運行管理者(貨物)の過去問
令和2年度 CBT
実務上の知識及び能力 問25
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問題
令和2年度 CBT 運行管理者試験(貨物) 実務上の知識及び能力 問25 (訂正依頼・報告はこちら)
一般貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導・監督に関する次の記述のうち、【適切なものをすべて】選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
- 時速36キロメートルで走行中の自動車を例に取り、運転者が前車との追突の危険を認知しブレーキ操作を行い、ブレーキが効きはじめるまでに要する空走時間を1秒間とし、ブレーキが効きはじめてから停止するまでに走る制動距離を8メートルとすると、当該自動車の停止距離は約13メートルとなるなど、危険が発生した場合でも安全に止まれるような速度と車間距離を保って運転するよう指導している。
- 運転者は貨物の積載を確実に行い、積載物の転落防止や、転落させたときに危険を防止するために必要な措置をとることが遵守事項として法令で定められている。出発前に、スペアタイヤや車両に備えられている工具箱等も含め、車両に積載されているものが転落のおそれがないことを確認しなければならないことを指導している。
- 運転者の目は、車の速度が速いほど、周辺の景色が視界から消え、物の形を正確に捉えることができなくなるため、周辺の危険要因の発見が遅れ、事故につながるおそれが高まることを理解させるよう指導している。
- 飲酒により体内に摂取されたアルコールを処理するために必要な時間の目安については、例えばビール500ミリリットル(アルコール5%)の場合、概ね4時間とされている。事業者は、これを参考に個人差も考慮して、体質的にお酒に弱い運転者のみを対象として、飲酒が運転に及ぼす影響等について指導を行っている。
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この過去問の解説 (3件)
01
②・③が解答となります。
1 .時速36キロメートルで走行中の自動車を例に取り、運転者が前車との追突の危険を認知しブレーキ操作を行い、ブレーキが効きはじめるまでに要する空走時間を1秒間とし、ブレーキが効きはじめてから停止するまでに走る制動距離を8メートルとすると、当該自動車の停止距離は約13メートルとなるなど、危険が発生した場合でも安全に止まれるような速度と車間距離を保って運転するよう指導している。
→青字部分に誤りがあります。
【停止距離】 = 空走距離 + 制動距離 となります。
・空走距離の求め方
時速は1時間に進む距離(km)なので、秒・メートルに置き換えて
1秒間に進む距離(m)を算出します。
時速36km÷3600(1時間を秒に換算)×1000(メートルに換算)
=10m(1秒間に進む空走距離)
・制動距離 = 8メートル
→問題文より
正しい停止距離は
10m + 8m = 18m となります。
2 .運転者は貨物の積載を確実に行い、積載物の転落防止や、転落させたときに危険を防止するために必要な措置をとることが遵守事項として法令で定められている。出発前に、スペアタイヤや車両に備えられている工具箱等も含め、車両に積載されているものが転落のおそれがないことを確認しなければならないことを指導している。
→正しいです。
運送事業として運ぶ荷物は「お客様の大切なお荷物」という事もありますが、
積載物が道路上に飛散したり、固縛が甘いことで走行中に
荷崩れするようなことがあれば、歩行者、一般運転者に被害が及ぶ
重大な事故に繋がる危険性もあります。
固縛方法や転落防止のための措置は、荷物や設備により方法も様々ですので、
適切な方法により確実な防止策が必要となります。
3 .運転者の目は、車の速度が速いほど、周辺の景色が視界から消え、物の形を正確に捉えることができなくなるため、周辺の危険要因の発見が遅れ、事故につながるおそれが高まることを理解させるよう指導している。
→正しいです。
人間は止まっているものを見る力「静止視力」より
動いているものを見る力「動体視力」が低くなります。
高速道路など速く走ることが想定されている所では、
それだけ周りの状況を捉えることが難しくなりますので、それを踏まえて
適正な車間距離であったり、体の疲れを感じた際の休憩が大切になります。
4 .飲酒により体内に摂取されたアルコールを処理するために必要な時間の目安については、例えばビール500ミリリットル(アルコール5%)の場合、概ね4時間とされている。事業者は、これを参考に個人差も考慮して、体質的にお酒に弱い運転者のみを対象として、飲酒が運転に及ぼす影響等について指導を行っている。
→青字部分に誤りがあります。
アルコールの耐性については、個人差もありますが文中の通り
ビール500ml缶で概ね4時間とされています。
アルコール自体を禁止することはなくても、飲み方やアルコールの
処理時間についてはどの運転手にも周知し、
飲み方について徹底させることが必要となります。
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02
解説は以下のとおりです。
時速36km=秒速10m(36000m/1hr(60min*60sec)=10m/sec)です。1秒の空走で10m+停止まで8m。合計で18mです。脇見運転の危険性を感じていただけると助かります。
ウィング車であれば転落の危険性は少ないですが、平ボデーは荷積荷降の時に注意をしないと転落の危険性があります。工具箱などは開かないようになっているか確認しましょう。
運転判断は90%は目からの情報です。高速道路を走っている時に5メートル先の道路を見ていますか。あまり見ないでしょう。
アルコール1単位とは居酒屋で頼む1杯とほぼ同じです。純アルコール量は約25mlになります。
アルコール度数と量を掛け算すれば算出できます。個人差は存在するものの強い人でも4時間は空けるべきです。弱い人はさらに長い時間がかかるかもしれません。
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03
この問題のポイントは
時速36キロメートルは秒速10メートルだということです。
誤りです。
時速36キロメートルは1時間に36,000メートルです。
1時間は3,600秒ですから1秒間に進む距離は10メートルとなります。
記述では空走時間が1秒間とありますのでその間10メートル進みます。
そして制動距離が8メートルですから計18メートルが停止距離となります。
正しい。
記述の通りです。
走行中にスペアタイヤ等落下させますと重大事故になりかねません。
毎回運行前の点検が必要となります。
正しい。
記述の通りとなります。
誤りです。
飲酒が運転に及ぼす影響等について指導はすべての運転者を対象として行わなければなりません。
アルコールを処理する時間はビール500ミリリットルで概ね4時間です。
類似した問題として処理する時間を2時間と記述されている場合もあります。
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