運行管理者(貨物)の過去問
平成30年度 第2回
実務上の知識及び能力 問53
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問題
平成30年度 第2回 運行管理者試験(貨物) 実務上の知識及び能力 問53 (訂正依頼・報告はこちら)
貨物自動車運送事業者の運行管理者は複数の荷主からの運送依頼を受けて、下のとおり4日にわたる2人乗務による運行計画を立てた。この2人乗務を必要とした根拠についての次の1~3の下線部の運行管理者の判断について、正しいものを選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、<4日にわたる運行計画>及び各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
- 1人乗務とした場合、1日についての最大拘束時間及び休息期間が「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準告示」という。)に違反すると判断して、当該運行には交替運転者を配置した。
- 1人乗務とした場合、すべての日を特定の日とした場合の2日を平均して1日当たりの運転時間が改善基準告示に違反すると判断して、当該運行には交替運転者を配置した。
- 1人乗務とした場合、連続運転時間が改善基準告示に違反すると判断して、当該運行には交替運転者を配置した。
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この過去問の解説 (3件)
01
③が解答となります。
拘束時間・運転時間・休息時間など運行管理において必要な時間管理の部分を問われる問題です。
1つずつ選択肢と照らし合わせて見ていくと分かりやすいです。
①違反なし
1.1人乗務とした場合、1日についての最大拘束時間及び休息期間が「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準告示」という。)に違反すると判断して、当該運行には交替運転者を配置した。
最大拘束時間 = 16時間
※始業開始から24時間までは拘束時間に含まれます
(フェリー乗船中は休息時間として扱います)
休息時間 = 連続して8時間以上(※フェリー乗車時間も含みます)
※印部分が大きなポイントになります。
【1日目】拘束時間
6時 ~ 20時 = 14時間
※2日目の4~6時 = 2時間 ←これが1日目の拘束時間に追加されます!
(もちろん2日目の拘束時間としてもカウントします)
つまり1日目の拘束時間 = 16時間となります
【1日目】休息時間
20時 ~ 翌4時 = 8時間
【2日目】【3日目】拘束時間
4時 ~ 17時 = 13時間
【2日目】休息時間
17時 ~ 翌4時 = 11時間
【3日目】休息時間
17時 ~ 翌5時 =12時間
【4日目】拘束時間
単純に計算すると…
5時 ~ 22時 = 17時間となりますが、
フェリーに3時間乗船しています。
この3時間は拘束時間に含みませんので△3時間とし、
14時間が拘束時間となります。
各日とも拘束時間及び休息時間は適正にとれており、
改善基準違反はないと見ます。
②違反なし
運転時間についての問題です。
運転時間 = 2日間の平均が9時間を超えないこととなっています。
☆前日の運転時間 ・ 特定の日の平均時間
☆特定の日の運転時間 ・ 翌日の運転時間の平均
この2つが9時間を超えているかが判断基準となります。
各日の運転時間は図の「運転」のみの時間を合計したものになります。
(荷積みや休憩は含まれません)
【1日目】10時間
【2日目】9時間
【3日目】9時間
【4日目】10時間
1-2日目の平均 = 9.5時間
2-3日目の平均 = 9.0時間
3-4日目の平均 = 9.5時間
以上のようになります。
各日を特定の日として2日を平均したときに1日当たりの運転時間を比較すると9時間を超えてはいません。
その為、改善基準違反は認めまれません。
③違反あり(正しい選択肢)
連続運転時間についての問題です。
連続運転 = 運転開始から4時間以内に30分の休憩、または
4時間経過した直後に30分以上の休憩をとる
(途中の休憩は10分から分割可)となっています。
これに照らして各日の運行を見ていきます。
【1日目】
出庫 - 運転(1時間)- 荷積み(1時間)- 運転(3時間)- 休憩(1時間)
※運転(2時間)- 休憩(15分)- 運転(3時間)- 荷下ろし(1時間)
- 運転(1時間)- 到着
※この部分で休憩が15分しか取られていないため
改善基準違反となります。(運転時間が5時間に対して休憩15分の為)
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02
正解は3です。
1.誤り
1日の最大拘束時間は16時間を超えてはいけないことになっています。
また勤務終了後の休息期間は8時間以上とることとされています。
この問題のポイントは、1日目の始業から「24時間が拘束時間」に
換算されるという点と
4日目のフェリー乗船時間が原則、「休息期間」に換算されることです。
上記の点を踏まえて「拘束時間」と「休息期間」を見ていくと
〈拘束時間〉
1日目:始業6時~終業20時 =14時間+2日目の4時~6時 =2時間
拘束時間:16時間
2日目:始業4時~終業17時 =13時間 拘束時間:13時間
3日目:始業4時~終業17時 =13時間 拘束時間:13時間
4日目:始業5時~終業22時 =17時間ーフェリー乗船3時間=14時間
拘束時間:14時間
〈休息期間〉
1日目:1日目の終業20時~2日目の始業4時=8時間 休息期間:8時間
2日目:1日目の終業17時~3日目の始業4時=11時間 休息期間:11時間
3日目:1日目の終業17時~4日目の始業5時=11時間 休息期間:12時間
上記により、「最大拘束時間」「休息期間」いずれの日も改善基準に
違反していないため誤りとなります。
2.誤り
運転時間は、2日を平均して1日当たり「9時間」を超えないことと
されています。
1日当たりの運転時間は特定日を基準とし、
「特定日と特定日の前日の運転時間の平均」と
「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」の
「どちらも9時間を超えている」場合は
改善基準に違反しているとみなされます。
では各日の運転時間を確認していきましょう。
〈運転時間〉
1日目:10時間
2日目:9時間
3日目:9時間
4日目:10時間
1日目:1日目と2日目の平均は「9.5時間」となるが前日が休日のため
どちらも9時間を超えていないので、違反していません
2日目:2日目と1日目の平均は「9.5時間」2日目と3日目の平均は
「9時間」のため、どちらも9時間を超えていないので、
違反していません
3日目:3日目と2日目の平均は「9時間」3日目と4日目の平均は
「9.5時間」のため
どちらも9時間を超えていないので、違反していません
4日目:4日目と3日目の平均は「9.5時間」となりますが、翌日が
休日のため、どちらも9時間を超えていないので、違反していません
上記の通り、1~4日目のいずれの日を特定日として、前後2日を平均して
1日あたりの運転時間は、改善基準に違反していないこととなるため
誤りとなります。
3.正しい
連続運転時間は、4時間を超えてはならないとされています。
この問題のポイントは、休憩時間が30分以上とれていない場合、
運転時間の合計が4時間を超えてはならないということです。
上記のポイントを押さえて問題を見てみましょう。
1日目の運行計画ですが、出庫後の
運転(1時間)⇒荷積み(1時間)⇒運転(3時間)⇒休憩(1時間)
ここまでは問題ありませんが、その後の
運転(2時間)⇒休憩(15分)⇒運転(3時間)
上記で示した通り、この部分が改善基準に違反しています。
残りの2日目、3日目、4日目は4時間を超える連続運転は見られない
ので改善基準に違反していません。
よって、3が正しいです。
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03
1・8時間の休息期間が取れているか。
2・2日平均の運転時間は9時間以内となっているか。
3・連続運転時間は4時間以内となっているか。
これら3つの項目を表を見ながら算出します。
誤りです。
休息期間が8時間以上取れているか確認します。
1日目 拘束時間16時間 休息期間8時間
2日目 拘束時間13時間 休息期間11時間
3日目 拘束時間13時間 休息期間12時間
4日目 拘束時間13時間 翌日は休日
以上のことから拘束時間及び休息期間は基準内であり違反はありません。
※拘束時間の考え方は24時間での拘束時間となります。
そのため1日目は14時間のように思えますが24時間である翌日の6時までの間、
2時間の早出をしていますので、14時間+2時間である16時間が、
1日目の拘束時間となります。
※フェリー乗船中は休息時間となり拘束時間から除外されます。
誤りです。
2日平均の運転時間を算出します。
1日目 10時間
2日目 9時間
3日目 9時間
4日目 9時間
2日目を基準日とした場合前後平均は19時間と18時間となります。
2日間とも平均9時間を上回ると違反になるのですが、
前日しか上回っておらず違反とは言えません。
正しい。
連続運転時間が違反しています。
30分以上の中断時間を取るまでに何時間運転しているのか見ていきます。
1日目 1時間の荷積みまでに1時間 1時間の休憩までに3時間
15分の休憩と1時間の荷下ろしまでに5時間。
2日目 1時間の荷積みまでに1時間 15分の休憩と点呼1時間までに4時間。
1時間の荷下ろしまでに3時間 乗務後点呼までに1時間。
3日目 1時間の荷積みまでに1時間 中間点呼1時間までに3時間
15分の休憩と1時間の荷下ろしまでに4時間 乗務後点呼までに1時間。
4日目 1時間の荷積みまでに1時間30分 フェリー乗船までに2時間。
1時間の休憩までに2時間 1時間の荷下ろしまでに3時間 乗務後点呼までに1時間30分。
以上のことから1日目が連続運転5時間と違反しています。
連続運転は10分以上の中断時間30分をとるまでに何時間運転しているかを考えます。
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