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行政書士の過去問 令和2年度 法令等 問29

問題

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根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。
   1 .
被担保債権の範囲は、確定した元本および元本確定後の利息その他の定期金の2年分である。
   2 .
元本確定前においては、被担保債権の範囲を変更することができるが、後順位抵当権者その他の第三者の承諾を得た上で、その旨の登記をしなければ、変更がなかったものとみなされる。
   3 .
元本確定期日は、当事者の合意のみで変更後の期日を5年以内の期日とする限りで変更することができるが、変更前の期日より前に変更の登記をしなければ、変更前の期日に元本が確定する。
   4 .
元本確定前に根抵当権者から被担保債権を譲り受けた者は、その債権について根抵当権を行使することができないが、元本確定前に被担保債務の免責的債務引受があった場合には、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができる。
   5 .
根抵当権設定者は、元本確定後においては、根抵当権の極度額の一切の減額を請求することはできない。
( 行政書士試験 令和2年度 法令等 問29 )
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この過去問の解説 (3件)

11

正解 3


1.誤り
 民法398条の3第1項のとおり、根抵当権の被担保債権の範囲は、極度額を上限として、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務不履行によって生じた損害賠償の【全部】について行使できます。

 ※375条1項の抵当権の被担保債権の範囲と混同しないよう注意しましょう。
 抵当権の被担保債権の範囲は、満期となった最後の二年についてのみ、です。


2.誤り
 民法398条の6第2項のとおり、元本確定前においては被担保債権の範囲を変更できますが、その変更に第三者の承諾は必要ありません。
 
 また、その旨の登記がなければ、変更しなかったものとみなされます。(同条第3項)


3.正しい
 選択肢のとおりです。

 民法398条の6第1項のとおり、元本確定期日は変更でき、3項により変更後の期日を5年以内にしなければなりません。また、4項により、変更前の期日の到来前に登記をしなければその変更前の期日に元本が確定します。


4.誤り
 民法398条の7第2項のとおり、元本確定前に債務引受けがあった場合、根抵当権者は、引受人の債務に根抵当権行使ができませんが、この債務引受けには「免責的債務引受け」も含まれます。


5.誤り
 民法398条の21第1項のとおり、元本確定後でも極度額の減額を請求できます。

 その額は、現に存する債務の額と以後2年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務不履行による損害賠償の額とを加えた額です。

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6
答え…3

1. 誤り
民法398条の3第1項には、
「根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。」とあります。
つまり、「根抵当権の被担保債権の範囲」は、(上記の)全部です。
ただし、極度額はあります。

※「抵当権の被担保債権の範囲」について述べた375条と混同しないように注意。


2. 誤り
元本の確定前においては、被担保債権の範囲を変更することができます
(398条の4第1項)。
このとき、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾は不要です
(398条の4第2項)。しかし、登記は必要です(398条の4第3項)。

【398条の4】
元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。債務者の変更についても、同様とする。
2 前項の変更をするには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。
3 第一項の変更について元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。


3. 正しい
その通り。
民法398条の6に記載されています。

【398条の6第1項】
根抵当権の担保すべき元本については、その確定すべき期日を定め又は変更することができる。

【398条の6第3項】
第一項の期日は、これを定め又は変更した日から五年以内でなければならない。

【398条の6第4項】
第一項の期日の変更についてその変更前の期日より前に登記をしなかったときは、担保すべき元本は、その変更前の期日に確定する。


4. 誤り
前半の
「元本確定前に根抵当権者から被担保債権を譲り受けた者は、その債権について根抵当権を行使することができない」は正しいです(398条の7第1項)。

後半の
「元本確定前に被担保債務の免責的債務引受があった場合には、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができる」は誤り。
398条の7第2項には、
「元本の確定前に債務の引受けがあったときは、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができない。」とあります。


5. 誤り
請求できます。
民法398条の21第1項に、
「元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後二年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる。」とあります。

0

この問題で押さえておくポイントは根抵当権です。

根抵当権では、事前に決めた一定の限度額の範囲で債権を担保する抵当権のことで、抵当権は借り入れがある度に、設定が必要ですが、根抵当権は一度設定しておけば、限度額の範囲内で何度でも借り入れできます。

また、抵当権と根抵当権の違いは以下の3つです。

(1)担保する債権の種類

抵当権は特定の債権を担保しますが、根抵当権は一定の範囲に属する不特定の債務を担保します。

(2)附従性と随伴性

抵当権は特定の債権を前提としているので、その債権が消滅すれば、抵当権が消滅します。

これを附従性といいます。

一方、根抵当権は不特定の債務を担保としており、極度額の範囲内であれば、いくらでも借り入れができるので、債務を全て返済したとしても、根抵当権は消滅しません。

また、抵当権は抵当権によって担保される債権が譲渡されれば、債権と共に抵当権も移転します。

これを随伴性といいます。

一方、根抵当権は債権の譲渡があっても、当然には根抵当権は移転しません。

(3)担保する範囲

抵当権は、元本その他の定期金を請求するときは、その満期となった2年分を請求することができます。

一方、根抵当権は極度額の範囲内で確定した元本および元本確定後の利息その他の定期金及び損害賠償の全部を請求することができます。

以上を押さえて、解説を見ていきましょう。

選択肢1. 被担保債権の範囲は、確定した元本および元本確定後の利息その他の定期金の2年分である。

解説の冒頭より、根抵当権は極度額の範囲内で、確定した元本及び元本確定後の利息その他の定期金及び損害賠償の全部が被担保債権の範囲とされています。

選択肢2. 元本確定前においては、被担保債権の範囲を変更することができるが、後順位抵当権者その他の第三者の承諾を得た上で、その旨の登記をしなければ、変更がなかったものとみなされる。

民法第398条の四の2により、元本の確定前は根担保債権の範囲及び債務者の変更ができ、それらの変更に、後順位の抵当権者その他第3者の変更を要しないとされているので、元本確定前においては、被担保債権の範囲の変更に、後順位抵当権者その他の第3者の承諾は必要ないです。

選択肢3. 元本確定期日は、当事者の合意のみで変更後の期日を5年以内の期日とする限りで変更することができるが、変更前の期日より前に変更の登記をしなければ、変更前の期日に元本が確定する。

民法第398条の六より元本の確定期日を定め又は変更することができるので、元本確定期日の変更は可能です。

また、民法第398条の六の3により、変更後の期日を変更した日の5年以内にしなければならないとされており、民法第398条の六の4により、期日の変更には変更前の期日より前に変更の登記をしなければ、変更前の期日に元本が確定されるとなっています。

選択肢4. 元本確定前に根抵当権者から被担保債権を譲り受けた者は、その債権について根抵当権を行使することができないが、元本確定前に被担保債務の免責的債務引受があった場合には、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができる。

解説の冒頭に書かれているように、根抵当権は債権が譲渡されても、当然に根抵当権は移転しないです。

また、民法第398条の七の2により、元本確定前に債務の引き受けがあった場合、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができないとされています。

選択肢5. 根抵当権設定者は、元本確定後においては、根抵当権の極度額の一切の減額を請求することはできない。

民法第398条の二十一により、元本の確定後、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現存する債務の額と以後2年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額を請求することができるとされています。

まとめ

根抵当権は行政書士試験で良く問われるので、抵当権との違いを意識しながら学習した方が良いでしょう。

また、民法第398条も本番前までにしっかり読み込んでおきましょう。

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