運行管理者(貨物)の過去問
令和2年度 CBT
実務上の知識及び能力 問26
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問題
令和2年度 CBT 運行管理者試験(貨物) 実務上の知識及び能力 問26 (訂正依頼・報告はこちら)
事業用自動車の運転者の健康管理に関する次の記述のうち、【適切なものをすべて】選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
- 事業者は、運転者が医師の診察を受ける際は、自身が職業運転者で勤務時間が不規則であることを伝え、薬を処方されたときは、服薬のタイミングと運転に支障を及ぼす副作用の有無について確認するよう指導している。
- 事業者は、法令により定められた健康診断を実施することが義務づけられているが、運転者が自ら受けた健康診断(人間ドックなど)において、法令で必要な定期健康診断の項目を充足している場合であっても、法定健診として代用することができない。
- 事業者は、健康診断の結果、運転者に心疾患の前兆となる症状がみられたので、当該運転者に医師の診断を受けさせた。その結果、医師より「直ちに入院治療の必要はないが、より軽度な勤務において経過観察することが必要」との所見が出されたが、繁忙期であったことから、運行管理者の判断で短期間に限り従来と同様の乗務を続けさせた。
- 平成29年中のすべての事業用自動車の乗務員に起因する重大事故報告件数は約2,000件であり、このうち、運転者の健康状態に起因する事故件数は約300件となっている。病名別に見てみると、心筋梗塞等の心臓疾患と脳内出血等の脳疾患が多く発生している。
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この過去問の解説 (3件)
01
①・④が解答となります。
1 .事業者は、運転者が医師の診察を受ける際は、自身が職業運転者で勤務時間が不規則であることを伝え、薬を処方されたときは、服薬のタイミングと運転に支障を及ぼす副作用の有無について確認するよう指導している。
→正しいです。
運転者は勤務時間が一定ではなく、夜間に運転をしたり、
長時間の勤務に当たることも多くあります。
そこで、医師の診察により薬を処方される場合は
「運転手」であることを報告し、
「薬を飲むことによる影響(眠気や副作用の出方)」などについては、
しっかりと説明を受ける必要があります。
お医者様もそれに配慮したお薬を処方してくれるかと思いますので、
出された分量や飲み方についてもしっかり聞いて、
正しく服用するようにしましょう。
2 .事業者は、法令により定められた健康診断を実施することが義務づけられているが、運転者が自ら受けた健康診断(人間ドックなど)において、法令で必要な定期健康診断の項目を充足している場合であっても、法定健診として代用することができない。
→青字部分に誤りがあります。
健康診断については、自社で行うものだけではなく
運転者自身が受けた健診結果でも代用は可能です。
法令で定める定期健診の項目が満たされていることが条件となりますが、
運転者の不規則な勤務体制により「自社での検診が受けられなかった」
「自身が通っている病院で受けたい」等の要望があれば応えることも可能です。
3 .事業者は、健康診断の結果、運転者に心疾患の前兆となる症状がみられたので、当該運転者に医師の診断を受けさせた。その結果、医師より「直ちに入院治療の必要はないが、より軽度な勤務において経過観察することが必要」との所見が出されたが、繁忙期であったことから、運行管理者の判断で短期間に限り従来と同様の乗務を続けさせた。
→青字部分に誤りがあります。
医師による診断結果については、運転者の命にかかわる部分でもあるため、
その所見を踏まえて配置や業務の進め方を判断することが必要となります。
運行管理者は医療に関する専門家ではないため、
医療機関や産業医との連携も重要となります。
4 .平成29年中のすべての事業用自動車の乗務員に起因する重大事故報告件数は約2,000件であり、このうち、運転者の健康状態に起因する事故件数は約300件となっている。病名別に見てみると、心筋梗塞等の心臓疾患と脳内出血等の脳疾患が多く発生している。
→正しいです。
事業用自動車の乗務員による事故は「運転者の健康状態」によるもの
が多くを占めています。
文中にある通り、「心臓疾患」「脳疾患」が多く、これらの要因は
運転者特有の乱れがちな生活リズム、過重労働、睡眠不足等の
生活習慣にあります。
現状「忙しくて病院に行けない」「病院に行くのが面倒くさい」
などという理由からも病気と向き合うことに意識が向かない場合も多いため
健康診断の結果や個人のプライバシーにも配慮した上、
事業者・運行管理者からも病気の重大さや早期治療の推奨を
進めていく事も大切となります。
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02
解説は以下のとおりです。
医師はあなたの生活スタイルに合わせて処方をしてくれます。ですから自分の職業は伝える必要があります。風邪薬などでも運転中に服用できないものがあります。
法令の条件を満たした健康診断は代用できます。
事業者は医師の診断が出たのであればそれに従わなければなりません。運転手が欠けても適正な運営ができるように、余力のある人員配置は必要です。
運転中のストレスや生活習慣病などによる高血圧は特に体調管理を徹底してください。服用薬忘れなどはないようによく確認をしてください。また件数は正しいです。
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03
〇〇の判断で(運行管理者・運転者自身)とある記述は間違っている場合が多いように思います。
正しい。
記述の通りとなります。
誤りです。
運転者が自ら受けた健康診断(人間ドックなど)において、
法令で必要な定期健康診断の項目を充足している場合は法定検診として代用できます。
また、他の健診記録と同様5年間保存されます。
誤りです。
運行管理者の判断で短期間に限り従来と同様の乗務を続けさせた。
この部分が問題です。
心疾患の予兆が出ていることから乗務の可否は医師への相談のもと判断されなければなりません。
正しい。
記述の通りとなります。
運転者の健康状態に起因する事故では心疾患と脳疾患が多く発生しています。
健康診断で心疾患・脳疾患が見つかると運転者本人あるいは運行管理者の判断で
乗務の可否を決めることは出来ません。
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