行政書士の過去問
平成27年度
法令等 問28
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問題
行政書士試験 平成27年度 法令等 問28 (訂正依頼・報告はこちら)
心裡留保および虚偽表示に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。
- 養子縁組につき、当事者の一方において真に養親子関係の設定を欲する意思がない場合であっても、相手方がその真意につき善意、無過失であり、縁組の届出手続が行われたときは、その養子縁組は有効である。
- 財団法人 ( 一般財団法人 ) の設立に際して、設立関係者全員の通謀に基づいて、出捐者が出捐の意思がないにもかかわらず一定の財産の出捐を仮装して虚偽の意思表示を行った場合であっても、法人設立のための当該行為は相手方のない単独行為であるから虚偽表示にあたらず、財団法人の設立の意思表示は有効である。
- 土地の仮装譲渡において、仮装譲受人が同地上に建物を建設してその建物を他に賃貸した場合、建物賃借人において土地譲渡が虚偽表示によるものであることについて善意であるときは、土地の仮装譲渡人はその建物賃借人に対して、土地譲渡の無効を理由として建物からの退去および土地の明渡しを求めることができない。
- 仮装の売買契約に基づく売買代金債権が他に譲渡された場合、債権の譲受人は第三者にあたらないため、譲受人は、譲受債権の発生原因が虚偽表示によるものであることについて善意であっても、買主に対して売買代金の支払を求めることができない。
- 金銭消費貸借契約が仮装され、借主に金銭が交付されていない場合であっても、当該契約に基づく貸金債権を譲り受けた者は、譲受債権の発生原因が虚偽表示によるものであることについて善意であるときは、借主に対して貸金の返済を求めることができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
2:妥当でない。 本問意思表示は相手方のない単独行為ですが、民法94条1項を類推適用し当該財団法人の設立の意思表示は無効と解する、とした判例があります。
3:妥当でない。 「土地」の仮装譲渡に関し、当該土地上の「建物」の賃借人は間接的な利害関係人に過ぎないため、民法94条2項の第三者にあたりません。従って、土地の仮装譲渡人はその建物賃借人に対して、土地の譲渡が無効であることを主張することができます。
4:妥当でない。 仮装売買契約にもとづく売買代金債権の譲受人は、民法94条2項の第三者にあたります。従って、当該譲受人が善意であれば、買主に対し売買代金の支払いを求めることができます。
5:妥当である。 仮装金銭消費貸借契約にもとづく貸金債権の譲受人は、民法94条2項の第三者にあたります。従って、当該譲受人が善意であれば、借主に対して貸金の返済を請求することができます。
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02
1 × 身分行為には民法93条ただし書は適用されません。身分行為とは婚姻、離婚、養子縁組などの当事者の意思に基づく行為をいいます。
2 × 参考判例最判昭和56年4月28日参照
民法94条の規定を類推適用してこれを無効と解するのが相当である、としています。
3 × 土地の賃借人が自己所有の借地上の建物を他に仮装譲渡した場合の土地の賃借人は94条2項の第三者にあたりませんので、土地の譲渡の無効を主張できます。
4 × 仮装債権の譲受人は94条2項の第三者にあたり、買主に対し売買代金の支払いを求めることができます。
5 〇 仮装債権の譲受人は94条2項の第三者にあたります。また、物を授受しないでした場合にも適用されます。
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03
1誤
身分行為に心裡留保は適用されません。
2誤
単独行為であっても、虚偽表示が類推適用されて意思表示は無効とされます。
3誤
仮装譲渡された土地にある建物の賃借人は94条2項の第三者に当たらないため、土地の譲渡は無効になります。
4誤
94条2項の第三者にあたるため買主に支払いを主張できます。
5正
94条2項の第三者にあたるため、善意の場合、支払いを請求できます。
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