問題
ア 死因の中で、近年最も多いのは心疾患で、次に悪性新生物(腫瘍)、脳血管疾患、老衰、肺炎が続く。
イ 婚姻については平均初婚年齢が上昇してきたが、ここ10年では男女共30歳前後で変わらない。
ウ 戦後、ベビーブーム期を二度経験しているが、ベビーブーム期に生まれた世代はいずれも次のベビーブーム期をもたらした。
エ 出生数と死亡数の差である自然増減数を見ると、ここ10年では自然減の程度が拡大している。
オ 出産した母の年齢層別統計を見ると、ここ30年間は一貫して20代が最多を占めている。
正解 3(イ.エ)
ア.妥当でない
死因の中で最も多いのは、悪性腫瘍(腫瘍)、つまりがんです。
続いて心疾患(心臓病)、老衰、脳血管疾患、肺炎となります。
イ.妥当
平均初婚年齢は、ここ10年で男性・女性の両方とも30歳前後となっています。
ウ.妥当でない
戦後、ベビーブーム期を二度経験していますが、一度目のベビーブーム期に生まれた世代が親世代となって1970年代に二度目のベビーブームをもたらしています。
しかし、二度目に生まれた子どもが親世代となった2000年代は少子化が続いています。
エ.妥当
出生数と死亡数の差である自然増減数を見ると、ここ10年では自然減の割合が大きくなっています。
オ.妥当でない
出産した母の年齢層別統計を見ると、ここ30年間は30代が最多を占めています。
この問題のポイントは、日本のベビーブームの歴史と厚労省の人口動態調査です。
まず、ベビーブームとは、特定の地域で一時的に新生児誕生率が急上昇する現象です。
日本では2度この現象が起こりました。
第一次ベビーブームは1947年から1949年にベビーブームが起きました。
なお、この期間に生まれた世代は団塊の世代と呼ばれています。
第2次ベビーブームは1971年から1974年まで起こりました。
なお、この期間に生まれた世代は団塊ジュニアと呼ばれています。
しかし、その後、日本では第3次ベビーブームは起こってないです。
次に令和4年の厚労省の人口動態調査の内容は以下の通りです。
・出生数は減少
・死亡数は増加
・自然増減数は減少
・死産数は減少
・婚姻件数は減少
・離婚件数は減少
・出産した母の年齢は30~34歳が最も多く、次いで25~29歳、35~39歳までとなります。
・死因順位は第1位が悪性新生物(腫瘍)、2位は心疾患、3位は老衰、4位は脳血管疾患
・平均婚姻年齢は前年より上昇し、平均初婚年齢は夫は31.1歳、妻は29.7歳
以上の点をおさえて、問題を見ていきましょう。
選択肢アと解説の冒頭を照らし合わせてみていきましょう。
日本の死因順位は第1位が悪性新生物(腫瘍)、2位は心疾患、3位は老衰、4位は脳血管疾患になります。
よって、死因の中で、近年最も多いのは悪性新生物(腫瘍)で、次に心疾患、老衰、脳血管疾、肺炎が続くとなります。
次に選択肢イの文章と解説の冒頭をみていきましょう。
平均初婚年齢は夫は31.1歳、妻は29.7歳で、ここ10年で男女ともに30歳前後と変わっていません。
よって、婚姻については平均初婚年齢が上昇してきたが、ここ10年では男女共30歳前後で変わらないとなります。
選択肢ウと解説の冒頭を照らし合わせてみていきましょう。
日本では2度ベビーブームが起こりましたが、第3次ベビーブームは起こってないです。
よって、戦後、ベビーブーム期を二度経験しているが、ベビーブーム期に生まれた第1次世代は次のベビーブーム期をもたらしたとなります。
選択肢エと解説の冒頭を照らし合わせてみていきましょう。
自然増減数は減少しています。
よって、出生数と死亡数の差である自然増減数を見ると、ここ10年では自然減の程度が拡大しています。
選択肢オと解説の冒頭を照らし合わせてみていきましょう。
出産した母の年齢は30~34歳が最も多く、次いで25~29歳、35~39歳までとなります。
よって、出産した母の年齢層別統計を見ると、ここ30年間は一貫して30代が最多を占めているとなります。
この問題で出てくるベビーブームに関してはもう一度復習した方が良いのと、統計に関しては暇なときに各省庁の統計データを見ておく必要があるでしょう。