介護福祉士の過去問
第30回(平成29年度)
総合問題 問119

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問題

介護福祉士国家試験 第30回(平成29年度) 総合問題 問119 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問いに答えなさい。

〔事例〕
Cさん(87歳、女性)は、「財布がなくなった、誰かに盗られた」と訴えるようになった。夫が盗られていないことを説明しても受け入れなかった。心配した夫に連れられて受診すると、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。その後、認知症(dementia)の進行に伴って夫の介護負担が増えたので、通所介護(デイサービス)を利用することになった。
ある日、介護福祉職が入浴介助をしている時、Cさんの体に複数のあざを見つけたため、介護支援専門員(ケアマネジャー)に報告した。介護支援専門員(ケアマネジャー)から連絡を受けた地域包括支援センターの職員がCさんと夫に確認したところ、夫による暴力が原因であることがわかった。夫の介護負担が軽くなるように、短期入所生活介護(ショートステイ)の利用を勧めたが、夫は拒否した。その後も、虐待は改善されなかった。そこで、市町村のやむを得ない事由による措置により施設に入所することになった。
入所後まもなく、夜間に施設内を歩き回るCさんの様子が見られた。介護福祉職が声をかけると、「トイレの場所がわからない」と話した。日中はトイレで排泄(はいせつ)を行い、下着を汚すことはなかった。

Cさんに対する夜間の排泄(はいせつ)の支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 定時にトイレ誘導を行う。
  • トイレの入口を明るくする。
  • 水分を控えるように話をする。
  • 紙おむつの使用を勧める。
  • ポータブルトイレを居室に置く。

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この過去問の解説 (3件)

01

最も適切なものは2です。

問題文中に「日中はトイレで排泄を行い、下着を汚すことはなかった」とあります。明るくすることで解決する可能性があります。

他の選択肢については以下のとおりです。
1.Cさんは日中トイレで排泄できる状態です。毎日定時に声をかけられることでCさんの睡眠が妨げられますし、職員の負担も増えます。不適切です。

3.水分を控えることは脱水状態につながります。よって、不適切です。

4.自分でできるのに紙おむつを勧めるのは個人の尊厳を損なう可能性の高いものです。よって、不適切です。

5.それまでできていたことができなくなる可能性につながる行為です。よって、不適切です。

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02

1.誤
尿意や便意はあるため、寝ているCさんを起こしてトイレ誘導を行うことは不眠や転倒のリスクを高めるため誤りです。

2.正
日中はトイレで排泄を行えていることから、夜間に室内灯を消していることが理由と考えられます。トイレの電気を点けておくのが最も適切です。

3.誤
夜間トイレに行かないように水分を控えることは脱水症のリスクを高めるため誤りです。

4.誤
自身で排泄を行なうことが出来るのにオムツを使用することはCさんの自尊心を傷つけ、精神的苦痛を与える行為であるため誤りです。

5.誤
日中はトイレに行けているので「トイレの場所が分からない」というのは室内灯を消していることが原因であると考えられます。ポータブルトイレを居室に置く必要はないため誤りです。

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03

正解は2です。
排泄の方法が分からないのではなく、いつもと違う場所での戸惑いもあると思いますので、トイレの場所を明るくしたり、トイレの場所を分かりやすくするなどの工夫が必要です。
尿意があることを大切にして、トイレに行く行動を大切にすることが必要です。

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