行政書士の過去問
令和元年度
法令等 問31

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問題

行政書士試験 令和元年度 法令等 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

質権に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。
  • 動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができず、また、質物の占有を第三者によって奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができる。
  • 不動産質権は、目的不動産を債権者に引き渡すことによってその効力を生ずるが、不動産質権者は、質権設定登記をしなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。
  • 債務者が他人の所有に属する動産につき質権を設定した場合であっても、債権者は、その動産が債務者の所有物であることについて過失なく信じたときは、質権を即時取得することができる。
  • 不動産質権者は、設定者の承諾を得ることを要件として、目的不動産の用法に従ってその使用収益をすることができる。
  • 質権は、債権などの財産権の上にこれを設定することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:4

1:〇
 そのとおりです。前半は、民法352条の規定で、後半は、民法353条の規定です。
(民法352条)
動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。
(民法353条)
動産質権者は、質物の占有を奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができる。

2:〇
 そのとおりです。民法344条において、「質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる」と規定されています。そして、不動産質権者は、質権設定登記をしなければ、第三者に対抗することができない旨、民法177条に記載されています。

3:〇
 そのとおりです。動産を、無権利者から善意かつ無過失で取得した者が、その動産の占有を取得した場合、その者はその動産についての質権を取得することができます。
(民法192条)
取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。

4:×
 「設定者の承諾を得ること」を要件としていません。
(民法356条)
不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。

5:〇
 そのとおりです。民法第362条1項において、「質権は、財産権をその目的とすることができる。」と規定されています。

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02

正解は4

1〇 民法352-353条の通りです。
「(動産質の対抗要件)第三百五十二条 動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。 (質物の占有の回復) 第三百五十三条 動産質権者は、質物の占有を奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができる。」

2〇 同法177条、344条の通りです。
「(不動産に関する物権の変動の対抗要件)第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」
「(質権の設定)第三百四十四条 質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。」

3〇 同法192条の通りです。
「(即時取得)第百九十二条 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。」

4× 質権設定者の承諾は不要です。
「(不動産質権者による使用及び収益)第三百五十六条 不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。」

5〇 同法362条1項の通りです。
「(権利質の目的等)第三百六十二条 質権は、財産権をその目的とすることができる。 2 前項の質権については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、前三節(総則、動産質及び不動産質)の規定を準用する。」

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03

正解:④

①正しい
正しい記述です。
②正しい
正しい記述です。
③正しい
正しい記述です。
④誤り
民法356条では、「不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる」と規定されています。
不動産質権者が設定者の承諾を得る必要はありません。
⑤正しい
正しい記述です。

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