行政書士の過去問
令和4年度
法令等 問4

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問題

行政書士試験 令和4年度 法令等 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

薬局を営むXは、インターネットを介した医薬品の通信販売を始めたが、法律は一定の種類の医薬品の販売については、薬剤師が対面で情報の提供および薬学的知見に基づく指導を行うことを求めている。そこでXは、この法律の規定が違憲であり、この種の医薬品についてもネットで販売する権利が自らにあることを主張して出訴した。この問題に関する最高裁判所の判決の趣旨として、妥当なものはどれか。
  • 憲法22条1項が保障するのは職業選択の自由のみであるが、職業活動の内容や態様に関する自由もまた、この規定の精神に照らして十分尊重に値する。後者に対する制約は、公共の福祉のために必要かつ合理的なものであることを要する。
  • 規制の合憲性を判断する際に問題となる種々の考慮要素を比較考量するのは、第一次的には立法府の権限と責務であり、規制措置の内容や必要性・合理性については、立法府の判断が合理的裁量の範囲にとどまる限り、裁判所はこれを尊重する。
  • 本件規制は、専らインターネットを介して販売を行う事業者にとっては職業選択の自由そのものに対する制限を意味するため、許可制の場合と同様にその必要性・合理性が厳格に審査されなければならない。
  • 本件規制は、国民の生命および健康に対する危険の防止という消極目的ないし警察目的のための規制措置であり、この場合は積極目的の場合と異なり、基本的人権への制約がより小さい他の手段では立法目的を達成できないことを要する。
  • 本件規制は、積極的な社会経済政策の一環として、社会経済の調和的発展を目的に設けられたものであり、この種の規制措置については、裁判所は立法府の政策的、技術的な裁量を尊重することを原則とする。

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この過去問の解説 (3件)

01

要指導医薬品指定差止請求事件(R3.3.18)合憲判決からの出題です。

Xは、要指導医薬品は薬剤師対面指導が義務とされインターネット販売が出来ないことは、

憲法22条1項の職業選択の自由に対し違憲であると訴えました。

各選択肢が同判決の趣旨に沿っているか確認していきましょう。

選択肢1. 憲法22条1項が保障するのは職業選択の自由のみであるが、職業活動の内容や態様に関する自由もまた、この規定の精神に照らして十分尊重に値する。後者に対する制約は、公共の福祉のために必要かつ合理的なものであることを要する。

憲法22条1項は、居住・移転の自由、職業選択の自由を有することを述べています。

その中の職業選択の自由の中には、職業活動の自由についても保障しています。

よって、妥当ではありません。

選択肢2. 規制の合憲性を判断する際に問題となる種々の考慮要素を比較考量するのは、第一次的には立法府の権限と責務であり、規制措置の内容や必要性・合理性については、立法府の判断が合理的裁量の範囲にとどまる限り、裁判所はこれを尊重する。

裁判所としては、規制の目的が公共の福祉に合致している以上、

合理的裁量の範囲は広狭するものの、立法府が決めたその規制措置を尊重するということです。

よって、妥当です。

選択肢3. 本件規制は、専らインターネットを介して販売を行う事業者にとっては職業選択の自由そのものに対する制限を意味するため、許可制の場合と同様にその必要性・合理性が厳格に審査されなければならない。

判決では、本件規制である要指導医薬品販売の薬剤師による対面義務付けを、

職業選択の自由そのものに制限を加えるものではないと判断しています。

一般医薬品を含めても、同医薬品類の販売市場はごく僅かであり、

一定期間後の評価において、一般医薬品へ移行するものである為、

その制限が大きいものであるといえないとしています。

よって、妥当ではありません。

選択肢4. 本件規制は、国民の生命および健康に対する危険の防止という消極目的ないし警察目的のための規制措置であり、この場合は積極目的の場合と異なり、基本的人権への制約がより小さい他の手段では立法目的を達成できないことを要する。

薬事法距離制限事件(最大判:昭和50年4月30日)で裁判所が規制目的二分論を展開しています。職業選択の自由がどこまでの制約なら許されるのか、規制の目的に応じて審査基準を分けるべきという考えです。

          積極目的規制:社会経済政策の規制 

職業自由の制約 <

          消極目的規制:国民の生命・安全・健康を守る規制

消極目的規制の審査基準は、中間審査基準を用います。

規制は重要であり、より緩やかな規制が存在する場合は違憲となります。

本件規制に当てはめると、国民の生命および健康に対する危険の防止である消極目的ということになりますね。

本件規制の適合性は、具体的な規制措置について規制の目的・必要性・内容によって制限される職業の自由の性質、内容及び制限の程度を検討し、これらを比較考量した上で慎重に決定されなければならないとしており、その検討・考量は立法府の責務と解しています。

よって、妥当ではありません。

選択肢5. 本件規制は、積極的な社会経済政策の一環として、社会経済の調和的発展を目的に設けられたものであり、この種の規制措置については、裁判所は立法府の政策的、技術的な裁量を尊重することを原則とする。

小売市場距離制限事件(最大判昭和47.11.22)で、右件規制は積極目的規制で明白性の基準(目的・基準いずれかが著しく不合理である場合に限り違憲とする)を用いるべきと見解を示しました。

本件規制は、消極目的規制を用いているため、妥当ではありません。

まとめ

近年判例問題が出題され、判例文を深く読み込み理解していないと難しい問題ではないでしょうか。職業選択の自由でその他有名な判例は、「銭湯の配置規制(最大判30年1月26日)」、「東京都管理職選考試験事件(最大判平成17年1月26日)」などで読むことに慣れておきましょう。

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02

本問における判例は要指導医薬品指定差止請求事件(最判令和3年3月18日民集第75巻3号552頁)です。

かなり新しい判例なので知らない人も多いかと思いますが、薬事法距離制限事件(最判昭和50年4月30日民集第29巻4号572頁)や医薬品ネット販売の権利確認等請求事件(最判平成25年1月11日民集第67巻1号1頁)、小売市場距離制限事件(最判昭和47年11月22日刑集第26巻9号586頁)その他職業選択の自由に関する判例の知識があれば回答できるかと思います。

選択肢1. 憲法22条1項が保障するのは職業選択の自由のみであるが、職業活動の内容や態様に関する自由もまた、この規定の精神に照らして十分尊重に値する。後者に対する制約は、公共の福祉のために必要かつ合理的なものであることを要する。

憲法22条1項は職業選択の自由だけではなく、職業活動の自由も保障しています。

(小売市場距離制限事件、最判昭和47年11月22日刑集第26巻9号586頁)

よって、本記述は妥当ではありません。

選択肢2. 規制の合憲性を判断する際に問題となる種々の考慮要素を比較考量するのは、第一次的には立法府の権限と責務であり、規制措置の内容や必要性・合理性については、立法府の判断が合理的裁量の範囲にとどまる限り、裁判所はこれを尊重する。

本記述は本問における判例の趣旨として妥当であります。

又、本問における判例の知識がなくても小売市場距離制限事件(最判昭和47年11月22日刑集第26巻9号586頁)の知識があれば、本記述が妥当であることは分かるかと思います。

選択肢3. 本件規制は、専らインターネットを介して販売を行う事業者にとっては職業選択の自由そのものに対する制限を意味するため、許可制の場合と同様にその必要性・合理性が厳格に審査されなければならない。

本問における判例は「職業の自由に対する規制措置は事情に応じて各種各様の形をとるため、その同項適合性を一律に論ずることはできない」としており、「その適合性は具体的な規制措置について、規制の目的、必要性、内容、これによって制限される職業選択の自由の性質、内容及び制限の程度を検討し、これらを比較考量した上で慎重に決定されなければならない」としています。

そのうえで「上記のような検討と考量をするのは、第一には立法府の権限と責務であり、(一部中略)立法府の判断がその合理的裁量の範囲にとどまる限り、立法政策上の問題としてこれを尊重すべきである」としています。

よって、本問における判例の趣旨から妥当ではありません。

【別の手段による回答手法】

精神的自由権→一度侵害されると後の民主政での回復が困難

経済的自由権→侵害されたとしても後の民主政での回復がしやすい

→二重の基準論

よって、経済的自由権に対する制約は不合理でない限り合憲

本件基準は経済的自由権に対する制約であるから不合理な制約でない限り合憲

よって、本記述は妥当ではありません。

選択肢4. 本件規制は、国民の生命および健康に対する危険の防止という消極目的ないし警察目的のための規制措置であり、この場合は積極目的の場合と異なり、基本的人権への制約がより小さい他の手段では立法目的を達成できないことを要する。

まず、本記述における見解は市民の安全、健康を守るための消極的規制と社会政策の為の消極規制を分けて考える考え方です。

これを規制目的二分論といいます。

(薬局距離制限事件、最判昭和50年4月30日民集第29巻4号572頁、小売市場距離制限事件、最判昭和47年11月22日刑集第26巻9号586頁)

ただし、本問における判例は「その適合性は具体的な規制措置について、規制の目的、必要性、内容、これによって制限される職業選択の自由の性質、内容及び制限の程度を検討し、これらを比較考量した上で慎重に決定されなければならない」としています。

よって、本記述は妥当ではありません。

※本記述における見解は薬局距離制限事件における見解であります。

本問は薬に関して聞いてきているので、この判例を思い浮かべて妥当な記述と誤認する方もいるかもしれません。

しかし、類似判例である医薬品ネット販売の権利確認等請求事件(最判平成25年1月11日民集第67巻1号1頁)を参考に検討する事と、本記述は職業の遂行に関する規制であるから、二重の基準論から考えて厳格な違憲審査基準が用いられるわけではないという点から回答していただけるといいと思います。

選択肢5. 本件規制は、積極的な社会経済政策の一環として、社会経済の調和的発展を目的に設けられたものであり、この種の規制措置については、裁判所は立法府の政策的、技術的な裁量を尊重することを原則とする。

確かに二重の基準論から考えて本問にかかる規制は経済的自由権であり、厳格な審査基準を用いる必要はないという点は分かるかと思います。

しかし、類似判例である医薬品ネット販売の権利確認等請求事件(最判平成25年1月11日民集第67巻1号1頁)は、規制目的二分論を採用しているわけでもなく、本問における判例も目的二分論を採用しているわけではありません。

よって、本記述は妥当ではありません。

まとめ

本問における判例は、令和3年にされたこともあり、知らない人も多いかと思います。

しかし、類似事件医薬品ネット販売の権利確認等請求事件(最判平成25年1月11日民集第67巻1号1頁)や、他の経済的自由権に関する判例や、二重の基準論や規制目的二分論などの基礎的な知識があれば正答できる問題でもあります。

判例の復習をしっかりするようにしましょう。

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03

 最高裁判所の判決の趣旨に関する出題です。

選択肢1. 憲法22条1項が保障するのは職業選択の自由のみであるが、職業活動の内容や態様に関する自由もまた、この規定の精神に照らして十分尊重に値する。後者に対する制約は、公共の福祉のために必要かつ合理的なものであることを要する。

 日本国憲法22条1項により、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」とされ、最高裁判所判決令和3年3月18日により、「憲法22条1項は,狭義における職業選択の自由のみならず、職業活動の自由も保障しているところ、職業の自由に対する規制措置は事情に応じて各種各様の形をとるため、その同項適合性を一律に論ずることはできず、その適合性は、 具体的な規制措置について、規制の目的、必要性、内容、これによって制限される職業の自由の性質、内容及び制限の程度を検討し、これらを比較考量した上で慎重に決定されなければならない。この場合、上記のような検討と考量をするのは、第一次的には立法府の権限と責務であり、裁判所としては、規制の目的が公共の福祉に合致するものと認められる以上、そのための規制措置の具体的内容及び必要性と合理性については、立法府の判断がその合理的裁量の範囲にとどまる限り、立法政策上の問題としてこれを尊重すべきものであるところ、その合理的裁量の範囲については事の性質上おのずから広狭があり得る。」とされ、最高裁判所大法廷判決昭和50年4月30日の薬局距離制限規定事件違憲判決で、事案により、「薬局の開設に適正配置を要求する旧薬事法6条2項および広島県条例の規制の合憲性が争われた。」とされ、判旨により、薬局の適正配置規制は、主として国民の生命及び健康に対する危険の防止という消極的、警察的目的のための規制であり、薬局等の偏在、競争激化が不良医薬品の供給の危険、医薬品の乱用助長の弊害をもたらすという自由は、規制は一の必要性と合理性を肯定するに足りない。したがって、薬事法6条2項、4項は、不良医薬品の供給のぼうしのために必要かつ合理的な規制を定めたものということができないから、憲法22条1項に違反して、無効である。」とされます。

 つまり、「憲法22条1項が保障するのは職業選択の自由のみであるが、職業活動の内容や態様に関する自由もまた、この規定の精神に照らして十分尊重に値する。後者に対する制約は、公共の福祉のために必要かつ合理的なものであることを要する。」ということは、妥当ではありません。

選択肢2. 規制の合憲性を判断する際に問題となる種々の考慮要素を比較考量するのは、第一次的には立法府の権限と責務であり、規制措置の内容や必要性・合理性については、立法府の判断が合理的裁量の範囲にとどまる限り、裁判所はこれを尊重する。

 日本国憲法22条1項により、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」とされ、最高裁判所判決令和3年3月18日により、「憲法22条1項は,狭義における職業選択の自由のみならず、職業活動の自由も保障しているところ、職業の自由に対する規制措置は事情に応じて各種各様の形をとるため、その同項適合性を一律に論ずることはできず、その適合性は、 具体的な規制措置について、規制の目的、必要性、内容、これによって制限される職業の自由の性質、内容及び制限の程度を検討し、これらを比較考量した上で慎重に決定されなければならない。この場合、上記のような検討と考量をするのは、第一次的には立法府の権限と責務であり、裁判所としては、規制の目的が公共の福祉に合致するものと認められる以上、そのための規制措置の具体的内容及び必要性と合理性については、立法府の判断がその合理的裁量の範囲にとどまる限り、立法政策上の問題としてこれを尊重すべきものであるところ、その合理的裁量の範囲については事の性質上おのずから広狭があり得る。」とされ、最高裁判所大法廷判決昭和50年4月30日の薬局距離制限規定事件違憲判決で、事案により、「薬局の開設に適正配置を要求する旧薬事法6条2項および広島県条例の規制の合憲性が争われた。」とされ、判旨により、薬局の適正配置規制は、主として国民の生命及び健康に対する危険の防止という消極的、警察的目的のための規制であり、薬局等の偏在、競争激化が不良医薬品の供給の危険、医薬品の乱用助長の弊害をもたらすという自由は、規制は一の必要性と合理性を肯定するに足りない。したがって、薬事法6条2項、4項は、不良医薬品の供給のぼうしのために必要かつ合理的な規制を定めたものということができないから、憲法22条1項に違反して、無効である。」とされるので、妥当です。

選択肢3. 本件規制は、専らインターネットを介して販売を行う事業者にとっては職業選択の自由そのものに対する制限を意味するため、許可制の場合と同様にその必要性・合理性が厳格に審査されなければならない。

 日本国憲法22条1項により、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」とされ、最高裁判所判決令和3年3月18日により、「一般用医薬品等のうち薬剤師の対面による販売又は授与が義務付けられているのは,医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律4条5項3号所定の要指導医薬品のみであるところ、その市場規模は、 要指導医薬品と一般用医薬品を合わせたもののうち、1%に満たない僅かな程度にとどまっており、毒薬及び劇薬以外のものは、一定の期間内に一般用医薬品として販売することの可否の評価を行い、問題がなければ一般用医薬品に移行することとされているのであって、本件各規定による規制の期間も限定されている。このような要指導医薬品の市場規模やその規制の期間に照らすと、要指導医薬品について薬剤師の対面による販売又は授与を義務付ける本件各規定は、職業選択の自由そのものに制限を加えるものであるとはいえず、職業活動の内容及び態様に対する規制にとどまるものであることはもとより、その制限の程度が大きいということもできない。」とされます。

 つまり、「本件規制は、専らインターネットを介して販売を行う事業者にとっては職業選択の自由そのものに対する制限を意味するため、許可制の場合と同様にその必要性・合理性が厳格に審査されなければならない。」ということは、妥当ではありません。

選択肢4. 本件規制は、国民の生命および健康に対する危険の防止という消極目的ないし警察目的のための規制措置であり、この場合は積極目的の場合と異なり、基本的人権への制約がより小さい他の手段では立法目的を達成できないことを要する。

 日本国憲法22条1項により、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」とされ、最高裁判所大法廷判決昭和50年4月30日の薬局距離制限規定事件違憲判決で、事案により、「薬局の開設に適正配置を要求する旧薬事法6条2項および広島県条例の規制の合憲性が争われた。」とされ、判旨により、薬局の適正配置規制は、主として国民の生命及び健康に対する危険の防止という消極的、警察的目的のための規制であり、薬局等の偏在、競争激化が不良医薬品の供給の危険、医薬品の乱用助長の弊害をもたらすという自由は、規制は一の必要性と合理性を肯定するに足りない。したがって、薬事法6条2項、4項は、不良医薬品の供給のぼうしのために必要かつ合理的な規制を定めたものということができないから、憲法22条1項に違反して、無効である。」とされます。

 つまり、「本件規制は、国民の生命および健康に対する危険の防止という消極目的ないし警察目的のための規制措置であり、この場合は積極目的の場合と異なり、基本的人権への制約がより小さい他の手段では立法目的を達成できないことを要する。」ということは、妥当ではありません。

選択肢5. 本件規制は、積極的な社会経済政策の一環として、社会経済の調和的発展を目的に設けられたものであり、この種の規制措置については、裁判所は立法府の政策的、技術的な裁量を尊重することを原則とする。

 日本国憲法22条1項により、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」とされ、最高裁判所大法廷判決昭和47年11月22日の小売市場距離制限事件合憲判決で、事案により、「小売商業調整特別措置法の規定が小売市場の開設を許可する条件として適正配置(いわゆる距離制限)の規制を課していることの合憲性が争われた。」とされ、判旨により、「本法所定の小売市場の許可規制は、国が社会経済の調和的発展を企図するという観点から中小企業保護政策の一方策として取った措置ということができ、その目的においても、それが著しく不合理であることが明白であるとは認められない。したがって、憲法22条1項に反しない。」とされます。

 つまり、「本件規制は、積極的な社会経済政策の一環として、社会経済の調和的発展を目的に設けられたものであり、この種の規制措置については、裁判所は立法府の政策的、技術的な裁量を尊重することを原則とする。」ということは、妥当ではありません。

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