行政書士の過去問 令和5年度 法令等 問16
この過去問の解説 (1件)
この問題のポイントは、行政不服審査法第19条1項、第21条1項、第23条、第27条1項、第31条の理解です。
まず行政不服審査法第19条1項は審査請求は、他の法律(条例に基づく処分については、条例)に口頭ですることができる旨の定めがある場合を除き、政令で定めるところにより、審査請求書を提出してしなければならないとされています。
行政不服審査法第21条1項は審査請求をすべき行政庁が処分庁等と異なる場合における審査請求は、処分庁等を経由してすることができる。この場合において、審査請求人は、処分庁等に審査請求書を提出し、又は処分庁等に対し第十九条第二項から第五項までに規定する事項を陳述するものとするとされています。
行政不服審査法第23条は審査請求書が第十九条の規定に違反する場合には、審査庁は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならないとされています。
行政不服審査法第27条1項は審査請求人は、裁決があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができるとされています。
最後に行政不服審査法第31条は審査請求人又は参加人の申立てがあった場合には、審理員は、当該申立てをした者(以下この条及び第四十一条第二項第二号において「申立人」という。)に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、当該申立人の所在その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合には、この限りでない。
2 前項本文の規定による意見の陳述(以下「口頭意見陳述」という。)は、審理員が期日及び場所を指定し、全ての審理関係人を招集してさせるものとする。
3 口頭意見陳述において、申立人は、審理員の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。
4 口頭意見陳述において、審理員は、申立人のする陳述が事件に関係のない事項にわたる場合その他相当でない場合には、これを制限することができる。
5 口頭意見陳述に際し、申立人は、審理員の許可を得て、審査請求に係る事件に関し、処分庁等に対して、質問を発することができる。
とされています。
以上の点をおさえて、解説を見ていきましょう。
解説の冒頭より、審査請求をすべき行政庁が処分庁等と異なる場合における審査請求は、処分庁等を経由してすることができるとされています。
よって、審査請求をすべき行政庁が処分庁と異なる場合、審査請求人は処分庁を経由して審査請求を行うこともできるとなります。
解説の冒頭より、審査請求は、他の法律(条例に基づく処分については、条例)に口頭ですることができる旨の定めがある場合を除き、政令で定めるところにより、審査請求書を提出してしなければならないとされています。
よって、審査請求は書面により行わなければならないが、行政不服審査法以外の法律や条例に口頭ですることができる旨の規定のある場合には、審査請求人は審査請求を口頭で行うことができるとなります。
解説の冒頭より、審査請求人は、裁決があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができるとされています。
よって、審査請求人は、裁決があるまでは、いつでも審査請求の取下げをすることができ、取下げの理由に特に制限は設けられていないとなります。
解説の冒頭より、審査請求書が第十九条の規定に違反する場合には、審査庁は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならないとされています。
よって、審査請求を受けた審査庁は、審査請求書に形式上の不備がある場合には相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならないとなります。
解説の冒頭より、審査請求人又は参加人の申立てがあった場合には、審理員は、当該申立てをした者(以下この条及び第四十一条第二項第二号において「申立人」という。)に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならないとされ、また、口頭意見陳述において、申立人は、審理員の許可を得て、補佐人とともに出頭することができるとされています。
よって、審査請求人から申立てがあった場合には、審理員は原則として口頭意見陳述の機会を与えなければならず、口頭意見陳述には参加人だけでなく、審理員の許可を得て補佐人も参加することができるとされています。
この問題のように、条文理解を求める設問は行政書士試験に出てくるので、条文素読をやった方が良いでしょう。
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