行政書士の過去問
令和2年度
法令等 問35
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問題
行政書士試験 令和2年度 法令等 問35 (訂正依頼・報告はこちら)
特別養子制度に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものの組合せはどれか。
ア 特別養子は、実父母と養父母の間の合意を家庭裁判所に届け出ることによって成立する。
イ 特別養子縁組において養親となる者は、配偶者のある者であって、夫婦いずれもが20歳以上であり、かつ、そのいずれかは25歳以上でなければならない。
ウ すべての特別養子縁組の成立には、特別養子となる者の同意が要件であり、同意のない特別養子縁組は認められない。
エ 特別養子縁組が成立した場合、実父母及びその血族との親族関係は原則として終了し、特別養子は実父母の相続人となる資格を失う。
オ 特別養子縁組の解消は原則として認められないが、養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由がある場合、または、実父母が相当の監護をすることができる場合には、家庭裁判所が離縁の審判を下すことができる。
ア 特別養子は、実父母と養父母の間の合意を家庭裁判所に届け出ることによって成立する。
イ 特別養子縁組において養親となる者は、配偶者のある者であって、夫婦いずれもが20歳以上であり、かつ、そのいずれかは25歳以上でなければならない。
ウ すべての特別養子縁組の成立には、特別養子となる者の同意が要件であり、同意のない特別養子縁組は認められない。
エ 特別養子縁組が成立した場合、実父母及びその血族との親族関係は原則として終了し、特別養子は実父母の相続人となる資格を失う。
オ 特別養子縁組の解消は原則として認められないが、養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由がある場合、または、実父母が相当の監護をすることができる場合には、家庭裁判所が離縁の審判を下すことができる。
- ア・ウ
- ア・オ
- イ・ウ
- イ・エ
- ウ・オ
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この過去問の解説 (3件)
01
正解 4(イ.エ)
ア.誤り
民法817条の2第1項のとおり、特別養子は、要件を満たした上で、家庭裁判所は養親となる者の請求により、特別養子縁組を成立させることができるものですので、届出のみでは成立しません。
イ.正しい
選択肢のとおりです。
民法817条の3第1項のとおり、特別養子縁組の養親となる者は、配偶者がいることが必要です。
また、817条の4のとおり、25歳に達していない者は特別養子縁組の養親となることができません。
ただし、養親となる夫婦の一方が25歳に達していない場合は、片方が20歳以上になっていればこの限りではありません。
ウ.誤り
民法817条の5第3項のとおり、特別養子となる者が15歳以上である場合には特別養子縁組の成立には養子となる者の同意が必要ですが、15歳未満であれば同意は必要ではありません。
エ.正しい
民法817条の9のとおり、特別養子縁組が成立した場合、特別養子と実父母及びその血族との親族関係は終了するため、その特別養子は実父母の相続人の資格を失います。
オ.誤り
民法817条の10第1項のとおり、
一、養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。
二、実父母が相当の監護をすることができること。
以上のどちらにも該当する場合は、家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができます。
したがって、どちらか一方でも満たさない場合は、離縁(養子縁組の解消)できません。
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02
この問題のポイントは特別養子縁組の仕組みの理解です。
特別養子縁組とは養親と養子の間に法律上の親子関係を生じさせる制度の1つです。
普通養子縁組との違いは特別養子縁組が成立すると実親との親子関係が消滅すること、特別養子縁組が成立するのに家庭裁判所の審判が必要なこと、特別養子縁組後の離縁が原則認められないという3つの点です。
では、実際に解説を見ていきましょう。
解説の冒頭とアの文章を照らしあわせてみていきましょう。
特別養子縁組が成立するには家庭裁判所の審判が必要なので、家庭裁判所に届出するだけでは不十分です。
イの文章を見ていきましょう。
民法第817条の4より、特別養子縁組の養親の年齢は25歳ですが、養親となる夫婦の一方が25歳に達していないが、20歳に達しているときはその限りでないとされています。
また、民法第817条の3より、養親となるものは配偶者がいるものでなければならないとされています。
よって、特別養子縁組において養親となる者は、配偶者のある者であって、夫婦いずれもが20歳以上であり、かつ、そのいずれかは25歳以上でなければならないとなります。
次にウの文章を見ていきましょう。
民法第817条の5の3より、養子となるものが15歳に達している場合、特別養子縁組の成立には、養子となる者の同意がなければならないとされているので、養子となるものが15歳に達していなければ、同意は要件ではないとなります。
解説の冒頭とエの文章を照らし合わせて、見ていきましょう。
特別養子縁組が成立すると、実親との親子関係が消滅するので、実父母の相続人となる資格はなくなります。
よって、特別養子縁組が成立した場合、実父母及びその血族との親族関係は原則として終了し、特別養子は実父母の相続人となる資格を失うとなります。
次に解説の冒頭とオの文章を照らし合わせてみていきましょう。
特別養子縁組の解消は原則認められていません。
また、民法第817条の10より、養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由がある場合でかつ実父母が相当の監護をすることができる場合となっています。
この問題で出てくる特別養子縁組の仕組みの理解は、過去にも出題実績があるので、条文も読み直し、学習していきましょう。
また、特別養子縁組と普通養子縁組の違いも確認しながら、学習するようにしましょう。
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03
正解はイ・エです。
ア:× 特別養子は届出でなく、家庭裁判所へ申し立て審判を受けることによって成立します。
イ:〇 正しい記載です。
ウ:× 養子となる者の同意は要件ではありません。
エ:〇 正しい記載です。
オ:× 「または」となっている箇所が間違いです。
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