行政書士の過去問
平成29年度
法令等 問12
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問題
行政書士試験 平成29年度 法令等 問12 (訂正依頼・報告はこちら)
処分理由の提示に関する次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
- 行政手続法が、不利益処分をする場合に同時にその理由を名宛人に示さなければならないとしているのは、名宛人に直接義務を課し、またはその権利を制限するという同処分の性質にかんがみたものであるから、行政手続法には、申請に対する拒否処分に関する理由の提示の定めはない。
- 一級建築士免許取消処分をするに際し、行政庁が行政手続法に基づいて提示した理由が不十分であったとしても、行政手続法には理由の提示が不十分であった場合の処分の効果に関する規定は置かれていないから、その違法により裁判所は当該処分を取り消すことはできない。
- 行政手続法は、不利益処分をする場合にはその名宛人に対し同時に当該不利益処分の理由を示さなければならないと定める一方、「当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合はこの限りでない。」としている。
- 青色申告について行政庁が行った更正処分における理由附記の不備という違法は、同処分に対する審査裁決において処分理由が明らかにされた場合には、治癒され、更正処分の取消事由とはならない。
- 情報公開条例に基づく公文書の非公開決定において、行政庁がその処分理由を通知している場合に、通知書に理由を附記した以上、行政庁が当該理由以外の理由を非公開決定処分の取消訴訟において主張することは許されない。
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この過去問の解説 (4件)
01
2.行政手続法第14条1項によると、不利益処分をする場合は、その理由を示さなければならないとされています。
理由を示さない処分は違法であるとの最高裁判例がありますので、間違いです。
3.行政手続法第14条1項ただし書きに記載されています。記述のとおりです。
4. 更正処分における理由附記の不備という瑕疵は、後日理由を付されたからといって治癒されるものではないとの最高裁の判決がありますので、間違いです。
5. 当該理由以外の理由を非公開決定処分の取消訴訟において主張することができないという根拠はないため、当該理由以外の理由を主張することは許されるとの最高裁判例(平11.11.15)がありますので、間違いです。
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02
行政手続法第8条1項は
行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。
と規定しています。
2✖
行政手続法第14条1項は
行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。
と規定しています。
そして、不利益処分の理由の提示が不十分である場合には処分が違法とされる余地があります。
判例は本肢と同様の事案で取消しを認めています。
3〇
行政手続法第14条は
行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
と規定しています。
4✖
更正処分における理由附記の不備による取り消しを認めることは、後日理由を付されたとしても無意味となるものではないため、更正処分の取消事由となります。
5✖
情報公開条例に基づく公文書の非公開決定において、行政庁がその処分理由を通知している場合に、通知書に理由を附記したとしても、行政庁が当該理由以外の理由を非公開決定処分の取消訴訟において主張することは可能です。
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03
法解釈を誤った通達でも、故意または過失が認められなければ
当然に違法とはなりません。
2.たとえ無罪だったとしても、当然には違法となりません。
よって〇です。
3.違法または不当な目的をもって裁判したなど、
権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したような
特別の事情があれば、違法と判断されることもあります。
4.立法内容が憲法の一義的文言に違反しているにも関わらず、
あえて当該行為を行うような
容易に想定しがたいような例外的な場合、
違法の評価をうけます。(判例あり)
5.当然には判断されない。
(判例あり)
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04
行政手続法8条では、申請に対する拒否処分についても理由を提示するものとされています。
②妥当でない
理由提示が不十分であったことを理由に処分が違法であるとした判例があります。
③妥当である
行政手続法14条1項に規定されています。
④妥当でない
判例では、処分の際の理由附記の不備という瑕疵は、後に理由が付記された場合であっても治癒されないとしています。
⑤妥当でない
情報公開条例に基づく公文書の非公開決定において、行政庁がその処分理由を通知している場合に、通知書に理由を附記した場合でも、行政庁はその理由以外を主張することは認められています。
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