運行管理者(貨物) 過去問
令和5年度 CBT
問43 (実務上の知識及び能力 問11)

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問題

運行管理者(貨物)試験 令和5年度 CBT 問43(実務上の知識及び能力 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

運行管理者が運転者に対し実施する危険予知訓練に関し、下図の交通場面の状況において考えられる<運転者が予知すべき危険要因>とそれに対応する<運行管理者による指導事項>として、最もふさわしいものを後の選択肢の組み合わせの中から3つ選びなさい。なお、解答にあたっては、交通場面の状況等に記載されている事項及び下図の状況以外は考慮しないものとする。

【交通場面の状況等】
・雨が降り始めた片側1車線の道路を走行している。
・対向自動二輪車が右折の合図を出している。
・歩行者と自転車が前方に見えている。

<運転者が予知すべき危険要因>
①右折の合図を出している自動二輪車が右折をしてくると衝突する危険がある。
②左折する時に自転車に気づくのが遅れると衝突する危険がある。
③道路の左側にいる歩行者が、雨が降り始めたので早く行こうと道路を横断してくるとはねる危険がある。
④急停止すると後続車に追突される危険がある。
⑤雨が降り始めたので、道路右側にいる自転車があわてて道路を横断してくると衝突する危険がある。

<運行管理者による指導事項>
ア 雨天時は、視界が悪くなり見にくくなるため、ヘッドライトを点灯させること。
イ 雨の降り始めは路面が滑りやすく停止距離が長くなるため、速度を落とし、対向車線の他車の動向に注意して走行すること。
ウ 雨の降り始めは傘を持たない歩行者が、早く行こうとして安全を確認しないまま道路を横断してくることがあるので、いつでも停止できる速度に落として進行すること。
エ 歩行者の動きに気をとられることで、自転車を見落とすおそれがあるので、左右の動向に注意して進行すること。
オ 雨が降り始めたら速度を落とし、先行車と十分に車間距離をとって進行すること。

問題文の画像
  • ① ― イ
  • ② ― ウ
  • ③ ― オ
  • ④ ― エ
  • ⑤ ― ア
  • ③ ― ウ
  • ④ ― ア
  • ⑤ ― エ

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この過去問の解説 (2件)

01

下図の状況で運転者が予知すべき危険要因と、それに対して運行管理者が示すべき指導事項が合うものは、次の3組です。

① 右折しようとする対向二輪車の危険 ― イ 速度を落とし対向車線の動きに注意

③ 雨で歩行者が急に横断する危険 ― ウ いつでも止まれる速度に落とす

⑤ 雨で右側の自転車が急に横断する危険 ― エ 歩行者に気を取られず左右の動きにも注意

 

 


 

 

 

 

 

選択肢1. ① ― イ

危険要因① 対向の二輪車が右折してくると衝突するおそれ。

指導事項イ 雨の降り始めは滑りやすく停止距離も伸びる。速度を控え、対向車線の動き(=右折車)に注意する。
 → 二輪車の右折に備える具体策として一致します。

選択肢2. ② ― ウ

ウは歩行者対応の指導であり、自転車の見落としについては触れていません。

選択肢3. ③ ― オ

オは車間距離の確保で歩行者横断への備えではありません。

選択肢4. ④ ― エ

危険要因と助言内容が噛み合わず、直接的な対策になっていません。

選択肢5. ⑤ ― ア

危険要因と助言内容が噛み合わず、直接的な対策になっていません。

選択肢6. ③ ― ウ

危険要因③ 雨で歩行者が急いで横断し、はねる危険。

指導事項ウ 傘を持たない歩行者が急に渡ることがあるので、いつでも停止できる速度に落とす。
 → 歩行者の飛び出しリスクと減速指導が対応しています。

選択肢7. ④ ― ア

危険要因と助言内容が噛み合わず、直接的な対策になっていません。

選択肢8. ⑤ ― エ

危険要因⑤ 右側の自転車が雨であわてて横断し衝突する危険。

指導事項エ 歩行者に気を取られ自転車を見落とさないよう、左右の動向を注視。
 → 自転車の横断リスクと視野の確保を促す指導が合致します。

 

まとめ

雨の降り始めは滑りやすさと視界不良が重なり、歩行者・自転車・対向車の急な動きが事故につながりやすくなります。
運行管理者は 減速・視野確保・対向車の動きへの注意 という具体的な行動を指示し、運転者がそれぞれの危険要因に備えられるよう訓練することが大切です。

 

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02

正しい組み合わせは、以下の3つです。

①:対向車線で右折しようとしている二輪車との衝突 

イ: 速度を落とし対向車線の他車の動きに注意して走行

 

③:道路左側の歩行者の急な横断 

ウ:雨の降り始めで急いで横断しようとする歩行者に対していつでも停止できる速度で走行

 

⑤:道路右側の自転車の急な横

エ:歩行者に気を取られず左右の動向に中止して進行

 

≪解答を選ぶポイント≫

このパターンの問題は、<運転者が予知すべき危険要因>はどれも正しいことがほとんどです。また、<運行管理者による指導事項>についても、間違った内容はまず書かれていません。つまり指導する内容としては正しい内容で書かれてあることがほとんどであるということです。では、どのように問題を解くか。

まず大切なのは、【交通場面の状況等】に書かれてある内容を読み取ることです。本問で考えるとポイントは以下の3つになります。

①雨 ➁対向車 ③歩行者と自転車

この状況に合う指導内容の正しい組み合わせを選択できるかどうかが、本問を正答するポイントです。

選択肢1. ① ― イ

正しい内容です。

 

①は、「対向車線で右折しようとしている二輪車との衝突」について書かれてあります。この内容に合う指導事項について、

ア:ヘッドライトを点灯させる

イ:速度を落とし対向車線の他車の動きに注意して走行

のどちらかが該当すると考えられます。

ヘッドライトの点灯で、対向車に自車の存在に気付かせることで、右折を抑止させようと考えることもできるためです。しかし、これでは、右折するかどうかを対向車にゆだねてしまうため、万が一本当に右折してきた場合、自車はしっかり止まれるかどうか分かりません。そこで、対向車が右折してきてもしなくても、より安全にこの状況を回避できるのは、イになります。また、この考えだと、3と5の歩行者、自転車についても同じことが言えます。つまり、アはダミーの選択肢であるということが分かります。そこで、選択肢5もこの段階で省くことができます。

 

選択肢2. ② ― ウ

誤った内容です。

 

②:左折する時に自転車に気づくのが遅れると衝突する危険がある。

ウ:雨の降り始めは傘を持たない歩行者が、早く行こうとして安全を確認しないまま道路を横断してくることがあるので、いつでも停止できる速度に落として進行すること。

 

 

➁は確かにコンビニの奥の左側に道が見えますので、左折しようとすると右側の自転車に気付きにくく、衝突する可能性もあります。しかし、本問では、自車の左折については一切触れられていませんので、➁の状況はそもそもないということです。

また、上記➁とウの内容も合致していません。

選択肢3. ③ ― オ

誤った内容です。

 

③:道路の左側にいる歩行者が、雨が降り始めたので早く行こうと道路を横断してくるとはねる危険がある。

オ:雨が降り始めたら速度を落とし、先行車と十分に車間距離をとって進行すること。

 

オについては、先行車がいる状況ではありません。また、上記内容は合致していません。

 

選択肢4. ④ ― エ

誤った内容です。

 

④:急停止すると後続車に追突される危険がある。

エ:歩行者の動きに気をとられることで、自転車を見落とすおそれがあるので、左右の動向に注意して進行すること。

 

上記④とエの内容は合致していません。

選択肢5. ⑤ ― ア

誤った内容です。

 

⑤:雨が降り始めたので、道路右側にいる自転車があわてて道路を横断してくると衝突する危険がある。
ア:雨天時は、視界が悪くなり見にくくなるため、ヘッドライトを点灯させること。

 

選択から省かれる内容です。

選択肢6. ③ ― ウ

正しい内容です。

 

③:道路の左側にいる歩行者が、雨が降り始めたので早く行こうと道路を横断してくるとはねる危険がある。

ウ:雨の降り始めは傘を持たない歩行者が、早く行こうとして安全を確認しないまま道路を横断してくることがあるので、いつでも停止できる速度に落として進行すること。

 

上記③とウの内容は合致しています。

選択肢7. ④ ― ア

誤った内容です。

 

④:急停止すると後続車に追突される危険がある。

ア:雨天時は、視界が悪くなり見にくくなるため、ヘッドライトを点灯させること。

 

上記内容は合致していません。

 

 

選択肢8. ⑤ ― エ

正しい内容です。

 

⑤:雨が降り始めたので、道路右側にいる自転車があわてて道路を横断してくると衝突する危険がある。

エ:歩行者の動きに気をとられることで、自転車を見落とすおそれがあるので、左右の動向に注意して進行すること。

 

左側の歩行者、右側の自転車、ドライバーは左右どちらも気にかけながら進行することが安全運転には欠かせないという、出題者からのメッセージです。

まとめ

本問は、一見すると情報量が多くどこから手をつけてよいか混乱してしまいますが、まず交通場面の状況等をしっかりと確認し、選択肢の組み合わせの内容を一つずつ順番に見ていけば正答にたどりつけるはずです。本問を解くのはおそらく試験後半の時間帯ですが、焦る気持ちを抑え、平常心で本問に臨めるといいですね。

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