行政書士の過去問
令和元年度
法令等 問17
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問題
行政書士試験 令和元年度 法令等 問17 (訂正依頼・報告はこちら)
行政事件訴訟法が定める執行停止に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 執行停止の決定は、裁判所が疎明に基づいて行うが、口頭弁論を経て行わなければならない。
- 執行停止の決定は、取消訴訟の提起があった場合においては、裁判所が職権で行うことができる。
- 執行停止の決定は、償うことができない損害を避けるための緊急の必要がある場合でなければ、することができない。
- 執行停止の決定は、本案について理由があるとみえる場合でなければ、することができない。
- 執行停止による処分の効力の停止は、処分の執行または手続の続行の停止によって目的を達することができる場合には、することができない。
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この過去問の解説 (3件)
01
行政事件訴訟法25条を引用します。
「処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。 2 処分の取消しの訴えの提起があつた場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下「執行停止」という。)をすることができる。ただし、処分の効力の停止は、処分の執行又は手続の続行の停止によつて目的を達することができる場合には、することができない。 3 裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たつては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。 4 執行停止は、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、することができない。 5 第二項の決定は、疎明に基づいてする。 6 第二項の決定は、口頭弁論を経ないですることができる。ただし、あらかじめ、当事者の意見をきかなければならない。 7 第二項の申立てに対する決定に対しては、即時抗告をすることができる。 8 第二項の決定に対する即時抗告は、その決定の執行を停止する効力を有しない。」
1× 口頭弁論を経ないですることができます(5-6項)。
2× 裁判所の職権ではなく、申立てによってなされます(2項)。
3× 「重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき」であれば可能です(2項)。
4× 「公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるとき」はすることができません(4項)。
5〇 2項但し書の通りです。
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02
1:×
口頭弁論を「経て行わなければならない」とする記載は誤りです。
執行停止の決定は、口頭弁論を経ないですることができます。(行政事件訴訟法25条6項)
2:×
「裁判所が職権で行うことができる」とする記載は誤りです。
執行停止は、「申し立て」により、裁判所の決定をもってするものです。(行政事件訴訟法25条2項)
3:×
「償うことができない損害を避けるための緊急の必要がある場合でなければ、することができない」との記載は誤りです。
執行停止の決定は、「処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき」にすることができます。(行政事件訴訟法25条2項)
4:×
執行停止の決定は、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるときにも、することができません。
(行政事件訴訟法25条4項)
「執行停止は、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、することができない。」
5:〇
そのとおりです。これは、行政事件訴訟法25条2項ただし書きの記載です。
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03
①誤り
執行停止の決定は、「疎明に基づ」き(行政不服審査法25条5項)、「口頭弁論を経ないですることができ」ます。ただし、あらかじめ、当事者の意見をきかなければならない(行政事件訴訟法25条6項)。
②誤り
執行停止は、「申立てにより、決定をもつて」行います(行政不服審査法25条2項)。
裁判所が職権で行うことはできません。
③誤り
執行停止の決定は、「処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき」に認められます(行政事件訴訟法25条2項)。
④誤り
行政事件訴訟法25条4項では、「執行停止は、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、することができない。」と規定されています。
⑤正しい
正しい記述です。
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