行政書士の過去問
令和4年度
一般知識等 問49

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問題

行政書士試験 令和4年度 一般知識等 問49 (訂正依頼・報告はこちら)

軍備縮小(軍縮)に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア  コスタリカは軍隊を持たないことを憲法に明記し、フィリピンは非核政策を憲法に明記している。
イ  対人地雷禁止条約※では、対人地雷の使用や開発が全面的に禁止されている。
ウ  核拡散防止条約(NPT)では、すべての国の核兵器保有が禁止されているが、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5か国は批准していない。
エ  佐藤栄作は、生物・化学兵器禁止に尽力したことが評価され、2004年にノーベル平和賞を受賞した。
オ  中距離核戦力(INF)全廃条約は、アメリカとソ連との間に結ばれた条約で、2019年に失効した。

(注)※ 対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約
  • ア・イ
  • ア・オ
  • イ・ウ
  • ウ・エ
  • エ・オ

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この過去問の解説 (3件)

01

一般知識には、現在の政界情勢をめぐる問題からの出題も多く見られます。

核兵器をめぐる問題についても押さえておきましょう。

ア:妥当です

コスタリカは「恒久制度としての軍隊を放棄する。公共秩序の監視と維持のため、必要な警察力を保持する」と憲法12条に規定があります。また、フィリピンは「フィリピンは国家政策の手段としての戦争を放棄し」と憲法2条に明記されています。

イ:妥当です

対人地雷禁止条約(オタワ条約)では、使用や生産、移譲など対人地雷に関するあらゆる行為が禁止されています

ウ:妥当ではありません

核拡散防止条約(NPT)は、批准している5かのみに核保有にのみ保有の特権を認める趣旨のものです。

その5か国がアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国です。

エ:妥当ではありません

まず年号が違います。佐藤栄作がノーベル平和賞を受賞したのは1974年です。

受賞の理由は「非核三原則の提唱」であって、「生物・化学兵器禁止に尽力したことが評価され」たわけではありません。

オ:妥当です

トランプ政権時の2019年にアメリカが条約からの脱退をロシアに通告し、失効しました。

選択肢4. ウ・エ

本肢が正解です。

参考になった数2

02

本問は一般知識等科目の政治、経済、社会ですが、「政治、経済、社会は範囲が広すぎるし、何が出るかわからない、対策しにくい」と思う方が多いかと思います。

しかも、捨て科目に使用にも足切りがありますので、最低限6問は正解しないといけない。

ただ、おそらく試験委員の先生もそこは分かっていると思います。

それでもなぜ、政治、経済、社会を出題するかというと、受験生が分からないなりにもどのように回答するのかという点を試験委員は確認したいのだと思います。

行政書士試験合格後にクライアントからの問い合わせに対して「分からないからよそに行ってくれ」というのと、「分からないので調べてから折り返します」というのでは全然違います。

受験生が分からないなりにも、考え抜いて最低限6問は正解できるかという点を試験委員の先生は考えて問題を作成されていると思います。

そこで、知識も大切ですが、思考力を身に着けるべきだと思います。

ア 本記述の通りです。

イ 「地雷=すごい危ない物」というイメージがある方、その通りです。

地雷は踏むと爆発するので、民間人が踏むと大けがをしたり、死亡したりします。

そんな危ない物は規制しなければならないと思った方、その通りです。

対人地雷禁止条約という条約で対人地雷の使用や開発が全面的に禁止されています。

よって、本記述は正しいです。

 「すべての国が」とありますが、核兵器を持っている国もあるかと思います。

そこまで分かれば、あとは深く考える必要はありません。

それに、核拡散防止条約は条約なので、批准していない国もあるのに、全ての国に従わせるのはおかしいです。

従うのは、批准している国のみです。

よって、本記述は誤っています。

エ 「○○という人がノーベル賞を取った」と聞いても、「誰その人知らないよ」という方も多いかと思います。

しかし、2004年は、19年前です。結構最近の話です。

「あれ、もっと昔の話じゃなかったっけ」と思った方、その通りです。

佐藤栄作という方がノーベル賞を取ったのは1974年です。

よって、本記述は誤っています。

オ  本記述の通りです。

選択肢4. ウ・エ

本肢が正解です。

まとめ

選択肢が5つあるうち、何となく3つが誤っているという事は分かるかと思います。

あとは、消去法で二つが正解だという事です。

ただ、一般教養科目の政治、経済、社会は令和6年から行政書士法等に変更される為、令和5年に受験される方以外は学習する必要はないかと思います。

参考になった数2

03

この問題のポイントは、世界の軍縮の知識です。

まず、コスタリカ憲法12条には常設機関としての軍隊は禁止するという規定があり、フィリピン共和国憲法2条8項にはフィリピンは一貫して国益と共にあり、領土内において核兵器から自由となる政策を採用し追及するという規定があります。

次に対人地雷禁止条約では1条にいかなる場合にも使用、開発、生産、取得、貯蔵、保有及び移譲並びにこれらの援助、奨励及び勧誘について禁止。条約の規定に従って全ての対人地雷を廃棄と規定されています。

核拡散防止条約(NPT)では、すべての国の核兵器保有が禁止されているが、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5か国は批准しているが、核兵器国として定めています。

佐藤栄作は1974年に非核三原則を作ったことなどを理由として、ノーベル平和賞を受賞しました。

中距離核戦力(INF)全廃条約は、アメリカとソ連との間に結ばれた条約で、中距離核戦力として定義された中射程の弾道ミサイル、巡航ミサイルをすべて廃棄することを目的とした条約です。

しかし、2019年にアメリカがロシアに対してこの条約の破棄を通告し、ロシアが条約義務履行の停止を宣言し、この条約は失効しました。

 

以上の点をおさえて、解説をみていきましょう。

選択肢4. ウ・エ

解説の冒頭より、コスタリカ憲法12条には常設機関としての軍隊は禁止するという規定があり、フィリピン共和国憲法2条8項にはフィリピンは一貫して国益と共にあり、領土内において核兵器から自由となる政策を採用し追及するという規定があります。

よって、アはコスタリカは軍隊を持たないことを憲法に明記し、フィリピンは非核政策を憲法に明記しているとなります。

解説の冒頭より、対人地雷禁止条約では1条にいかなる場合にも使用、開発、生産、取得、貯蔵、保有及び移譲並びにこれらの援助、奨励及び勧誘について禁止。条約の規定に従って全ての対人地雷を廃棄と規定されています。

よって、イは対人地雷禁止条約※では、対人地雷の使用や開発が全面的に禁止されているとなります。

解説の冒頭より、核拡散防止条約(NPT)では、すべての国の核兵器保有が禁止されているが、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5か国は批准しているが、核兵器国として定めています。

よって、ウは核拡散防止条約(NPT)では、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5か国以外のすべての国の核兵器保有が禁止されているとなります。

解説の冒頭より、佐藤栄作は1974年に非核三原則を作ったことなどを理由として、ノーベル平和賞を受賞しました。

よって、エは佐藤栄作は、非核三原則を作ったことなどが評価され、1974年にノーベル平和賞を受賞したとなります。

解説の冒頭より、中距離核戦力(INF)全廃条約は、アメリカとソ連との間に結ばれた条約で、中距離核戦力として定義された中射程の弾道ミサイル、巡航ミサイルをすべて廃棄することを目的とした条約で、2019年に失効しました。

よって、オは中距離核戦力(INF)全廃条約は、アメリカとソ連との間に結ばれた条約で、2019年に失効したとなります。

まとめ

この問題のように社会情勢に関する問題は過去にも出題されているので、チェックしておいた方が良いでしょう。

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