行政書士の過去問
平成26年度
一般知識等 問50

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問題

行政書士試験 平成26年度 一般知識等 問50 (訂正依頼・報告はこちら)

日本の公債発行に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものはいくつあるか。

ア  財政法の規定では赤字国債の発行は認められていないが、特例法の制定により、政府は赤字国債の発行をしている。

イ  東日本大震災以降、政府一般会計当初予算では、歳入の4割以上が国債発行により調達されている。

ウ  東日本大震災以降の新規国債発行額をみると、建設国債のほうが赤字国債よりも発行額が多い。

エ  都道府県や市区町村が地方債発行により財源を調達する際には、当該地方議会の議決に加えて、国の許可を受けることが義務づけられている。

オ  地方自治体が発行する地方債は建設事業の財源調達に限られており、歳入を補填するための地方債は発行されていない。
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この過去問の解説 (3件)

01

正解2 二つ

ア 正解 特例公債法によって赤字国債が発行されています。問題文の通り、原則は赤字国債の発行は認められていない。(財政法四条 歳出財源の制限)

イ 正解 政府一般会計当初予算の四割以上が国債によって賄われています(2011年)

ウ 不正解 赤字国債のほうが建設国債より多いです。東日本大震災時の国債について確認しておきましょう。

エ 不正解 地方公共団体が地方債を起こす際は、総理大臣又は都道府県知事に協議をしなければならない。国の許可は必要ではありません。地方財政法五条三項。

オ 不正解 原則は、地方公共団体は地方債以外を財源としなければなりません。地方財政法5条。例外は地方債の一種である臨時財政対策債があります。国からの交付金が少ない場合は地方債の発行が認められています。


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02

ア 正しい

財政法において赤字国債を認める明文はありません。特例公債法の制定後、政府は赤字国債の発行をすることが珍しくありません。

イ 正しい(平成26年試験時)

東日本大震災が発生した平成23年から平成26年試験時まで政府一般会計当初予算では、歳入の4割以上が国債発行により調達されていました。

ウ 誤り

平成23年度の国債発行額は、赤字国債が約38兆円、建設国債は約6兆円となりました。赤字国債の方が建設国債より多くなっています。

エ 誤り

地方財政法第5条の3・1項において『地方公共団体は、地方債を起こし、又は起こそうとし、若しくは起こした地方債の起債の方法、利率若しくは償還の方法を変更しようとする場合には、政令で定めるところにより、総務大臣又は都道府県知事に協議しなければならない。ただし、軽微な場合その他の総務省令で定める場合は、この限りでない。』と定められています。つまり、『国の許可』ではなく、地方議会の議決に加えて総務大臣又は都道府県知事への協議が求められています。

オ 誤り

地方財政法第5条において『地方公共団体の歳出は、地方債以外の歳入をもつて、その財源としなければならない。ただし、次に掲げる場合においては、地方債をもつてその財源とすることができる。
一  交通事業、ガス事業、水道事業その他地方公共団体の行う企業(以下「公営企業」という。)に要する経費の財源とする場合
二  出資金及び貸付金の財源とする場合(出資又は貸付けを目的として土地又は物件を買収するために要する経費の財源とする場合を含む。)
三  地方債の借換えのために要する経費の財源とする場合
四  災害応急事業費、災害復旧事業費及び災害救助事業費の財源とする場合
五  学校その他の文教施設、保育所その他の厚生施設、消防施設、道路、河川、港湾その他の土木施設等の公共施設又は公用施設の建設事業費(公共的団体又は国若しくは地方公共団体が出資している法人で政令で定めるものが設置する公共施設の建設事業に係る負担又は助成に要する経費を含む。)及び公共用若しくは公用に供する土地又はその代替地としてあらかじめ取得する土地の購入費(当該土地に関する所有権以外の権利を取得するために要する経費を含む。)の財源とする場合』と定められています。『地方自治体が発行する地方債は建設事業の財源調達に限られて』いるということはありません。

よって、妥当なものはアとイの2つとなり、解答は2となります。

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03

ア:正しい
赤字国債の発行は原則として認められていませんが、特例法を制定し、その例外とすることで、赤字国債を発行しています。

イ:正しい
正しい記述です。

ウ:誤り
赤字国債の発行は建設国債より多く発行されています。

エ:誤り
この場合は、内閣総理大臣または知事に協議しなければなりませんが、国の許可が必要ではありません。

オ:誤り
このような事例も認められています。

したがって、正しい記述は2つで、②が正解となります。

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