行政書士の過去問
平成30年度
法令等 問22
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問題
行政書士試験 平成30年度 法令等 問22 (訂正依頼・報告はこちら)
地方自治法の定める特別区に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 特別区は、かつては特別地方公共団体の一種とされていたが、地方自治法の改正により、現在は、市町村などと同様の普通地方公共団体とされており、その区長も、公選されている。
- 特別区は、独立の法人格を有する地方公共団体である点においては、指定都市に置かれる区と相違はないが、議会や公選の区長を有すること、さらには条例制定権限を有する点で後者とは異なる。
- 特別区は、その財源を確保するために、区民税などの地方税を賦課徴収する権限が認められており、その行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、他の地方公共団体から交付金を受けることを禁じられている。
- 特別区は、地方自治法上は、都に設けられた区をいうこととされているが、新たな法律の制定により、廃止される関係市町村における住民投票などの手続を経て、一定の要件を満たす他の道府県においても設けることが可能となった。
- 特別区は、原則として、市町村と同様の事務を処理することとされているが、特別区相互間の事務の調整を確保する見地から、市町村と異なり、その事務の執行について、区長等の執行機関は、知事の一般的な指揮監督に服する。
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この過去問の解説 (3件)
01
地方自治法上の「特別区」に関する設問です。
1× 特別区では区長が公選されている、という部分は正しい記述です(地方自治法283条1項ほか)。しかし、特別区は特別地方団体に分類されます(同法1条の3)ので、普通地方団体であるとする肢1は誤りです。
2× 特別区が議会や公選の区長を有し、条例制定権を有する、という部分は正しい記述です(同法283条1項ほか)。しかし、法人格は有さず、行政区に留まりますので、肢2は誤りです。
3× 特別区には区民税などの地方税を賦課徴収する権限が認められている、という部分は正しい記述です(地方税法2条ほか)。しかし、特別区も他の地方公共団体である都から交付金を受けることが認められているため(地方自治法282条1項)、肢3は誤りです。
4〇 正しい記述です。なお、肢4でいう「新しい法律」とは、2012年に成立した「大都市地域における特別区の設置に関する法律」を指します。
5× 特別区は、原則として、市町村と同様の事務を処理することとされている、という部分は正しい記述です(地方自治法281条の2第2項)。しかし、「都知事は、特別区に対し、都と特別区及び特別区相互の間の調整上、特別区の事務の処理について、その処理の基準を示す等必要な助言又は勧告をすることができる。」(同法281条の6)に留まるのであって、知事の一般的な指揮監督に服するわけではありません。
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02
特別区は、特別地方公共団体です。
2.妥当でない
指定都市に置かれる区は、行政事務の処理の便宜のために設けられた行政区にとどまり、法人格を有しません。
3.妥当でない
都は、政令の定めるところにより、条例で、特別区財政調整交付金を交付するものとします(282条1項)。
4.妥当である
大都市地域における特別区の設置に関する法律により、道府県においても特別区の設置が認められるようになりました。
5.妥当でない
都知事は、特別区の事務の処理について、処理の基準を示す等必要な助言又は勧告をすることができるが、これは拘束力をもつものではありません。
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03
「特別地方公共団体は、特別区、地方公共団体の組合及び財産区とする(自治法1条の3、3項)」とされ、特別区は特別地方公共団体です。
②誤り
地方公共団体(=普通地方公共団体・特別地方公共団体=特別区)は法人とされます(自治法2条)。
指定都市に置かれる区=特別区ではありません。
③誤り
自治法282条は、「都は…、条例で、特別区財政調整交付金を交付するものとする」と規定しており、特別区が他の地方公共団体から交付金を受けることを禁じられているわけではありません。
④正解
「大都市地域における特別区の設置に関する法律」により、一定の要件を満たす他の道府県においても設けることが可能となりました。
⑤誤り
自治法245条の2では、「普通地方公共団体は、その事務の処理に関し、法律又はこれに基づく政令によらなければ、普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与を受け、又は要することとされることはない」としています。
特別区は、市町村の事務に該当するものを処理し、やはり都知事の一方的な指揮監督に服するものではありません。
したがって、④が正解となります。
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