行政書士の過去問
平成27年度
法令等 問15
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問題
行政書士試験 平成27年度 法令等 問15 (訂正依頼・報告はこちら)
処分についての審査請求に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 審査請求の審理は、書面によるのが原則であるが、申立人の申立てがあった場合には、審査庁は、申立人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。
- 審査請求は、行政の適正な運営を確保することを目的とするため、一般概括主義がとられており、国会および裁判所が行う処分以外には、適用除外とされている処分はない。
- 審査請求は、行政の適正な運営を確保することを目的とするため、対象となる処分に利害関係を有さない者であっても、不服申立てができる期間であれば、これを行うことができる。
- 審査請求は、簡易迅速に国民の権利利益の救済を図るための制度であるから、審査請求が行われた場合には、処分の効力は、裁決が行われるまで停止する。
- 審査請求は、簡易迅速に国民の権利利益の救済を図るための制度であるから、審査請求に対する審査庁の判断が一定期間内に示されない場合、審査請求が審査庁によって認容されたとみなされる。
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この過去問の解説 (4件)
01
行政不服審査法第31条において『審査請求人又は参加人の申立てがあった場合には、審理員は、当該申立てをした者に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。』と定められています。
2 誤り
行政不服審査法第7条において『裁判所若しくは裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処分』や『刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分』等も審査請求に関して適用除外とされています。
3 誤り
最高裁判所は昭和53年3月14日に『行政庁の処分に対し不服申立をすることができる者は、法律に特別の定めがない限り、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれがあり、その取消等によつてこれを回復すべき法律上の利益をもつ者に限られるべき』と判断しています。不服申立ては利害関係人しかすることが認められていません。
4 誤り
行政不服審査法第25条1項において『審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。』と定められています。審査請求がされても、それだけでは処分の効力は停止しません。
5 誤り
「審査請求に対する審査庁の判断が一定期間内に示されない場合、審査請求が審査庁によって認容されたとみなされる。」といった内容の条文は存在しません。
よって、解答は1となります。
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02
行政不服審査法31条1項の内容の通りです。
審査請求の審理は、原則書面、申し立てがあった場合の例外として口頭になります。
2.誤り
「国会及び裁判所が行う処分以外には、適用除外とされている処分はない」の部分が誤りです。行政不服審査法7条は、適用除外とされるものを列挙しており、「国会及び裁判所が行う処分以外」にも適用除外とされるものがあります。
【行政不服審査法7条】
第七条 次に掲げる処分及びその不作為については、第二条及び第三条の規定は、適用しない。
一 国会の両院若しくは一院又は議会の議決によってされる処分
二 裁判所若しくは裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処分
三 国会の両院若しくは一院若しくは議会の議決を経て、又はこれらの同意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分
四 検査官会議で決すべきものとされている処分
五 当事者間の法律関係を確認し、又は形成する処分で、法令の規定により当該処分に関する訴えにおいてその法律関係の当事者の一方を被告とすべきものと定められているもの
六 刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官又は司法警察職員がする処分
七 国税又は地方税の犯則事件に関する法令に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、収税官吏、税関長、税関職員又は徴税吏員がする処分及び金融商品取引の犯則事件に関する法令に基づいて証券取引等監視委員会、その職員、財務局長又は財務支局長がする処分
八 学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分
九 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分
十 外国人の出入国又は帰化に関する処分
十一 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分
十二 この法律に基づく処分(第五章第一節第一款の規定に基づく処分を除く。)
3.誤り
利害関係を有さない者は審査請求することができません。
行政不服審査法4条1項は、不服申立適格を、処分に「不服がある者」としていますが、この「不服がある者」の範囲が解釈上問題となります。そこで判例は、「法律上の利益」がある者だと解しています(主婦連ジュース訴訟:最判昭和53・3・14)。なお、「法律上の利益」について、本判決は取消訴訟の原告適格の解釈と同様の「法律上保護された利益」説を採用しています。
4.誤り
申立の提起によって、処分の効力は停止されません(行政不服審査法25条)。執行不停止の原則です。
ただし、処分について不服申立てを受けた処分庁または上級行政庁は、申立または職権によって執行停止をすることができます(執行停止制度:同条2項~7項、26条)。
5.誤り
「認容されたとみなされる」という規定はありません。
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03
1 正解 その通り。行政不服審査法31条に(口頭意見陳述)が規定されています。審理員は申立人に「口頭」で意見を述べる機会を与えなければなりません。
2 不正解
審査請求が適用されない規定があります。行政手続法7条8項の列挙事項です。
3 不正解
不服申立てを行うものは、利害関係人に限られます。
4 不正解
行政不服審査法25条に執行停止が規定されています。審査請求がされても処分の効力は停止されません。
5 不正解
そのような規定はありません。
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04
2:誤り。 行政不服審査法7条1号~12号で適用除外が規定されています。国会および裁判所が行う処分以外にも、「司法警察職員がする処分」や「外国人の出入国又は帰化に関する処分」等が規定されています。
3:誤り。 行政不服審査法には当事者適格についての規定はありませんが、法律上の利益がある者のみが当事者適格を有すると解します。そして判例は、法律上の利益がある者とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうとしています。従って、処分に利害関係を有さない者は当事者適格が否定されます。
4:誤り。 審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続きの続行を妨げません。従って、審査請求が行われても処分の効力は停止しません。
5: 誤り。 行政不服審査法に本記述のような規定はありません。
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