行政書士の過去問
平成30年度
法令等 問23
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問題
行政書士試験 平成30年度 法令等 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
地方公共団体の定める条例と規則に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア:普通地方公共団体は、その事務に関し、条例を制定し、それに違反した者について、懲役などの刑罰の規定を設けることができる。
イ:普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務に関し、規則を制定し、それに違反した者について、罰金などの刑罰の規定を設けることができる。
ウ:普通地方公共団体の長は、普通地方公共団体の議会による条例の制定に関する議決について、再議に付すことができる。
エ:普通地方公共団体は、公の施設の設置およびその管理に関する事項につき、その長の定める規則でこれを定めなければならない。
オ:日本国民たる普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の条例の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の選挙に参与する権利を有する。
ア:普通地方公共団体は、その事務に関し、条例を制定し、それに違反した者について、懲役などの刑罰の規定を設けることができる。
イ:普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務に関し、規則を制定し、それに違反した者について、罰金などの刑罰の規定を設けることができる。
ウ:普通地方公共団体の長は、普通地方公共団体の議会による条例の制定に関する議決について、再議に付すことができる。
エ:普通地方公共団体は、公の施設の設置およびその管理に関する事項につき、その長の定める規則でこれを定めなければならない。
オ:日本国民たる普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の条例の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の選挙に参与する権利を有する。
- ア・イ
- ア・ウ
- イ・オ
- ウ・エ
- エ・オ
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この過去問の解説 (4件)
01
よって、正しい記述です。
イ:規則を制定し、その規則違反に対し、5万円以下の過料を科すことは認められていますが(地方自治法15条2項)、刑事罰(罰金など)を科すことはできません。誤りです。
ウ:いわゆる「拒否権(再議権)」です。首長は議決に意義がある場合は、理由をつけて再議に付すことができます(地方自治法176条)。正しい記述です。
エ:普通地方公共団体は、公の施設の設置およびその管理に関する事項については、「条例」で定めます(地方自治法244条の2、1項)。誤りです。
オ:「日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の選挙に参与する権利を有する(地方自治法11条)」とされています。誤りです。
したがって、②が正解となります。
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02
条例に違反した者に対し、2年以下の懲役もしくは禁錮、100万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑または5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができます(14条3項)。
イ.誤
規則に違反した者に対し、5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができます(15条2項)。罰金などの刑罰を科すことはできません。
ウ.正
普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、普通地方公共団体の長は、その議決の日から10日以内に理由を示してこれを再議に付することができます(176条1項)。
エ.誤
公の施設の設置およびその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければなりません(244条の2第1項)。
ォ.誤
地方自治法の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の選挙に参与する権利を有します(11条)。
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03
地方自治法に関する設問です。
ア〇 同法14条の通りです。「普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。 2 普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。 3 普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、二年以下の懲役若しくは禁錮こ、百万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。」
イ× 同法15条は「普通地方公共団体の長は、法令に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し、規則を制定することができる。 2 普通地方公共団体の長は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、普通地方公共団体の規則中に、規則に違反した者に対し、五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。」と規定していますが、罰金などの刑罰の規定を設ける権限を有しているわけではありません。
ウ〇 同法176条1項の通りです。「普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、その議決の日(条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決については、その送付を受けた日)から十日以内に理由を示してこれを再議に付することができる。」
エ× 同法244条の2第1項は「普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。」と定めています。規則ではなく条例で定めなければならないため、エは誤りです。
オ× 同法11条は、「日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の選挙に参与する権利を有する。」と定めています。普通地方公共団体の選挙に参与する権利は、同法に定められているのであって、条例によるとするオは誤りということになります。
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04
正しい。
地方自治法第14条1項は、
「普通地方公共団体は、
法令に違反しない限りにおいて・・・
条例を制定することができる。」
と定めており、
法第14条3項は、
「普通地方公共団体は・・・その条例中に、
条例に違反した者に対し、
2年以下の懲役もしくは禁錮・・・を課する旨の
規定を設けることができる。」
としています。
イ
誤り。
規則とは、普通地方公共団体の長の定めるものです。
法第15条2項は、
「普通地方公共団体の長は・・・
規則中に、規則に違反した者に対して5万円以下の
過料を科する旨の規定を設けることができる。」
としており、罰金を認めません。
因みに、「過料」とは行政上の罰であるのに対し、
「罰金」とは刑事上の罰であるという違いがあります。
ウ
正しい。
法第176条は、
「普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、
当該普通地方公共団体の長は・・・
その議決の日・・・から10日以内に理由を示して
これを再議に付することができる。」
と定めています。
エ
誤り。
公の施設の設置及び管理については、
地方自治法は条例主義を取っており、
法第244条の2は、
「普通地方公共団体は・・・
公の施設の設置及びその管理に関する事項は、
条例でこれを定めなければならない。」
としています。
オ
誤り。
普通地方公共団体の議員及び長の選挙権につき、
地方自治法第11条は、
「日本国民たる普通地方公共団体の住民は、
この法律の定めるところにより、
その属する普通地方公共団体の選挙に参与する
権利を有する。」
としており、
地方参政権は条例により与えられているのではありません。
以上から、本問は選択肢ア・ウを含む2が正解になります。
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