤回することが可能です。

正解は 4 です。

1．適切です。

贈与は、贈与者と受贈者の意志が合致することにより成立します。

民法第549条により、

「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」

と規定されています。

2．適切です。

負担付贈与契約は、受贈者に一定の債務を負わせる贈与で、贈与者と受贈者が互いに債務を負担する双務契約です。

例えば、土地を贈与するかわりに、残りのローンを返済する義務を受贈者に負担してもらうケースがあります。

3．適切です。

定期贈与は、贈与者または受贈者どちらか一方の死亡によって失効します。

よって、相続人が引き継ぐことはありません。

4．不適切です。

贈与契約は口頭でも有効に成立します。この場合、未履行の部分については、各当事者が一方的に撤回することができます。

書面による贈与契約の場合、未履行の部分があっても、各当事者はその贈与を撤回できません。

ただし、定期贈与で贈与者または受贈者のどちらかが死亡した場合は、書面による贈与契約であっても、その定期贈与は失効します。

【相続・事業継承：贈与税と法律】

についての問題です。

1.〇

贈与は、無償で財産をあげますという片務契約であり、財産の引き渡し前でも当事者間の合意で成立する諾成契約です。

2.〇

負担付贈与では例えば、ローン未完済の車を贈与した場合、受贈者は車を得ることができますが、

同時にローンの支払義務を負うことになります。

3.〇

生前にしか贈与を行うことができません。

4.×

口頭で契約した場合は履行が終わっていない部分のみ当事者が撤回ができます。

書面で契約した場合は相手の承諾がなければ当事者のみで撤回することができません。