行政書士 過去問
令和5年度
問8 (一般知識等 問54)

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問題

行政書士試験 令和5年度 問8(一般知識等 問54) (訂正依頼・報告はこちら)

日本における行政のデジタル化に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア  RPA とは Robotic Process Automation の略で、ロボットの代行による作業の自動化、ないし導入するソフトウェア等を指すが、これにより人手不足の解消と職員の負担軽減を図ることが期待されている。
イ  ガバメントクラウドとは、国の行政機関が、共通した仕様で行政サービスのシステムを整備できるクラウド基盤を指すが、セキュリティ上の理由から、地方自治体は利用できないものとされている。
ウ  eLTAX とは、地方税について地方自治体が共同で運営するシステムであり、電子的な一つの窓口から各自治体への手続を実現しているが、国税については別のシステムとなっている。
エ  LGWAN とは、地方自治体や政府機関が機密性の高い情報伝達を行うために構築された閉鎖型のネットワークであり、自治体内や自治体間でのメールや掲示板の機能を持つ連絡ツールとしても活用されている。
オ  オープンデータとは、二次利用が可能な公開データのことで、人手や労力・費用などのコストをかけずに多くの人が利用できるものであるが、自治体が保有する情報のオープンデータ化は禁止されている。
  • ア・ウ
  • ア・オ
  • イ・エ
  • イ・オ
  • ウ・エ

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題のポイントは日本における行政のデジタル化に関する知識です。

まず、RPA とは Robotic Process Automation の略で、ソフトウェアロボットを使用してルーチンな業務プロセスを自動化する技術や手法で、これにより人手不足の解消と職員の負担軽減を図ることが期待されています。

 

次にガバメントクラウドとは、自治体や行政が利用できる政府で構築された情報システムで、一般的に、政府機関が自らの情報システムをクラウド上に構築し、データやアプリケーションをクラウド上で管理・運用をすることを指します。

 

 eLTAX とは、地方税について地方自治体が共同で運営するシステムであり、電子的な一つの窓口から各自治体への手続を実現していますが、国税についてはeTAXという別のシステムとなっています。

 

LGWAN とは、地方自治体や政府機関が機密性の高い情報伝達を行うために構築された閉鎖型のネットワークであり、自治体内や自治体間でのメールや掲示板の機能を持つ連絡ツールとしても活用されています。

 

最後にオープンデータとは、国や地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工・編集・再配布等)できるよう公開されたデータで、官民データ活用推進基本法で、国や地方公共団体はオープンデータに取り組むことが義務付けられているので自治体が保有する情報のオープンデータ化は禁止されていないです。

 

以上の点をおさえて、解説を見ていきましょう。

選択肢1. ア・ウ

解説の冒頭より、RPA とは Robotic Process Automation の略で、ソフトウェアロボットを使用してルーチンな業務プロセスを自動化する技術や手法で、これにより人手不足の解消と職員の負担軽減を図ることが期待されています。

よってアはRPA とは Robotic Process Automation の略で、ロボットの代行による作業の自動化、ないし導入するソフトウェア等を指すが、これにより人手不足の解消と職員の負担軽減を図ることが期待されているとなります。

解説の冒頭より、eLTAX とは、地方税について地方自治体が共同で運営するシステムであり、電子的な一つの窓口から各自治体への手続を実現していますが、国税についてはeTAXという別のシステムとなっています。

よって、ウはeLTAX とは、地方税について地方自治体が共同で運営するシステムであり、電子的な一つの窓口から各自治体への手続を実現しているが、国税については別のシステムとなっているとなります。

選択肢2. ア・オ

解説の冒頭より、オープンデータとは、国や地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工・編集・再配布等)できるよう公開されたデータで、国や地方公共団体はオープンデータに取り組むことが義務付けられているので自治体が保有する情報のオープンデータ化は禁止されていないです。

よって、オはオープンデータとは、二次利用が可能な公開データのことで、人手や労力・費用などのコストをかけずに多くの人が利用できるものであるが、自治体が保有する情報のオープンデータ化は禁止されていないとなります。

選択肢3. イ・エ

解説の冒頭より、ガバメントクラウドとは、自治体や行政が利用できる政府で構築された情報システムで、一般的に、政府機関が自らの情報システムをクラウド上に構築し、データやアプリケーションをクラウド上で管理・運用をすることを指します。

よって、イはガバメントクラウドとは、国の行政機関が、共通した仕様で行政サービスのシステムを整備できるクラウド基盤を指し、地方自治体も利用できるものとされているとなります。

また解説の冒頭より、LGWAN とは、地方自治体や政府機関が機密性の高い情報伝達を行うために構築された閉鎖型のネットワークであり、自治体内や自治体間でのメールや掲示板の機能を持つ連絡ツールとしても活用されています。

よって、エはLGWAN とは、地方自治体や政府機関が機密性の高い情報伝達を行うために構築された閉鎖型のネットワークであり、自治体内や自治体間でのメールや掲示板の機能を持つ連絡ツールとしても活用されているとなります。

まとめ

この問題のようにデジタル化や情報分野の知識を問う問題は出てくるので、情報分野に関しても目を通した方が良いでしょう。

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02

本問は、情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)を利用した近年のDX(degital X)に関して、一般的な技術の話も一部にありますが、主に国または地方公共団体における実際の活用について問うものです。

 


アは妥当です。


RPAとはソフトウェアロボット(ボット)を利用したビジネスプロセス自動化技術です。
プログラミングの知識がなくても、比較的容易に自動化を行うことができます。
反復継続的な大量の単純作業を正確かつ高速に行うのに適しており、ルーチン化した業務の効率化に威力を発揮します。一方、個別の判断を要する例外的処理には弱いという特徴があります。
単純だが時間の掛かる作業を自動化することで人間の負担を軽減し、また人為的ミスを減らすことが可能になります。

 

 

イは妥当ではありません

 

ガバメントクラウドとは、政府共通のクラウドサービス利用環境つまり、政府機関、地方自治体などの行政機関が行政システムをクラウドサービスとして共同利用するためのITインフラのことです。
 

現在、行政機関の業務システムは、歴史的に個々の機関が独自に構築、運用してきた関係上、連携面が弱く、保守運用の冗長性が高く手間や費用がかさむ問題があります。
そこで、その解決のために、クラウド技術を使って業務システムを標準化、共通化して一元的に運用することを目指すのがガバメントクラウドです。


地方公共団体情報システム標準化基本方針では、2025年度までにガバメントクラウドを利用した標準準拠システムへの移行することを目標としています。

 

 

ウは妥当です。

 

eLTAXとは、地方税ポータルシステムの呼称です。
全国の地方公共団体が共同で運営する地方税共同機構が提供するシステムで、地方税の諸手続きをインターネット経由で電子的に行うことができます。


これはあくまでも地方税のシステムであり、国税については、国税庁がe-Taxという全く別個のシステムを提供しています。

 

 

エは妥当です。

 

LGWANとはLocal Government Wide Area Networkの略で、地方公共団体間を相互接続する行政専用の閉域ネットワークです。総合行政ネットワークとも言います。


現在すべての都道府県と市町村が利用しています。また、国の行政機関ネットワーク「霞ヶ関WAN」とも相互接続をしており、地方公共団体と国との情報交換にも利用されています。
インターネットと分離した閉域ネットワークであるため安全性が高いのが特長です。ただし、それと引き換えにインターネットを利用した業務との親和性が低くなります。

 

 

オは妥当ではありません

 

オープンデータとは、
「国、地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工、編集、再配布等)できるよう、次のいずれの項目にも該当する形で公開されたデータ」
のことです(オープンデータ基本方針)。

 

① 営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの
機械判読に適したもの
無償で利用できるもの

 

自治体保有情報のオープンデータ化はむしろ推奨されており、禁止されていません。


 

以上、妥当でないものはイとオです。

選択肢1. ア・ウ

ア、ウともに妥当です。

よってこの肢は誤りです。

選択肢2. ア・オ

アは妥当です。

よってこの肢は誤りです。

オは妥当ではありません。

選択肢3. イ・エ

イは妥当ではありません。

エは妥当です。

よってこの肢は誤りです。

選択肢4. イ・オ

イ、オともに妥当ではありません。

よってこの肢が正解です。

選択肢5. ウ・エ

ウ、エともに妥当です。

よってこの肢は誤りです。

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