行政書士の過去問
令和3年度
一般知識等 問55

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問題

行政書士試験 令和3年度 一般知識等 問55 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章の空欄( Ⅰ )~( Ⅴ )には、それぞれあとのア~コのいずれかの語句が入る。その組合せとして妥当なものはどれか。

 「顔認識(facial recognition)システム」とは、撮影された画像の中から人間の顔を検出し、その顔の性別や年齢、( Ⅰ )などを識別するシステムのことをいう。「顔認証(facial identification)システム」とは、検出した顔データを事前に登録しているデータと照合することにより( Ⅱ )を行うものをいう。
 日本の場合、こうした( Ⅲ )の利用については、( Ⅳ )の規制を受ける場合もある。たとえば、監視カメラによって、本人の同意を得ることなく撮影された顔情報を犯罪歴と照合したり、照合する目的で撮影したりすると、( Ⅳ )における要配慮個人情報に該当する問題となりうる。
 既に米国のいくつかの州では、( Ⅴ )保護の観点から生体特定要素に「顔の形状」が含まれるとして、顔データの収集について事前の同意を必要とし第三者への生体データの販売に制限を設けるようになっている。欧州でも、欧州委員会から公共空間で取得した顔認識を含む( Ⅲ )を利用した捜査を禁止する方針が明らかにされた。

ア 表情    イ 大きさ     ウ 前歴確認     エ 本人確認
オ 生体情報  カ 特定個人情報  キ 個人情報保護法  ク 刑事訴訟法
ケ 匿名性   コ プライバシー
  • Ⅰ:ア  Ⅱ:ウ  Ⅲ:オ  Ⅳ:キ  Ⅴ:ケ
  • Ⅰ:ア  Ⅱ:ウ  Ⅲ:カ  Ⅳ:ク  Ⅴ:ケ
  • Ⅰ:ア  Ⅱ:エ  Ⅲ:オ  Ⅳ:キ  Ⅴ:コ
  • Ⅰ:イ  Ⅱ:エ  Ⅲ:カ  Ⅳ:ク  Ⅴ:コ
  • Ⅰ:イ  Ⅱ:エ  Ⅲ:オ  Ⅳ:キ  Ⅴ:コ

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この過去問の解説 (3件)

01

以下、全文です。

 「顔認識(facial recognition)システム」とは、撮影された画像の中から人間の顔を検出し、その顔の性別や年齢、(表情)などを識別するシステムのことをいう。「顔認証(facial identification)システム」とは、検出した顔データを事前に登録しているデータと照合することにより(本人確認)を行うものをいう。

 日本の場合、こうした(生体情報)の利用については、(個人情報保護法)の規制を受ける場合もある。たとえば、監視カメラによって、本人の同意を得ることなく撮影された顔情報を犯罪歴と照合したり、照合する目的で撮影したりすると、(個人情報保護法)における要配慮個人情報に該当する問題となりうる。

 既に米国のいくつかの州では、(プライバシー)保護の観点から生体特定要素に「顔の形状」が含まれるとして、顔データの収集について事前の同意を必要とし第三者への生体データの販売に制限を設けるようになっている。欧州でも、欧州委員会から公共空間で取得した顔認識を含む(生体情報)を利用した捜査を禁止する方針が明らかにされた。

Ⅰ.・・・ア 表情 顔認証システムでは人間の顔の画像を検出し、表情を読み取ることができます。

Ⅱ.・・・エ 本人確認 事前にデータが登録されていれば検出された顔がデータのもの一致するかどうかを判別することができます。

Ⅲ.・・・オ 生体情報 顔の画像や指紋、虹彩といったものは生体情報と呼ばれます。

Ⅳ.・・・キ 個人情報保護法 要配慮個人情報を規定しているのは個人情報保護法になります。

Ⅴ.・・・コ プライバシー 個人情報の問題を考慮する際に、プライバシーの保護に関する問題もまた考慮されることがあります。

よって、正解は、3。

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02

この問題のポイントは顔認証システム、顔データ、個人情報保護法第2条3項の理解です。

まず顔認証システムとは、画像にある顔の性別、年齢、表情などを識別するシステムのことで、本人確認のために利用されます。

このシステムで検出される顔データは、生体情報の一つで、他にも指紋や虹彩などが生体情報です。

アメリカでは、プライバシー保護の観点から、顔データの収集には、事前に本人の同意が必要な州があります。

個人情報保護法第2条3項は「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいうとされています。

 

以上の点をおさえて、解説をみていきましょう。

選択肢3. Ⅰ:ア  Ⅱ:エ  Ⅲ:オ  Ⅳ:キ  Ⅴ:コ

解説の冒頭より、顔認証システムとは、画像にある顔の性別、年齢、表情などを識別するシステムのことで、本人確認のために利用されます。

よって、Ⅰには表情、Ⅱには本人確認が該当します。

また、解説の冒頭より、顔データは、生体情報の一つで、犯罪歴は個人情報保護法第2条3項の要配慮情報に該当します。

よって、Ⅲは生体情報、Ⅳは個人情報保護法が該当します。

最後に解説の冒頭より、アメリカでは、プライバシー保護の観点から、顔データの収集には、事前に本人の同意が必要な州があります。

よって、Ⅴはプライバシーが該当します。

まとめ

この問題のように個人情報保護法関係の問題は対策が取りやすいので、過去問や個人情報保護法の条文を読むなどをこなして得点源にした方が良いでしょう。

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03

個人情報と情報システムに関する問題です。

この内容をよく知っている人なら難しくない問題ですが、あまり知らなくても、明らかに誤っている選択肢を排除していくことで回答まで導くのは困難ではないと考えます。

I:顔の大きさは写真の縮尺によっても変わりますので、ここはアが妥当です。

II:ウよりはエがより妥当だと考えます。

III:顔の情報は生体情報にあたりますので、オが正解です。

また、最後の欄の前後から日本語的にもオが明らかです。

IV:あきらかに刑事訴訟法の話ではないので、キが正解です。

V:日本語的にはどちらもあまり違和感ないので、ここは深入りせず、消去法的に選択したいです。

正解はコです。

選択肢1. Ⅰ:ア  Ⅱ:ウ  Ⅲ:オ  Ⅳ:キ  Ⅴ:ケ

IIとVが間違いです。

選択肢2. Ⅰ:ア  Ⅱ:ウ  Ⅲ:カ  Ⅳ:ク  Ⅴ:ケ

I以外はすべて間違いです。

選択肢3. Ⅰ:ア  Ⅱ:エ  Ⅲ:オ  Ⅳ:キ  Ⅴ:コ

これが正解です。

選択肢4. Ⅰ:イ  Ⅱ:エ  Ⅲ:カ  Ⅳ:ク  Ⅴ:コ

I、II、IVが間違いです。

選択肢5. Ⅰ:イ  Ⅱ:エ  Ⅲ:オ  Ⅳ:キ  Ⅴ:コ

Iのみ間違いです。

まとめ

この手の問題は、すべての肢を吟味するとかなり時間がかかります。

分からない欄の検討はすぐに飛ばし、他の欄を検討して消去法的に攻めるのが得策です。

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