問題
ア 申請者以外の利害を考慮すべきことが法令において許可の要件とされている場合に、公聴会を開催すること
イ 申請に対する処分を行う場合の審査基準を定めて公にしておくこと
ウ 不利益処分を行う場合の処分基準を定めて公にしておくこと
エ 申請に対する処分の標準処理期間を定めた場合に、それを公にしておくこと
この問題のポイントは、行政手続法第5条1項・3項、第6条、第10条、第12条1項の理解です。
まず、行政手続法第5条1項は行政庁は、審査基準を定めるものとするとされ、その第3項は行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならないとされています。
行政手続法第6条は行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(法令により当該行政庁と異なる機関が当該申請の提出先とされている場合は、併せて、当該申請が当該提出先とされている機関の事務所に到達してから当該行政庁の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間)を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならないとされています。
行政手続法第10条は行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならないとされています。
行政手続法第12条1項は行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならないとされています。
以上の点をおさえて、解説をみていきましょう。
解説の冒頭より、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならないとされています。
よって、アは努力義務となります。
また、解説の冒頭より、行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならないとされています。
よって、ウは努力義務となります。
解説の冒頭より、行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(法令により当該行政庁と異なる機関が当該申請の提出先とされている場合は、併せて、当該申請が当該提出先とされている機関の事務所に到達してから当該行政庁の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間)を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならないとされています。
よって、エは法的義務となります。
解説の冒頭より、行政手続法第5条1項は行政庁は、審査基準を定めるものとするとされ、その第3項は行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならないとされています。
よって、イは申請に対する処分を行う場合の審査基準を定めは法的義務で、公にしておくことも法的義務です。
この問題のように、条文の内容を問う問題は行政書士試験に出てくるので、条文素読もやった方が良いでしょう。