行政書士の過去問
平成26年度
法令等 問28

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問題

行政書士試験 平成26年度 法令等 問28 (訂正依頼・報告はこちら)

Aが自己所有の甲土地をBに売却する旨の契約 ( 以下、「 本件売買契約 」という。) が締結された。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。
※ 平成30年の民法改正により、詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者には対抗することができない(法96条3)となりました。
<参考>
この問題は平成26年(2014)に出題された問題となります。
  • AはBの強迫によって本件売買契約を締結したが、その後もBに対する畏怖の状態が続いたので取消しの意思表示をしないまま10年が経過した。このような場合であっても、AはBの強迫を理由として本件売買契約を取り消すことができる。
  • AがBの詐欺を理由として本件売買契約を取り消したが、甲土地はすでにCに転売されていた。この場合において、CがAに対して甲土地の所有権の取得を主張するためには、Cは、Bの詐欺につき知らず、かつ知らなかったことにつき過失がなく、また、対抗要件を備えていなければならない。
  • AがDの強迫によって本件売買契約を締結した場合、この事実をBが知らず、かつ知らなかったことにつき過失がなかったときは、AはDの強迫を理由として本件売買契約を取り消すことができない。
  • AがEの詐欺によって本件売買契約を締結した場合、この事実をBが知っていたとき、または知らなかったことにつき過失があったときは、AはEの詐欺を理由として本件売買契約を取り消すことができる。
  • Aは未成年者であったが、その旨をBに告げずに本件売買契約を締結した場合、制限行為能力者であることの黙秘は詐術にあたるため、Aは未成年者であることを理由として本件売買契約を取り消すことはできない。

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この過去問の解説 (3件)

01

答え:1

1.正しい

取消権の期間制限は、追認をすることができるときから5年、行為の時から20年ですが、追認をすることができるときというのは、強迫の状態を脱していることが必要であるため、畏怖の状態が続いている限り、取消権は事項によって消滅することはありません。

2.誤り

取消前の第三者であるCは、詐欺について善意であれば保護されます。

3.誤り

相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合には、相手方がその事実を知っていた時に限りその意思表示を取り消すことができますが、強迫の場合はこのような規定はなく、常に取り消すことができます。

4.誤り

第三者による詐欺の場合は、善意、又は無過失が要求されます。

5.誤り

単なる黙秘は詐術にはあたりません。

参考になった数3

02

正解1

1妥当
 畏怖の状態が続いているため取消しをすることが出来ます。

2妥当でない
 対抗要件(登記)は必要ありません。

3妥当でない
 強迫の場合は本人の帰責性が低いため善意の第三者にも対抗できます。

4妥当でない
 第三者による詐欺の場合は相手がその事実を知っていたとき(無過失ではない)に限り取り消すことが出来ます。

5妥当でない
 未成年者の詐術は単なる黙示では該当しません。

参考になった数2

03

正解 1

1 妥当である

AはBに対する畏怖の状態が続いているため、消滅時効は適用されず取り消すことができます。

2 妥当でない

詐欺の第三者は善意であれば保護される。保護されるためには、無過失要件には判例がなく、対抗要件は不要です。

3 妥当でない

第三者が強迫は相手方の善意悪意を問わず取り消すことができます。

4 妥当でない

第三者が詐欺を行った場合、相手方がその事実を知っていたときに限り、取消しを認めています。

5 妥当でない

「単に無能力者であることを黙秘していたことの一事をもって、右にいう詐術に当たるとするのは相当ではない。」としています。そのため、この場合は取消すことができます。

参考になった数2