問題
衝突被害軽減ブレーキは、いかなる走行条件においても前方の車両等に衝突する危険性が生じた場合に確実にレーダー等で検知したうえで自動的にブレーキが作動し、衝突を確実に回避できるものである。当該ブレーキが備えられている自動車に乗務する運転者に対しては、当該ブレーキ装置の故障を検知し表示による警告があった場合の対応を指導する必要がある。
正解は不適です。
<解説>
国土交通省が自動車交通局のホームページ内に公開している自動車総合安全情報ホームページの「衝突被害軽減ブレーキについて」のページに下記の記載があります。(以下抜粋)
「衝突被害軽減ブレーキの効果
大型トラックに衝突被害軽減ブレーキを装備し、衝突速度を20km/h下げることにより、被追突車両の乗員の死亡件数を約9割※減らすことが可能と推計されています。
※危険認知速度別衝突被害軽減ブレーキによる死亡事故件数の低減見込み」
衝突被害軽減ブレーキの効果としては衝突を確実に回避できるものではありません。
よって不適が正解です。
不適が解答となります。
衝突被害軽減ブレーキは、いかなる走行条件においても前方の車両等に衝突する危険性が生じた場合に確実にレーダー等で検知したうえで自動的にブレーキが作動し、衝突を確実に回避できるものである。当該ブレーキが備えられている自動車に乗務する運転者に対しては、当該ブレーキ装置の故障を検知し表示による警告があった場合の対応を指導する必要がある。
→衝突被害軽減ブレーキは完全に衝突を回避できるものではありません。
運転時の状況・天候等によって機能が十分に発揮できるばかりではないため、運転者に対しては安全装置に頼りすぎず適正な距離や速度を保った運転をすることが求められます。
この問題で抑えておくポイントは、「いかなる走行条件においても前方の車両等に衝突する危険性が生じた場合に確実にレーダー等で検知したうえで自動的にブレーキが作動」の所です。
それぞれの回答を見てみましょう。
衝突被害軽減ブレーキは、運転状況や天候等により確実に性能を発揮できない事がある為、いかなる走行条件・確実にレーダーで検知・自動的にブレーキが作動するとは限らない為、確実に衝突を回避できません。
また、運転者は常に安全運転を心掛け、装置を過信する事がないようにしなければなりません。
衝突被害軽減ブレーキは、確実に衝突を回避できるものではありませんので、運転者は装置に頼り過ぎず、適正な速度、車間距離で運転しなければいけません。
この問題は、運転者及び指導者側も車両の装置について十分に理解していなければ、重大な事故に繋がる原因となる内容となりますので、車両装置に過信する事がないよう、運転者は安全運転を心掛け、又指導者についても装置故障の指導だけではなく、日々の運転者への安全運転に対する指導も必要となります。
安全運転支援システムは逐一進化を遂げており、
試験に出題される記述と現在のシステムが若干合っていないときもあります。
しかし、道路を走っているのは現行の車両ばかりではありません。
試験に出される支援システムは少し以前のものをイメージするとよいのかもしれません。
誤りです。
衝突被害軽減ブレーキは、いかなる走行条件においても前方の車両等に衝突する危険性が
生じた場合に確実にレーダー等で検知したうえで自動的にブレーキが作動。
走行中に前方の車両あるいは障害物もしくは歩行者を自動車前方に設置されたカメラで監視し
距離が縮まった時に自動的にブレーキをかけるのが衝突被害軽減ブレーキです。
例えば雪が降っているとしてセンサーあるいはカメラ部に雪が付くと
障害物を感知できなくなることがあります。
よっていかなる走行条件においても、との記述は誤りとなります。
正しい。
上記の理由から運転者への指導内容は適切とは言えません。
カメラ部分への着雪による動作不良の他にも対象物の色や形で動作が不安定になることもあります。