運行管理者(貨物)の過去問
平成27年度 第1回
実務上の知識及び能力 問43
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問題
平成27年度 第1回 運行管理者試験(貨物) 実務上の知識及び能力 問43 (訂正依頼・報告はこちら)
下の荷主からの運送依頼に基づいて、A営業所の運行管理者がア~ウの運行に関する計画を立てた。この運行計画を立てた際の運行管理者の判断に関する1~3の記述のうち、適切なものをすべて選びなさい。
〔 荷主の運送依頼事項 〕
A地点から重量が5,250キログラムの荷をB 地点まで往路運送し、復路はC地点から重量が5,000キログラムの荷をD地点に運送する。
〔 運行の計画 〕
ア 乗車定員2名で最大積載量6,000キログラム、車両総重量10,950キログラムの中型貨物自動車を使用する。当該運行は、運転者1人乗務とする。
イ 当日の当該運転者の始業時刻は7時とし、乗務前点呼後7時30分に営業所を出庫して荷主先のA地点に向かう。荷積み後B地点に向かうが、途中、最高速度が指定されていない高速自動車国道( 法令による最低速度を定めない本線車道に該当しないもの。以下同じ。)のE料金所からF料金所までの間( この間の距離は180キロメートル )を連続2時間30分運転し、途中に5分の休憩を挟み、B地点には12時までに到着する。荷下ろし後荷主先C地点の休憩施設に向かい、当該施設において1時間の休憩をとる。
ウ C地点にて荷積み後、荷主先を14時30分に出発してD地点に向かい、高速自動車国道のG料金所からH料金所までの間( この間の距離は210キロメートル )を連続3時間運転し、荷主先の地点に18時45分までに到着する。荷下ろし後、当社営業所に19時20分までに帰庫し、乗務後点呼を受け19時50分に終業する。
〔 当該運転者の勤務状況 〕
ア 前日の勤務は、7時から19時までの勤務であり、拘束時間が12時間であった。その間の運転時間は9時間15分であり、当日までの休息期間は12時間であった。
イ 翌日の勤務は、8時から20時までの勤務であり、拘束時間を12時間とし、その間の運転時間は9時間を予定している。
〔 荷主の運送依頼事項 〕
A地点から重量が5,250キログラムの荷をB 地点まで往路運送し、復路はC地点から重量が5,000キログラムの荷をD地点に運送する。
〔 運行の計画 〕
ア 乗車定員2名で最大積載量6,000キログラム、車両総重量10,950キログラムの中型貨物自動車を使用する。当該運行は、運転者1人乗務とする。
イ 当日の当該運転者の始業時刻は7時とし、乗務前点呼後7時30分に営業所を出庫して荷主先のA地点に向かう。荷積み後B地点に向かうが、途中、最高速度が指定されていない高速自動車国道( 法令による最低速度を定めない本線車道に該当しないもの。以下同じ。)のE料金所からF料金所までの間( この間の距離は180キロメートル )を連続2時間30分運転し、途中に5分の休憩を挟み、B地点には12時までに到着する。荷下ろし後荷主先C地点の休憩施設に向かい、当該施設において1時間の休憩をとる。
ウ C地点にて荷積み後、荷主先を14時30分に出発してD地点に向かい、高速自動車国道のG料金所からH料金所までの間( この間の距離は210キロメートル )を連続3時間運転し、荷主先の地点に18時45分までに到着する。荷下ろし後、当社営業所に19時20分までに帰庫し、乗務後点呼を受け19時50分に終業する。
〔 当該運転者の勤務状況 〕
ア 前日の勤務は、7時から19時までの勤務であり、拘束時間が12時間であった。その間の運転時間は9時間15分であり、当日までの休息期間は12時間であった。
イ 翌日の勤務は、8時から20時までの勤務であり、拘束時間を12時間とし、その間の運転時間は9時間を予定している。
- E料金所からF料金所までの間の高速自動車国道の運転時間を2時間30分、及びG料金所からH料金所までの間の高速自動車国道の運転時間を3時間と制限速度を考慮してそれぞれ設定したこと。
- 当日を特定日とした場合の2日を平均した1日当たりの運転時間が、「 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準 」( 以下「 改善基準 」という。)に違反していないと判断したこと。
- 当日の運行計画における連続運転時間の中断方法は、「 改善基準 」に違反していないと判断したこと。
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この過去問の解説 (3件)
01
運転時間の設定は適切です。
最高速度が指定されていない高速道路では、時速80キロが最高速度として定められています。
E料金所からF料金所まで平均時速を計算すると、
72キロメートル。
G料金所からH料金所までの平均時速は70キロメートルなので問題ありません。
2正
改善基準に違反していません。
「特定日とその前日」と「特定日とその翌日」の運転時間の平均が、
「どちらも」9時間を超えていた場合、改善基準に違反していることになります。
今回は「特定日とその翌日」が8時間57分30秒となり、9時間を超えていません。
3誤
連続運転時間は4時間を超えてはならず、
4時間以内か4時間経過後に30分以上の運転の中断をしなければなりません。
運行開始から運転時間の合計が4時間に達した時点で、
A地点での荷積み20分しか運転の中断をしていませんので、改善基準に違反しています。
又、14時からの運転再開後、運転時間4時間経過後、
10分しか休憩していないので、改善基準に違反しています。
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02
①・②が解答となります。
各選択肢の内容を図や示されている条件に合わせた中で、一つずつ確かめていきます。
計算問題や改善基準違反の有無を問われる問題のため、各決まり事を覚えておくことが大切になります。
1 .E料金所からF料金所までの間の高速自動車国道の運転時間を2時間30分、及びG料金所からH料金所までの間の高速自動車国道の運転時間を3時間と制限速度を考慮してそれぞれ設定したこと。
→正しいです。
ここでは、距離・時間を基に正しい速度で走ることができているかが重要と
なります。
「速度」は「距離÷時間」で求めることができます。
また問題で使用している車両は「最大積載量6000kg」
「車両総重量10950kg」の中型貨物自動車となります。
中型貨物自動車のうち
「最大積載量5000kg以上または車両総重量8000kg以上」の貨物自動車は
”特定中型貨物自動車”の扱いとなり、
高速自動車国道の最高速度は時速80kmとなります。
【往路】
180km÷2.5(2時間30分)=72km/h
時速72kmとなり、最高速度内に収まっているため問題はありません。
【復路】
180km÷3(3時間)=60km/h
時速60kmとなり、最高速度内に収まっているため問題はありません。
これにより、各区間における時間設定で走行した場合も
正しい速度で運行することができるので正しい運行計画といえます。
2 .当日を特定日とした場合の2日を平均した1日当たりの運転時間が、「 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準 」( 以下「 改善基準 」という。)に違反していないと判断したこと。
→正しいです。
まずは問題で設定されている条件をまとめます。
(当該運転者の勤務状況より)
☆特定日の前日 = 9時間15分
★特定日(図より)=8時間55分
☆特定日の翌日 = 9時間(予定)
上記を数式に当てはめて計算していくと
・(9時間15分 + 8時間55分) ÷ 2 = 9時間5分
・(8時間55分 + 9時間 ) ÷ 2 = 8時間57.5分
特定日+特定日の翌日が9時間以内に収まっているため、
改善基準違反は見られません。
3 .当日の運行計画における連続運転時間の中断方法は、「 改善基準 」に違反していないと判断したこと。
→誤りです。
【連続運転時間について】
・連続運転は4時間以内
・4時間経過直後に30分以上の”運転をしない時間”をとる
または4時間以内に30分以上の”運転しない時間”をとる
※”運転しない時間”とは「休憩」「荷下ろし」「荷積み」「待機」などが
該当します。
また分割して休憩を取る際は10分以上から取得が可能となります。
この条件を踏まえて運行計画を見ていきます。
【往路】
運転 10分
荷積み 20分
運転 40分
運転 2時間30分(高速)
休憩 5分※
運転 45分
ここまでで運転時間の合計が4時間05分となりますが、
その間に取得しているのは「荷積み」の20分のみとなります。
※休憩5分は取得とみなされません。
【復路】
運転 30分
運転 3時間(高速)
運転 30分
休憩 10分
ここまでで、運転時間の合計が4時間となりますが、
直後に取得した休憩が10分のため運転をしない時間が不足しています。
このため、連続運転時間の改善基準告示違反があるとみられます。
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03
ポイントは以下の通りです。
※車両総重量が8トン以上、最大積載量が5トン以上の中型貨物自動車に該当するため、高速道路における最高速度は80㎞/hとされていること。
※運転時間は2日を平均し1日あたり9時間を超えないこと。
※連続運転時間が4時間をこえていないこと。かつ10分以下の中断は有効とみとめられないということ。
道交法施行令第27条第1項 第2号により、 車両総重量が8トン以上、最大積載量が5トン以上の中型貨物自動車の場合、 高速道路における最高速度は80㎞/hとされています。
E料金所からF料金所までの180kmの距離を走行するためには、
180km÷80km/h=2時間15分で、少なくとも2時間15分必要です。
本問は2時間30分となっているので適切です。
G料金所からH料金所までの210kmの距離を走行するためには、
210km÷80km/h=約2時間36分で、少なくとも2時間36分必要です。
本問は3時間となっているので適切です。
改善基準第4条第1項第4号によると、運転時間は、2日を平均1日当たり9時間を超えないこととされています。
2日を平均した1日の運転時間の計算に当たっては、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」を算出し、どちらも9時間を超える場合は基準違反と判断されます。
それぞれの拘束時間は以下の通りです。
前日→9時間15分
特定日→8時間55分
翌日→9時間
「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」=9時間5分
「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」=8時間57分
9時間をこえているのは「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」だけなので、適切です。
改善基準第4条第1項第5号 によると、連続運転時間(1回が連 10分以上で、かつ、合計が30分 以上の運転の中断をすることなく連続して運転する時間をいう。)は、4 時間を超えないものとされています。
本問の場合、営業所を出庫してからB地点までの連続運転時間が4時間5分であり、そのうち中断時間の合計が20分(10分以下は含まない)で30分以上の中断時間を満たしていないため、「 改善基準 」に違反しています。
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