管理栄養士の過去問
第27回
社会・環境と健康 問11
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問題
第27回 管理栄養士国家試験 社会・環境と健康 問11 (訂正依頼・報告はこちら)
悪性新生物とその発生要因となる微生物の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 膀胱がん ------- EBウイルス
- 肝細胞がん ----- ヘリコバクター・ピロリ
- 子宮頚がん ----- ヒトパピローマウイルス(HPV)
- 胃がん --------- トキソプラズマ
- 胆管がん ------- C型肝炎ウイルス
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この過去問の解説 (3件)
01
1.膀胱がんー◎喫煙
現在の膀胱発がんの最大原因として喫煙があげられます。
EB(エプスタイン・バー)ウイルスは、伝染性単核球症などのさまざまな病気を引き起こします。
2.肝細胞がんー◎B型,C型肝炎ウイルス
B型では10%、C型では70%の割合で慢性肝炎になり、炎症が続くことで肝硬変や肝がんになりやすくなります。
4.胃がんー◎ヘリコバクター・ピロリ
ピロリ菌とも呼ばれ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因ともされています。
トキソプラズマは寄生虫の一種で、加熱不十分な食肉の経口摂取等により感染します。妊娠中の感染により胎児の脳への影響が見られます。
5.胆管がんー◎胆結石など
胆結石がある患者は、無い方に比べて、6~15倍程度の発がん率があるとされています。
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02
社会・環境と健康/主要疾患の疫学と予防対策からの出題です。
1.膀胱がんの原因物質では、βナフチルアミンやベンチジンが知られています。
2.肝細胞がんと関連づけられているのは、B型・C型の肝炎ウイルスです。
3.正しい組み合わせです。
4.胃がんではヘリコバクター・ピロリとの関係が知られています。
5.胆管がんでは、ジクロロプロパン/メタンが近年問題となっています。
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03
子宮頸がんの発生には、その多くにヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関連しています。
HPVは、性交渉で感染することが知られているウイルスです。
HPV感染そのものは稀ではなく、感染しても症状のないうちにHPVが排除されることが多いですが、
長期感染するとがんが発生すると考えられています。
以下、正しい発生要因の組み合わせとその詳細です。
1.膀胱がんー喫煙
喫煙は最も大きな膀胱がんのリスク要因です。
喫煙者は非喫煙者に比較して2~4倍、膀胱がんの発症リスクを高めるとされています。
なお、EBウイルスは唾液を介して特定の細胞に感染するウイルスです。
ウイルスが体内で慢性的に増殖することにより、高熱や発疹、最終的には悪性リンパ腫をはじめとした様々な合併症を引き起こします。
2.肝細胞がんー肝炎ウイルス(B型、C型)
日本では、B型・C型肝炎ウイルス感染が原因で生じる肝細胞がんが90%を占めています。
その他、アルコール性肝障害や非アルコール性脂肪性肝炎が原因となる肝細胞がんもあります。
4.胃がんーヘリコバクター・ピロリ
ヘリコバクター・ピロリ菌の持続感染が胃がん発生のリスクを高めると考えられています。
特に中高年での感染率が高いです。
その他、喫煙や食生活などの生活習慣も胃がんの原因となります。
なお、トキソプラズマは寄生性原生生物で、人獣共通感染症のトキソプラズマ症を引き起こします。
妊娠中の感染により、胎児の脳への影響が見られます。
5.胆管がんー(発生要因不特定)
胆管がんは胆道がんの一種です。
胆石症、胆管炎、先天性膵胆管合流異常症などの胆道疾患や、潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患は、胆道がんのリスクになるといわれています。
また、女性であること、肥満、高カロリー摂取、野菜果物の低摂取、出産回数が多いこと、などがリスクの候補と考えられています。
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