行政書士の過去問
令和3年度
法令等 問15

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問題

行政書士試験 令和3年度 法令等 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

再調査の請求について定める行政不服審査法の規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合に審査請求を行ったときは、法律に再調査の請求ができる旨の規定がある場合でも、審査請求人は、当該処分について再調査の請求を行うことができない。
  • 行政庁の処分につき処分庁に対して再調査の請求を行ったときでも、法律に審査請求ができる旨の規定がある場合には、再調査の請求人は、当該再調査の請求と並行して、審査請求もすることができる。
  • 法令に基づく処分についての申請に対して、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、行政庁が何らの処分をもしない場合、申請者は当該不作為につき再調査の請求を行うことができる。
  • 再調査の請求については、審理員による審理または行政不服審査会等への諮問は必要ないが、処分庁は決定を行った後に、行政不服審査会等への報告を行う必要がある。
  • 再調査の請求においては、請求人または参加人が口頭で意見を述べる機会を与えられるのは、処分庁がこれを必要と認めた場合に限られる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときは、当該処分に不服がある者は、処分庁に対して再調査の請求をすることができる」とされていますが、「ただし、当該処分について第2条の規定により審査請求をしたときは、この限りでない」(行政不服審査法5条1項)とされています。

よって正しいです。

2.「再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定を経た後でなければ、審査請求をすることができない」(行政不服審査法5条2項)とされています。よって誤りです

3.行政不服審査法第3条において「法令に基づき行政庁に対して処分についての申請をした者は、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、行政庁の不作為(法令に基づく申請に対して何らの処分をもしないことをいう。以下同じ。)がある場合には、次条の定めるところにより、当該不作為についての審査請求をすることができる」とされています。

請求できるのは再調査ではなく審査請求です。よって誤りです

4.再調査請求において「処分庁は決定を行った後に、行政不服審査会等への報告を行う必要がある」という規定はなされていません。よって誤りです

5.行政不服審査法第61条により、第31条の「審査請求人又は参加人の申立てがあった場合には、審理員は、当該申立てをした者に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない」という規定が再調査にも準用されます

そのため請求人または参加人が口頭で意見を述べる機会を与えられるのは申立てがあったときです。よって誤りです

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02

1.正しい。

法律の定めにより再調査の請求ができる場合であっても、申立人が審査請求をした場合、再調査の請求をすることはできません。

(行審法5条の1ただし書)

2.誤り。

「再調査の請求をしたときは、当該再調査についての決定を経た後でなければ、審査請求をすることができない。」(行審法5条の2)とされています。

3.誤り。

「処分についての申請をした者は、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、行政庁の不作為(法令に基づく申請に対して何らの処分をしないことをいう。以下同じ。)がある場合」には、「当該不作為についての審査請求をすることができる。」(行審法3条)とされており、再調査の請求はできません。

4.誤り。

再調査の請求について、このような規定はありません。

5.誤り。

行政不服審査法第六十一条に基づき、第三十一条の「審査請求人又は参加人の申立てがあった場合には、審理員は、当該申立てをした者(申立人)に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。」が再調査にも準用されるため、

請求人または参加人が口頭で意見を述べる機会を与えられるのは「申立てがあったとき」となります。

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03

この問題は、再調査の請求の要件をしっかりと理解できているかがポイントです。審査請求との比較で出てくるので、惑わされないようにしっかりと2つを分けて考えていきましょう。

選択肢1. 行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合に審査請求を行ったときは、法律に再調査の請求ができる旨の規定がある場合でも、審査請求人は、当該処分について再調査の請求を行うことができない。

正しいです。

行政不服審査法第5条1項ただし書に「審査請求をしたときは、この限りでない。」とあるので、審査請求をした場合は再調査の請求を行うことはできません。したがって、この文章は正しいです。

選択肢2. 行政庁の処分につき処分庁に対して再調査の請求を行ったときでも、法律に審査請求ができる旨の規定がある場合には、再調査の請求人は、当該再調査の請求と並行して、審査請求もすることができる。

誤りです。

当該再調査の請求と並行して、審査請求もすることができる。”が誤りです。行政不服審査法第5条2項では、「当該再調査の請求についての決定を経た後でなければ、審査請求をすることができない。」とあります。したがって、並行して審査請求をすることはできません

選択肢3. 法令に基づく処分についての申請に対して、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、行政庁が何らの処分をもしない場合、申請者は当該不作為につき再調査の請求を行うことができる。

誤りです。

申請者は当該不作為につき再調査の請求を行うことができる。”が誤りです。行政不服審査法第5条1項より、再調査の請求の対象は“処分”であるため、不作為に対しては“審査請求”を行います。

選択肢4. 再調査の請求については、審理員による審理または行政不服審査会等への諮問は必要ないが、処分庁は決定を行った後に、行政不服審査会等への報告を行う必要がある。

誤りです。

処分庁は決定を行った後に、行政不服審査会等への報告を行う必要がある。”が誤りです。このような規定は行政不服審査法にはありません。なお、前半の文章ですが、審理員に関する規定と行政不服審査会への諮問に関する規定が再調査の請求にも準用されているため、正しいです。

選択肢5. 再調査の請求においては、請求人または参加人が口頭で意見を述べる機会を与えられるのは、処分庁がこれを必要と認めた場合に限られる。

誤りです。

処分庁がこれを必要と認めた場合に限られる。”が誤りです。正しくは、“申立てがあった場合”です。(行政不服審査法第31条1項)

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