行政書士の過去問
令和元年度
法令等 問14

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

行政書士試験 令和元年度 法令等 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

裁決および決定についての行政不服審査法の規定に関する次のア~オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア  審査請求人は、処分についての審査請求をした日(審査請求書につき不備の補正を命じられた場合は、当該不備を補正した日)から、行政不服審査法に定められた期間内に裁決がないときは、当該審査請求が審査庁により棄却されたものとみなすことができる。
イ  審査請求については、裁決は関係行政庁を拘束する旨の規定が置かれており、この規定は、再審査請求の裁決についても準用されているが、再調査の請求に対する決定については、準用されていない。
ウ  審査請求および再審査請求に対する裁決については、認容、棄却、却下の3つの類型があるが、再調査の請求については請求期間の定めがないので、これに対する決定は、認容と棄却の2つの類型のみである。
エ  審査請求においては、処分その他公権力の行使に当たる行為が違法または不当であるにもかかわらず、例外的にこれを認容せず、裁決主文で違法または不当を宣言し、棄却裁決をする制度(いわゆる事情裁決)があるが、再調査の請求に対する決定についても、類似の制度が規定されている。
オ  事実上の行為のうち、処分庁である審査庁に審査請求をすべきとされているものについて、審査請求に理由がある場合には、審査庁は、事情裁決の場合を除き、裁決で、当該事実上の行為が違法または不当である旨を宣言するとともに、当該事実上の行為の全部もしくは一部を撤廃し、またはこれを変更する。
  • ア・ウ
  • ア・エ
  • イ・エ
  • イ・オ
  • ウ・オ

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (4件)

01

正解:④

ア:誤り
 行政不服審査法24条1項では、「審査請求人が同条の期間内に不備を補正しないときは、審査庁は、次節に規定する審理手続を経ないで、第四十五条第一項又は第四十九条第一項の規定に基づき、裁決で、当該審査請求を却下することができる」とありますが、審査請求人が不備を補正した場合、「行政不服審査法に定められた期間内に裁決がないときは、当該審査請求が審査庁により棄却されたものとみなす」ことはできません。

イ:正しい
 裁決は関係行政庁を拘束しますが、再調査の請求に対する決定については、準用されていません。

ウ:誤り
 再調査についても、請求期間が存在します(知った日の翌日から3か月、処分があった日の翌日か1年)(行政不服審査法54条)。
また、類型についても、認容と棄却に加え、再調査請求自体が適当でない場合の「却下」の3つとなります。

エ:誤り
 再調査の請求に対する決定については、事情裁決の制度はありません(行政不服審査法58条)。

オ:正しい
 行政不服審査法47条に規定されています。

参考になった数16

02

正解は4

ア× 行政不服審査法に、このような規定は存在しません。

イ〇 同法52条1項(「裁決は、関係行政庁を拘束する。」)、同法66条1項前段(「第二章(第九条第三項、第十八条(第三項を除く。)、第十九条第三項並びに第五項第一号及び第二号、第二十二条、第二十五条第二項、第二十九条(第一項を除く。)、第三十条第一項、第四十一条第二項第一号イ及びロ、第四節、第四十五条から第四十九条まで並びに第五十条第三項を除く。)の規定は、再審査請求について準用する。」)の通りです。

ウ× 再調査の請求の際にも、請求期間の定めがあり、当該再調査の請求を却下があり得ます。(同法58条1項)

エ× 再調査の請求に対する決定については、そのような制度は規定されていません。

オ〇 同法47条の通りです。
「事実上の行為についての審査請求が理由がある場合(第四十五条第三項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、次の各号に掲げる審査庁の区分に応じ、当該各号に定める措置をとる。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁以外の審査庁である場合には、当該事実上の行為を変更すべき旨を命ずることはできない。 (1号略) 二 処分庁である審査庁 当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すること。」

参考になった数6

03

正解:4.イ・オ

ア:×
 このような規定はありません。

イ:〇
 その通りです。
 行政不服審査法52条1項において、「裁決は、関係行政庁を拘束する」と規定されており、この規定は、再審査請求の裁決についても準用されています(行政不服審査法66条)が、再調査の請求に対する決定については準用されていません(行政不服審査法61条)。

ウ:×
 「再調査の請求については請求期間の定めがないので、これに対する決定は、認容と棄却の2つの類型のみ」とする記載は誤りです。
 行政不服審査法54条において、再調査の請求期間が定められています。また、行政不服審査法58条では、再調査の請求の却下又は棄却の決定を定めており、同法59条において、再調査の請求の認容の決定について定めています。したがって、再調査の請求に対する決定は、「却下、棄却、認容の3つの類型」があります。

エ:×
 「再調査の請求に対する決定についても、類似の制度が規定されている」とする記載は誤りです。
 再調査の請求に対する決定については、事情裁決についての規定は設けられていません。

オ:〇
 その通りです。
 行政不服審査法47条の規定です。

参考になった数5

04

ア ×
「行政不服審査法に定められた期間内に裁決がないときは、当該審査請求が審査庁により棄却されたものとみなすことができる」という条文の規定はないため誤りです。

イ 〇
正しい記述です。(行政不服審査法52、61、66条)

ウ ×
再調査の請求に関しても、認容・棄却・却下の3つの類型があります。

エ ×
審査請求に事情裁決はありますが、再調査の請求に事情裁決類似の制度は規定されていません。

オ 〇
正しい記述です。(行政不服審査法47条)

よって正解は④です。

参考になった数4