行政書士 過去問
令和6年度
問26 (法令等 問26)

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問題

行政書士試験 令和6年度 問26(法令等 問26) (訂正依頼・報告はこちら)

公文書管理法*について説明する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(注)*公文書等の管理に関する法律
  • 公文書管理法に定める「行政文書」とは、同法の定める例外を除き、行政機関の職員が職務上作成しまたは取得した文書で、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして当該行政機関が保有しているものであるとされる。
  • 公文書管理法は、行政機関の職員に対し、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き文書を作成しなければならないという文書作成義務を定め、違反した職員に対する罰則を定めている。
  • 行政機関の職員が行政文書を作成・取得したときには、当該行政機関の長は、政令で定めるところにより、当該行政文書について分類し、名称を付するとともに、保存期間および保存期間の満了する日を設定しなければならない。
  • 行政機関の長は、行政文書の管理が公文書管理法の規定に基づき適正に行われることを確保するため、行政文書の管理に関する定め(行政文書管理規則)を設けなければならない。
  • 行政機関の長は、行政文書ファイル管理簿の記載状況その他の行政文書の管理の状況について、毎年度、内閣総理大臣に報告しなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

公文書管理法

公文書管理法の内容に関する問題です。

条文がほぼ原文のまま出題されています。

選択肢1. 公文書管理法に定める「行政文書」とは、同法の定める例外を除き、行政機関の職員が職務上作成しまたは取得した文書で、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして当該行政機関が保有しているものであるとされる。

「この法律において「行政文書」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書(図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)を含む。第19条を除き、以下同じ。)であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう。」(公文書管理法条4項)

 

選択肢2. 公文書管理法は、行政機関の職員に対し、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き文書を作成しなければならないという文書作成義務を定め、違反した職員に対する罰則を定めている。

×

公文書管理法は特定の事項について公務員の文書作成義務を規定しています。(公文書管理法4条)

しかし、違反した職員の罰則は定めていません。

選択肢3. 行政機関の職員が行政文書を作成・取得したときには、当該行政機関の長は、政令で定めるところにより、当該行政文書について分類し、名称を付するとともに、保存期間および保存期間の満了する日を設定しなければならない。

「行政機関の職員が行政文書を作成し、又は取得したときは、当該行政機関の長は、政令で定めるところにより、当該行政文書について分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。」(公文書管理法5条1項)

選択肢4. 行政機関の長は、行政文書の管理が公文書管理法の規定に基づき適正に行われることを確保するため、行政文書の管理に関する定め(行政文書管理規則)を設けなければならない。

 「行政機関の長は、行政文書の管理が第4条から前条までの規定に基づき適正に行われることを確保するため、行政文書の管理に関する定め(以下「行政文書管理規則」という。)を設けなければならない。」(公文書管理法10条1項)

選択肢5. 行政機関の長は、行政文書ファイル管理簿の記載状況その他の行政文書の管理の状況について、毎年度、内閣総理大臣に報告しなければならない。

「行政機関の長は、行政文書ファイル管理簿の記載状況その他の行政文書の管理の状況について、毎年度、内閣総理大臣に報告しなければならない。」(公文書管理法9条1項)

まとめ

公文書管理法については条文を読んでおけば出題内容を理解できます。

・管理の状況については地方公共団体の長が毎年度内閣総理大臣に報告

・廃棄については内閣総理大臣の同意が必要

・特定歴史公文書は原則永久保存(重要でなくなった場合は内閣総理大臣の同意を得て廃棄可能)

といった点を押さえておきましょう。

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02

本問は、公文書管理法の条文知識を問う問題です。
知らなくて大体常識で判断しても解ける問題だと思います。

選択肢1. 公文書管理法に定める「行政文書」とは、同法の定める例外を除き、行政機関の職員が職務上作成しまたは取得した文書で、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして当該行政機関が保有しているものであるとされる。

正しいです。


条文ほぼそのままです。

 

公文書管理法第2条第4項「この法律において「行政文書」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書(……)であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう。」

 

読んでそのまま違和感がなければ大体正解です。

 

 

なお、ただし書により、


一 官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの
二 特定歴史公文書等
三 政令で定める研究所その他の施設において、政令で定めるところにより、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされているもの(前号に掲げるものを除く。)

が除外されています。見ればそれはそうだろうと思うものばかりなので特段、気にするほどではないと思います。

選択肢2. 公文書管理法は、行政機関の職員に対し、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き文書を作成しなければならないという文書作成義務を定め、違反した職員に対する罰則を定めている。

誤りです。よってこの肢が正解です。

 

前段はほぼ条文そのままで正しいです。

 

公文書管理法第4条柱書「行政機関の職員は、……処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、次に掲げる事項その他の事項について、文書を作成しなければならない。」

 

しかし、後段が誤りです。

罰則規定はありません。
そもそも公文書管理法には罰則規定は一切ありません。

選択肢3. 行政機関の職員が行政文書を作成・取得したときには、当該行政機関の長は、政令で定めるところにより、当該行政文書について分類し、名称を付するとともに、保存期間および保存期間の満了する日を設定しなければならない。

正しいです。

 

条文ほぼそのままです。

 

公文書管理法第5条第1項「行政機関の職員が行政文書を作成し、又は取得したときは、当該行政機関の長は、政令で定めるところにより、当該行政文書について分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。」

 

保管する文書の分類と名前は検索に必要ですし、すべて永久保管するわけにもいかないので保管期間等を決めるのは、当たり前のことでしょう。

選択肢4. 行政機関の長は、行政文書の管理が公文書管理法の規定に基づき適正に行われることを確保するため、行政文書の管理に関する定め(行政文書管理規則)を設けなければならない。

正しいです。

 

条文ほぼそのままです。

 

公文書管理法第10条第1項「行政機関の長は、行政文書の管理が第4条から前条までの規定に基づき適正に行われることを確保するため、行政文書の管理に関する定め(以下「行政文書管理規則」という。)を設けなければならない。」

 

法律を実効あらしめるために、事務規定としての内規を定めるのはごく当たり前の話で、ある意味お約束な規定とも言えます。

選択肢5. 行政機関の長は、行政文書ファイル管理簿の記載状況その他の行政文書の管理の状況について、毎年度、内閣総理大臣に報告しなければならない。

正しいです。

 

条文ほぼそのままです。

 

公文書管理法第9条第1項「行政機関の長は、行政文書ファイル管理簿の記載状況その他の行政文書の管理の状況について、毎年度、内閣総理大臣に報告しなければならない。」

 

行政文書の重要性を考えれば、行政機関トップの首相が最終責任者であるのは当然とも言えます。

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