管理栄養士の過去問
第28回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問23

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問題

第28回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問23 (訂正依頼・報告はこちら)

生体エネルギーと生体酸化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ達べ。
  • 電子伝達系の電子受容体は、水素分子である。
  • 脱共役たんぱく質(UCP)は、ATP合成を促進する。
  • グルタチオンは、活性酸素の産生に関与する。
  • ATPの産生は、同化の過程で起こる。
  • ATPは、高エネルギーリン酸化合物である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 5 です。

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち/生体エネルギーと代謝からの出題です。

1.電子伝達系で電子受容体となるのは、酸素分子です。最終過程で電子が酸素分子に渡されて水になります。

2.脱共役たんぱく質(UCP)は、ATP合成を抑制します。脱共役たんぱく質はミトコンドリア内膜上に存在していて、電子伝達系のエネルギーを脱共役します。このとき熱エネルギーに変換するので、ATP合成の抑制につながります。

3.グルタチオンは抗酸化作用を持つので、活性酸素の分解に関与します。

4.ATPは異化の過程で起こります。ATPの産生は高分子を分解する過程で起こります。

5.記載の通りです。ATPはアデノシンにリン酸が3個結合した、高エネルギーリン酸化合物です。

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02

正解は 5 です。

1 電子伝達系の電子受容体は酸素分子です。
電子伝達系においては、NADHとFADH2の電子が電子伝達物質を移動し、最終的に酸素に渡されます。

2 脱共役タンパク質(UCP)は、電子伝達系によって膜間腔にたまったH+を内膜に戻すために使われるたんぱく質です。この際に生じたエネルギーは熱に変換されて放出されるため、ATPは合成されません。
H+を内膜に戻すためには、ATP合成酵素を要する経路もあり、こちらの経路を通った場合はATPが合成されます。

3 グルタチオンは活性酸素の除去に関する生理活性物質です。

4 「同化」とはエネルギーを用いて新たな物質を作り出すことで、「異化」とは分解を行いエネルギーを作り出すことです。

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03

正解は 5 です。

1、2:電子伝達系では、酸化的リン酸化反応(クエン酸回路で生じたNADH+H+とFADH2の水素の酸化)によって生じたエネルギーで、プロトン(陽子)がミトコンドリアのマトリックスからくみ出されます。このプロトンが内膜のATP合成酵素の内部を通り、マトリックスに戻る際のエネルギーを利用してATPが合成されます。脱共役たんぱく質は、プロトンをマトリックスに戻しますが、ATP産生には働かず、その際のエネルギーで熱が発生します。

3:グルタチオンは、抗酸化物質です。

4:「異化」とは分解のことで、「同化」とは生合成のことです。栄養源を分解することで、ATPは産生されます。

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