運行管理者(貨物)の過去問
平成26年度 第2回
実務上の知識及び能力 問37

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問題

平成26年度 第2回 運行管理者試験(貨物) 実務上の知識及び能力 問37 (訂正依頼・報告はこちら)

点呼の実施に関する次の記述のうち、適切なものを選びなさい。
  • 運行管理者が乗務前の点呼において、運転者の酒気帯びの有無を確認するためアルコール検知器( 国土交通大臣が告示で定めたもの。以下同じ。)を使用し測定をした結果、アルコールを検出したが、道路交通法施行令第44条の3( アルコールの程度 )に規定する呼気中のアルコール濃度1リットル当たり0.15ミリグラム未満であったので、乗務させた。
  • 運行管理者は、乗務前の点呼において、運転者から「事業用自動車の日常点検を実施したところ、左のブレーキランプのレンズが破損していた。整備管理者に報告したが、このままの状態では運行できないとの指示があった。」との報告を受けた。そこで、当該運行管理者は、整備管理者に確認を行い、代車を出して乗務を開始させることとした。
  • 運行管理者が乗務前の点呼において、運転者の健康状態等について顔色、動作、声等を確認したところ、普段の状態とは違っており、健康状態に問題があり安全な運転に支障があると感じた。本人から聞いたところ、「 昨日から熱があるが、風邪薬を飲んでいるので安全な運転に支障はない。」との報告があった。当該運行管理者は、代わりとなる運転者がいなかったこともあり、当該運転者を乗務させた。
  • 運行管理者が乗務前の点呼において、運転者に対して酒気帯びの有無を確認しようとしたところ、営業所に設置されているアルコール検知器が停電により全て使用できなかったことから、当該運行管理者は、運転者に携帯させるために営業所に備えてある携帯型アルコール検知器を使用して酒気帯びの有無を確認した。

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この過去問の解説 (3件)

01

1誤
アルコールが検知された時点でその数値にかかわらず、乗務員を絶対に乗務させてはいけません。

2正
記述の通りです。
運行できない車両に乗務させてはいけません。
代車が無い場合等もやむを得ないとは判断されませんので注意しましょう。

3誤
安全な運転に支障が出る場合、乗務させてはいけません。
又、風邪薬など眠くなる成分が入っている薬を服用する場合、乗務員から報告を求める指示をしておくことも大切です。

4正
停電が原因で使えなくなってしまったことは、アルコール検知器を営業所ごとに常時有効に保持しなければならないという規則に違反したことにはなりません。
そして運転者に携帯させるために営業所にあったアルコール検知器を使うことは、営業所ごとに備えているアルコール検知器を使う事と同義です。

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02

「運行管理業務と安全」マニュアル トラック協会 参照
  (点呼の実施)

点呼とは 運行管理者は、乗務前点呼を実施し、運転者から本人の健康状態や酒気帯びの有無、日 常点検等の報告を求め、それに対して安全を確保するために必要な指示をしなければなりません。乗務終了後には乗務後点呼を実施し、乗務した自動車、道路、運行の状況、酒気帯びの有無、ほかの運転者と交替した場合には、交替運転者との通告について報告を受けなければなりません。しかし、乗務前、乗務後のどちらかが、やむを得ず対面で点呼ができない場合は、電話その他の方法で点呼を行います。 また、長距離運行等により乗務前・乗務後のいずれの点呼も対面で行うことができない場合は、乗務の途中で少なくとも1回電話その他の方法により点呼を実施しなければなりません。

・「運行上やむを得えない場合」とは、遠隔地で乗務が開始または終了するため、乗務前また は乗務後の点呼が営業所において対面で出来ない場合のことを指し、車庫と営業所が離れているとか、早朝、深夜等のため点呼執行者が営業所に出勤していない場合等は該当しません。
・「その他の方法」とは、携帯電話、業務無線等運転者と直接対話できる方法を指し、電子メール,FAX等一方的な連絡方法は、該当しません。また、電話その他の方法による点呼は、 運転中に行ってはいけません。
点呼場所 点呼場所をどのような所に定めるかは、決まった定義はありませんが、重要な点呼を騒々しい所で実施するのは好ましいことではありません。事務員やほかの運転者から見えず、運転者の点呼がスムーズにいくような独立した所が理想です。 そして、点呼場所には、点呼要領を表した掲示、指導の重点事項、時計、鏡、運転者の立 つ位置の表示及び必要な帳簿類の備え付け等環境作りが必要です。
点呼の種類と確認・指示事項 点呼は、運転者や自動車が安全に運行できる状態かどうかを確認するとともに、安全運行 のために必要な指示を与え、報告を聴取するため、次の内容を確実に実施しなければなりません。

乗務前点呼における確認・指示事項
・運転者の健康状態、疲労の度合、酒気帯びの有無、異常な感情の高ぶり、睡眠不足等について確認し、安全な運転ができる状態か否かを判断する。
・日常点検の実施結果に基づき、整備管理者が自動車の運行の可否を決定したことを確認する。
・服装を端正に着用しているかの確認。
・運転免許証、非常信号用具、業務上必要な帳票類等、携行品の確認。
・休憩時間・場所、積載物、気象、道路状況等、運行の安全を確保するための注意事項の指示。
・個々の運転者について、運転行動に現れやすい問題点についての注意。
乗務後点呼における確認・指示事項
・車両、積載物の異常の有無、乗務記録、運行記録計等の記録により運転者の運転状況等の確認。
・工事箇所等道路状況に関する最新情報及びヒヤリ・ハット経験の有無等安全情報の確認。
・酒気帯びの有無。
・運転者に翌日の勤務を確認させる。

中間点呼
・乗務前及び乗務後のいずれの点呼も対面で実施できない乗務を行う運転者に対し、運行 管理者は、当該点呼のほかに、当該乗務の途中において少なくとも1回電話等により、運転者と直接対話できる方法で酒気帯びの有無、疾病、疲労等の状況を確認するため点呼を実施しなければなりません。

(4)アルコール検知器の使用
・乗務前点呼、乗務後点呼及び中間点呼における酒気帯びの有無は、目視等で確認するほ か、アルコール検知器を用いて行わなければなりません。
・アルコール検知器が1つも備えられていない場合、アルコール検知器備え義務違反となり、初違反「60日車」、再違反「120日車」となります。また、正常に作動しないアルコール検知器により酒気帯びの有無の確認を行った場合や、正常に作動しないアルコー ル検知器であることを理由に酒気帯びの有無の確認を怠った場合、アルコール検知器の 常時有効保持義務違反となり、初違反「20日車」、再違反「40日車」となります。

設問1:誤り。
乗務前の点呼で、呼気中にアルコールを検出した運転者を乗務させてはなりません。点呼で酒気帯びの有無を確認する際は、道路交通法施行令に規定する呼気中のアルコール濃度以下であるかどうかは関係ありません。

設問2:正しい。
乗務前の点呼において、運転手から報告があった車両の異常について、整備管理者に確認を行い、代車を出して乗務を開始させたことは適切な対応です。

設問3:誤り。
乗務前の点呼で、運転者の健康状態に問題があり、安全な運転に支障があると感じた場合には、当該運転者を乗務させることはできません。また、風邪薬には、眠気を引き起こす成分が含まれているものが多く、これを服用した場合には自動車を運転してはなりません。

設問4:正しい。
営業所に設置されているアルコール検知器が停電により全て使用できない場合に、営業所に備えてある携帯型アルコール検知器を使用して酒気帯びの有無を確認したことは、適切な対応です。

(注意)
このような設問形式の場合全問正解でないと得点にはなりません。

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03

②・④が解答となります。

1 .運行管理者が乗務前の点呼において、運転者の酒気帯びの有無を確認するためアルコール検知器( 国土交通大臣が告示で定めたもの。以下同じ。)を使用し測定をした結果、アルコールを検出したが、道路交通法施行令第44条の3( アルコールの程度 )に規定する呼気中のアルコール濃度1リットル当たり0.15ミリグラム未満であったので、乗務させた。

→青字部分に誤りがあります。

 乗務前に行うアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認では

 「アルコールが検出されるか」を判断するためのものであり、

 呼気中のアルコール濃度を測るためのものではありません。

 アルコールが検出された時点で乗務は不可能となります。 

2 .運行管理者は、乗務前の点呼において、運転者から「事業用自動車の日常点検を実施したところ、左のブレーキランプのレンズが破損していた。整備管理者に報告したが、このままの状態では運行できないとの指示があった。」との報告を受けた。そこで、当該運行管理者は、整備管理者に確認を行い、代車を出して乗務を開始させることとした。

→正しいです。

 事業用自動車自体の運行可否については整備管理者の指示によって

 行われます。

 今回のように日常点検で異常が見つかり、整備管理者からも運行の許可が

 出ない場合は、問題文の通り代車で対応することが必要となります。 

 こういった状況が発生することにも備えて、代車自体もすぐに使用ができる

 状態を保つことができるように整備管理者と日々準備をしておくことも

 大切となります。 

3 .運行管理者が乗務前の点呼において、運転者の健康状態等について顔色、動作、声等を確認したところ、普段の状態とは違っており、健康状態に問題があり安全な運転に支障があると感じた。本人から聞いたところ、「 昨日から熱があるが、風邪薬を飲んでいるので安全な運転に支障はない。」との報告があった。当該運行管理者は、代わりとなる運転者がいなかったこともあり、当該運転者を乗務させた。

→青字部分に誤りがあります。

 乗務前点呼では「疾病・疲労・睡眠不足などの理由により安全な運転をす

 ることができないおそれの有無」について確認することとなっております。

 運行管理者も気づいており、運転者から申し出があることから

 「安全な運転はできない」と判断しなければなりません。

 また服薬をしていることから、急な眠気や症状の悪化により

 事故につながる恐れもあります。

 当日の乗務割を変更することや既存運転手でのフォローにて

 対応をする必要があります。 

4 .運行管理者が乗務前の点呼において、運転者に対して酒気帯びの有無を確認しようとしたところ、営業所に設置されているアルコール検知器が停電により全て使用できなかったことから、当該運行管理者は、運転者に携帯させるために営業所に備えてある携帯型アルコール検知器を使用して酒気帯びの有無を確認した。

→正しいです。

 アルコール検知器は「営業所に備え付けてあるものを使用」すること

 となっています。

 (日々安全に作動するか、アルコールを検知するかの確認も必要です)

 

 何らかの理由にすぐに使用ができない場合は「当該運転者の所属する営業所で

 備え付けられているアルコール検知器(トラックにある携帯型アルコール検知器等)

 で代用することは可能です。

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