行政書士の過去問
令和2年度
法令等 問10

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

行政書士試験 令和2年度 法令等 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

普通地方公共団体が締結する契約に関する次の記述のうち、地方自治法の定めに照らし、妥当なものはどれか。
  • 売買、賃借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約、せり売りのほか、条例で定める方法によっても締結することができる。
  • 売買、賃借、請負その他の契約を、指名競争入札、随意契約またはせり売りの方法により締結することができるのは、政令が定める場合に該当するときに限られる。
  • 一般競争入札により契約を締結する場合においては、政令の定めるところにより、契約の目的に応じ、予定価格の制限の範囲内で最高または最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方とするものとされており、この点についての例外は認められていない。
  • 随意契約の手続に関し必要な事項は、当該普通地方公共団体が条例でこれを定める。
  • 契約を締結する場合に議会の議決を要するのは、種類および金額について政令で定める基準に従い条例で定めるものを締結するときであって、かつ指名競争入札による場合に限られる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

1.×(妥当でない)
「条例で定める方法によって締結できる」との規定はありません。
一般競争入札、指名競争入札、随意契約、せり売りについては、地方自治法234条1項に記載があります。
【地方自治法234条1項】
売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。


2.〇(妥当)
地方自治法234条2項に記載があります。
【地方自治法234条2項】
前項の指名競争入札、随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる。


3.×(妥当でない)
 例外は認められています。
(参照:地方自治法234条3項。特に、ただし書。)
【地方自治法234条3項】
 普通地方公共団体は、一般競争入札又は指名競争入札(以下この条において「競争入札」という。)に付する場合においては、政令の定めるところにより、契約の目的に応じ、予定価格の制限の範囲内で最高又は最低の価格をもつて申込みをした者を契約の相手方とするものとする。ただし、普通地方公共団体の支出の原因となる契約については、政令の定めるところにより、予定価格の制限の範囲内の価格をもつて申込みをした者のうち最低の価格をもつて申込みをした者以外の者を契約の相手方とすることができる。


4.×(妥当でない)
条例ではなく、政令で定めます。
(参照:234条6項)
【地方自治法234条6項】
競争入札に加わろうとする者に必要な資格、競争入札における公告又は指名の方法、随意契約及びせり売りの手続その他契約の締結の方法に関し必要な事項は、政令でこれを定める。


5.×(妥当でない)
「指名競争入札の場合に限られる」の部分が誤りです。
(参照:地方自治法96項1項5号)
【地方自治法96条】
第96条 普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
1 …略…
2 …略…
3 …略…
4 …略…
5 その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結すること。
6 …略…
…略…

参考になった数12

02

正解.2

1.妥当でない
地方自治法第234条1項は、

「売買、賃借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。」と定めています。
したがって、「のほか、条例で定める方法によっても」とする本肢は妥当ではありません。
間違いやすい選択肢としては、同条2項に定める

「前項の指名競争入札、随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当する限り、これによることができる。」というものです。
ここでは「条例」ではなく「政令」とされていますので、注意しましょう。

2.妥当
地方自治法第234条2項に規定されている条文のとおりです。
「政令」を「条例」に変更して出題される可能性もゼロではないので、文言をきちんと把握しておきましょう。
また、234条1項で列挙された入札方法のうち、2項で規定されているものに「一般競争入札」だけは含まれませんので、そこも押さえておきましょう。

3.妥当でない
地方自治法第234条3項の問題です。
「一般競争入札又は指名競争入札は、政令の定めるところにより、契約の目的に応じ、予定価格の制限の範囲内で最高又は最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方とするものとする。」と原則を規定しています。
その後、ただし書に例外として

「普通地方公共団体の支出の原因となる契約については、最低の価格をもって申込みをした者以外の者を契約の相手方とすることができる。」

と規定しています。
したがって、例外を認めないとする本肢は妥当ではありません。

4.妥当でない
地方自治法第234条6項

「随意契約及びせり売りの手続その他契約の締結の方法に関し必要な事項は、政令でこれを定める。」
条例で定めるわけではないので、本肢は妥当ではありません。
この点も「政令」と「条例」で混同してしまいがちですので、記憶しておきましょう。

5.妥当でない
地方自治法第96条1項に定める、普通地方公共団体の議会が議決しなければならないものについて、96条1項5号で

「種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結すること。」と定めています。
したがって、「かつ、指名競争入札による場合に限られる」わけではありません。
この条文では、「政令」が基準で、その基準に従って「条例」で定める契約を締結しなければならないと規定されていますから、混同しないよう押さえておきましょう。

参考になった数9

03

本問は「地方自治法の定めに照らし」とあるように、地方自治法の条文知識が重要になります。

選択肢1. 売買、賃借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約、せり売りのほか、条例で定める方法によっても締結することができる。

地方自治法234条1項は「売買、賃借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする」としており、「条例で定める方法」という規定はありません。

よって、本記述は妥当ではありません。

選択肢2. 売買、賃借、請負その他の契約を、指名競争入札、随意契約またはせり売りの方法により締結することができるのは、政令が定める場合に該当するときに限られる。

本記述の通りです。(地方自治法234条2項)

選択肢3. 一般競争入札により契約を締結する場合においては、政令の定めるところにより、契約の目的に応じ、予定価格の制限の範囲内で最高または最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方とするものとされており、この点についての例外は認められていない。

「例外は認められていない」とする記述は経験上誤りであることが多いです。

実際、地方自治法234条3項ただし書は「普通地方公共団体の支出の原因となる契約については、政令の定めるところにより、予定価格の制限の範囲内の価格をもつて申込みをした者のうち最低の価格をもつて申込みをした者以外の者を契約の相手方とすることができる」としています。

よって、本記述は妥当ではありません。

選択肢4. 随意契約の手続に関し必要な事項は、当該普通地方公共団体が条例でこれを定める。

地方自治法234条6項は「随意契約(一部中略)締結の方法に関し必要な事項は、政令でこれを定める」としています。

条例ではなく政令です。

よって、本記述は妥当ではありません。

選択肢5. 契約を締結する場合に議会の議決を要するのは、種類および金額について政令で定める基準に従い条例で定めるものを締結するときであって、かつ指名競争入札による場合に限られる。

地方自治法96条5号には「その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結すること」と規定されています。

「指名競争入札に限る」という規定はありません。

よって、本記述は妥当ではありません。

まとめ

本問は地方自治法の条文知識があれば回答できる問題です。

しっかりと条文を素読しておくようにしましょう。

参考になった数1