管理栄養士の過去問
第27回
社会・環境と健康 問3
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問題
第27回 管理栄養士国家試験 社会・環境と健康 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
公害の発生地域と原因物質の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 四日市市臨海地域 ---- アスベスト
- 阿賀野川下流地域 ---- ヒ素
- 水俣湾沿岸地域 ------ メチル水銀
- 神通川下流地域 ------ 銅
- 宮崎県土呂久地区 ---- カドミウム
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この過去問の解説 (5件)
01
四日市喘息と呼ばれています。
三重県四日市市付近では高度経済成長期に四日市コンビナートと呼ばれる石油化学工業地帯が発達し、工場の排煙に含まれる亜硫酸ガスによる大気汚染が原因で喘息患者が急増しました。
2.メチル水銀(有機水銀)が正解。
第二水俣病(新潟水俣病)と呼ばれています。
新潟県阿賀野川流域で、化学工業会社の排水に含まれていたメチル水銀が原因となり発生しました。患者には熊本県水俣湾沿岸で起こった水俣病と同様の症状が現れました。
3.正解。
水俣病と呼ばれています。
熊本県水俣湾に化学工場の排水としてメチル水銀(有機水銀)が流出し、汚染された水域で漁獲された魚介類を摂取した人には中枢神経の働きを阻害した様々な症状(ふるえ、言語障害、運動失調など様々)が現れました。
4.カドミウムが正解。
イタイイタイ病と呼ばれています。
富山県を流れる神通川流域では、岐阜県にあった金属鉱業工場の排水に含まれるカドミウムによって周辺住民にカドミウム中毒の症状が現れました。
慢性カドミウム中毒が腎臓障害を引き起こし、それが原因となって骨軟化症となるため腰、ひざ、ひじなどに痛みを訴えることが「イタイイタイ病」の語源となっています。
特にカルシウムの不足しがちな授乳期、更年期以降の女性に多く現れたそうです。
5.ヒ素が正解。
土呂久ヒ素公害と呼ばれています。
宮崎県の土呂久地区にあった鉱山で、亜ヒ酸を製造する過程で重金属の粉じんや亜硫酸ガスが飛散し、周辺住民には慢性ヒ素中毒の症状があることが明らかになりました。
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02
公害事件名:水俣病(四大公害病の一つ)
工場排水が熊本県水俣湾に流入した結果、メチル水銀が魚介類に蓄積し、その魚介類を多く摂食した漁民が被害に遭いました。
中毒症状の一つとして、ハンター・ラッセル症候群と呼ばれる中枢神経障害があり、知覚障害、運動失調、視野狭窄、言語障害、聴力障害などがその代表的な症状です。
妊娠中の摂取により、胎児性水俣病の発生もみられたのが特徴です。
1953年に原因不明の患者が発生してから、1968年に厚生省(現厚生労働省)が原因を認めるまでに15年の歳月を費やし、その間に多数の患者、死者がみられています。
以下、正しい組み合わせとその詳細です。
1.四日市市臨海地域―亜硫酸ガス、亜硫酸ミスト、炭化水素、硫化水素等
公害事件名:四日市ぜんそく(四大公害病の一つ)
1960年頃から発生した、石油燃焼による大気汚染が原因の集団ぜんそく障害です。
三重県四日市市の石油化学コンビナートの排ガスにより大気が汚染され、多くの人が慢性気管支炎、気管支ぜんそく、呼吸器疾患などを引き起こしました。
2.阿賀野川下流地域―メチル水銀
公害事件名:第二水俣病(新潟水俣病)(四大公害病の一つ)
新潟県阿賀野川下流域で1964年~1969年にみられた公害事件です。
工業排水中のメチル水銀が原因で、水俣病と同種の症状を引き起こしました。
頭髪水銀値の高い女性に妊娠規制の指導が行われたため、胎児性水俣病の発生は1例のみでした。
4.神通川下流地域―カドミウム
公害事件名:イタイイタイ病(四大公害病の一つ)
鉱山からの排水中に含まれていた、カドミウムの経口摂取による慢性中毒です。
第二次世界大戦後から1956~1957年頃に多くの患者が発生しました。
主に亜鉛や鉛を産出する神岡鉱山からの排水が富山県の神通川に流出し、その川の水を飲用水、農業、漁業に利用していた下流域の住民(特に女性)に発症しました。
まず腎臓を障害し、次いで骨軟化症をきたし、全身の様々な部分に痛みを生じさせました。
症状が重くなると骨折を繰り返すようになるのが特徴です。
5.宮崎県土呂久地区―ヒ素
宮崎県土呂久地区の鉱山から放出されたヒ素が原因の慢性ヒ素中毒症です。
土呂久鉱山での亜ヒ酸(ヒ素)生成により煙害や水質汚染が起き、1973年に国が第4の公害病に指定しました。
皮膚の色素異常、呼吸器系・泌尿器系疾患等が主な症状です。
※四大公害病
水俣病、第二水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく
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03
1 . ×
四日市市臨海地域 ---- 硫黄酸化物
四日市ぜんそく:高度経済成長期に、三重県四日市市の石油コンビナートからの大気汚染物質(硫黄酸化物)が原因で発症した、咳や痰、閉塞性肺疾患などのことです。
アスベスト(石綿)の繊維は、肺線維症、悪性中皮腫の原因になると言われ、肺がんを起こす可能性があることが知られています。
2 . ×
阿賀野川下流地域 ---- メチル水銀
第2水俣病(新潟水俣病):1960年代に、新潟県阿賀野川下流域で生物濃縮を経てメチル水銀が蓄積
した魚介類の長期間、多量の摂取が原因で中枢神経系疾患のことです。
ヒ素は、少量でも経気道・経口的に長期間曝露されることで、皮膚障害、粘膜障害、末梢神経障害などの慢性ヒ素中毒を引き起こします。公害健康被害補償法により指定疾病とされ、宮崎県土呂久鉱山周辺と島根県笹ヶ谷鉱山周辺の認定患者は治療費等の補償がされています。
3 . ○
水俣湾沿岸地域 ------ メチル水銀
水俣病:1950年代に、熊本県水俣湾周辺で生物濃縮を経てメチル水銀が蓄積した魚介類の長期間、多量の摂取が原因で中枢神経系疾患のことです。
4 . ×
神通川下流地域 ------ カドミウム
イタイイタイ病:富山県神通川流域でカドミウムを含んだ排水をそのまま流していたために水質と土壌が汚染され、農作物や飲料水を通じてカドミウムを長期間摂取したことにより引き起こされた腎障害と骨軟化症を主症状とする慢性カドミウム中毒のことです。
5 . ×
宮崎県土呂久地区 ---- ヒ素
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04
昭和28年ごろ、熊本県水俣湾周辺の化学工場から流れ出たメチル水銀(有機水銀)により、水俣湾に生息する魚介類が汚染され、生物濃縮により高濃度のメチル水銀を蓄積した魚介類を人が捕食することにより、水俣病が発症しました。脳や神経が侵されるため、言語障害や機能障害などがみられます。
1.四日市市臨海地域ー◎硫黄酸化物(亜硫酸ガス)
昭和30年代、三重県四日市市の石油化学コンビナートが本格稼動したことにより大量の大気汚染物質(硫黄酸化物)が排出され、近隣住民が咳や痰、喘息などの閉塞性肺疾患などを訴えました。
アスベスト(石綿)は、中皮腫を引き起こす原因物質で建物の断熱材や絶縁材として使われていました。
2.阿賀野川下流地域ー◎メチル水銀
昭和40年ごろ、新潟県阿賀野川下流で起こった水俣病のことで、第二水俣病と呼ばれています。四大公害の中で発生は一番遅かったが、最も早く提起されました。
4.神通川下流地域ー◎カドミウム
昭和44年ごろ、富山県に流れる神通川周辺の亜鉛鉱山から流れ出たカドミウムが含まれる水を、飲用水や農業用水として使用していた近隣住民に発症しました。カドミウムが体内に蓄積すると腎臓障害が起こり、それにより骨軟化症を発症し、転んだり、咳をするだけで骨が折れてしまうといった、いわゆるイタイイタイ病の原因となりました。閉経後の更年期の女性が特に発症しやすくなります。
銅の過剰症として、嘔吐や下痢の他、腎臓、肝臓、脳にも重大な障害をもたらす危険があります。
5.宮崎県土呂久地区ー◎ヒ素
昭和初期ごろから、硫砒鉄鋼を焼いて猛毒の亜ヒ酸を製造する鉱山が操業し、それにより大気、水、土壌がヒ素によって汚染されました。竹林が枯れたり、家畜などが死んでいき、労働者や近隣住民も皮膚が黒くなる、激しい咳をする、肝臓が腫れるなどの症状に苦しみました。慢性ヒ素中毒症として公害病に指定され、土呂久ヒ素公害とも呼ばれています。
※四大公害病⇒四日市ぜんそく、イタイイタイ病、水俣病、第二水俣病
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05
社会・環境と健康/環境と健康からの出題です。
1.四日市市臨海地域の公害では、大気汚染が原因となりました。
2.阿賀野川下流地域の公害では、メチル水銀が原因となり、新潟水俣病が起こりました。
3.正しい組み合わせです。
4.神通川下流地域ではカドミウムが原因のイタイイタイ病が起こりました。
5.宮崎県土呂久地区では、ヒ素が原因の慢性ヒ素中毒が起こりました。
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