行政書士の過去問 令和3年度 法令等 問37
この過去問の解説 (2件)
1.会社法第52条1項より「株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。」とされています。また同条2項において「(財産価額について)検査役の調査を経た場合」と「当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合」はその義務を負わない旨が明記されています。よって本選択肢は正。
2.会社法第52条の2に「発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。」を定められています。その同条1号に「第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払」、同条2号に「第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付」と明記されています。よって正。
3.「発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」(会社法第53条1項)と規定されています。よって正。
4.会社法第53条2項に第三者への損害賠償責任の規定があります。条文「発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」によれば、過失ではなく悪意又は重過失とされているため、本選択肢は誤りです。
5.「発起人、設立時取締役又は設立時監査役が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役又は設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。」(会社法第54条)と規定されています。よって正。
正しい選択肢の記述はすべて会社法の条文通り出題されています。
1.正しい。「株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。」(会社法52条1項)とされ、条文の通りです。
2.正しい。「発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。一 第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払二 第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)」(会社法52条の2 1号、2号)とされ、条文の通りです。
3.正しい。「発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」(会社法53条1項)とされ、条文の通りです。
4.誤り。「発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」(会社法53条2項)と選択肢の記述を比較すると重大な過失という記述が抜けています。
5.正しい。「発起人、設立時取締役又は設立時監査役が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役又は設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。」(会社法54条)とされ、条文の通りです。
よって、正解は4。
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