管理栄養士の過去問
第28回
食べ物と健康 問54

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問題

第28回 管理栄養士国家試験 食べ物と健康 問54 (訂正依頼・報告はこちら)

でんぷんの老化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 高温下で糊化でんぷんを急速に乾燥すると、老化が起こりにくい。
  • 最も老化が起こりやすい水分含量は、10~20%の範囲である。
  • アミロペクチンは、アミロースに比べて老化が起こりやすい。
  • 2℃~5℃の範囲では、老化が起こりにくい。
  • モノアシルグリセロールが共存すると、老化が起こりやすい。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 1 です。

食べ物と健康/食品の機能からの出題です。

1.記載の通りです。この性質を利用しているのがα化米や即席めんです。

2.老化が起こりやすいのは、水分含有量が30~60%くらいの状態で、水分が15%以下程度の乾燥状態になると老化は起こりにくくなります。

3.アミロペクチンはアミロースより保水性が高いので、アミロースの方が老化しやすいです。

4.老化が起こりやすいのは低温環境なので、2~5℃では老化しやすいといえます。

5.モノアシルグリセロールは乳化剤として働くので、老化を起こりにくくします。

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02

正解は 1 です。

1、 文章どおりです。
糊化でんぷんとは、生でんぷんに水を加えて加熱し、糊状となったでんぷんのことです。糊化でんぷんを急速に乾燥させると老化が起こりにくくなります。この性質を利用した食品に、α化米や即席めんがあります。

2、 老化が起こりやすい水分含量は30~60%です。水分含量10~20%の範囲ではでんぷんは乾燥状態にあり、ほとんど老化は起こりません。

3、 でんぷんには、ぶどう糖が分岐状に繋がったアミロペクチンと、直鎖状に繋がったアミロースの2種類があります。アミロペクチンは、アミロースに比べて保水性が高いため、老化が起こりにくいです。もち米のでんぷんは、すべてアミロペクチンからなっており、アミロースを含むうるち米に比べ老化しにくいです。

4、 でんぷんは、0~5℃の低温で老化が進みやすくなります。

5、 モノアシルグリセロールとは、グリセリン脂肪酸エステルの一種で、食品添加物(乳化剤)として働きます。アミロースとらせん複合体を形成して老化を抑制し、パンやケーキの老化防止に使われます。

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03

正解は 1 です。

2、4 もっとも老化が起こりやすい水分量は30~60%で、温度は0~5度です。

3 アミロペクチンの方が老化は起きにくい構造をしています。
でんぷんには直鎖状のアミロースと、分岐状構造をもつアミロペクチンがあります。後者の方が、構造が複雑なため、水分が抜けにくく老化が起こりづらい状態です。

5 モノアシルグリセロールは乳化剤としてはたらき、アミロースの老化を防止します。

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