管理栄養士の過去問
第28回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問24

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第28回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問24 (訂正依頼・報告はこちら)

酵素に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • アイソザイムは、同じ一次構造をもつ。
  • 酵素活性の調節機構として、酵素たんぱく質のリン酸化がある。
  • アロステリック部位は、酵素の基質結合部位である。
  • 基質との親和性が低いと、ミカエリス定数(Km)は小さい。
  • アポ酵素は、単独で酵素活性をもつ。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は 2 です。

1:アイソザイムとは、酵素としての働きが同じでありながら、化学的構造が異なる酵素の総称です。

2、3:酵素活性は、アロステリック効果(酵素蛋白の活性中心以外の場所に、基質以外の物質が結合し、酵素活性を変化させる現象のこと。酵素たんぱく質のリン酸化もこれにあたります)、フィードバック制御(その代謝経路の最終産物により、酵素活性が阻害されること)、他のホルモンによる影響(例:血糖値の調節)により、調節されています。

4:ミカエリス定数とは、酵素反応の最大速度の1/2の速度を与える基質濃度のことなので、基質の親和性が低ければ、ミカエリス定数は大きくなります。

5:アポ酵素は酵素活性をもちません。補酵素や金属原子などの結合することにより、酵素活性を持つようになります(これをホロ酵素といいます)。

参考になった数61

02

正解は 2 です。

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち/生体エネルギーと代謝からの出題です。

1.アイソザイムとは、同一の個体内で同じ基質特異性をもち、同じ化学反応を触媒するけれどたんぱく質の構造が異なるものをいいます。

2.記載の通りです。酵素活性の調節には非共有結合によって活性を変化させるアロステリック酵素と、共有結合によって調節するものとがあります。共有結合によるものの代表的なものに、セリン・スレオニン・チロシンの残基の水酸基へのリン酸基の付加あるいは除去があります。

3.酵素の基質結合部位を活性中心といいます。基質結合部位以外がアロステリック部位です。

4.ミカエリス定数が小さくなるのは、基質との親和性が高いときです。ミカエリス定数とは、最大反応速度の半分を与える基質濃度のことです。

5.アポ酵素は単独では活性を示さず、補欠分子族と結合して活性を示します。

参考になった数19

03

正解は 2 です。

1 アイソザイムとは、異なる化学構造をもち、同じ反応を触媒する酵素のことを言います。

3 アロステリック部位とは、酵素の一部分でありここに調節因子が結合することによって、基質から生成物を作る反応を促進したり、抑制したりします。

4 酵素反応は基質を加えていくほどその反応速度は速くなり、最終的には最大速度に達します。その最大速度の1/2の速度のときの基質濃度をミカエリス定数といいます。これは、各酵素特有の数値を示し、基質との親和性を示す指標となります。

ミカエリス定数が大きい酵素ほど、反応速度を最大にするために沢山の基質が必要であるため、親和性が低いといえます。

5 アポ酵素は単独では不活性です。活性化するためには補酵素や補欠分子族が必要です。

参考になった数11