管理栄養士の過去問
第27回
社会・環境と健康 問20
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問題
第27回 管理栄養士国家試験 社会・環境と健康 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
国際保健に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
- プライマリ・ヘルス・ケアの考え方は、オタワ憲章で提唱された。
- 資金の貸し付けは、政府開発援助(ODA)に含まれる。
- わが国は、WHOのたばこ規制枠組条約を批准している。
- 国際協力機構(JICA)は、政府ベースの技術協力を担っている。
- 乳幼児死亡率の削減は、国連のミレニアム開発目標(MDGs)に含まれる。
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この過去問の解説 (3件)
01
誤っているのは、
【プライマリ・ヘルス・ケアの考え方は、オタワ憲章で提唱された。】です。
プライマリ・ヘルス・ケアは、1978年にWHOとUNICEFの共同国際会議における「アルマ・アタ宣言」で具体的に示されました。「2000年までに世界のすべての人に健康を」という基本戦略のもと、プライマリ・ヘルス・ケアの理念が打ち出されました。
ちなみに「オタワ憲章」は、1986年にWHOにより提唱されたもので、人々が自分の健康を自分でコントロールし、改善できるようにするプロセス、所謂ヘルスプロモーションを公共政策として実施しました。
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02
社会・環境と健康/保健・医療・福祉の制度からの出題です。
プライマリ・ヘルス・ケアの考え方が提唱されたのはアルマアタ宣言ですので、誤っている記載となります。
政府開発援助には2国間協力と国際連合などの多国間協力があります。
2004年にたばこ規制枠組条約を批准し、2005年に発効しました。
国際協力機構は2国間協力で、政府間の協力です。
ミレニアム開発目標では、乳幼児死亡率の削減のほか、妊産婦の健康改善、エイズやマラリアなどの蔓延防止も掲げています。
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03
正解は【プライマリ・ヘルス・ケアの考え方は、オタワ憲章で提唱された。】です。
以下、詳細の説明です。
プライマリ・ヘルス・ケアの概念は、1978年に採択されたアルマアタ宣言で提唱されました。
これは、
「自助と自決の精神にのっとり、地域社会または国が、開発の程度に応じて負担可能な範囲内で、地域社会の個人または家庭の十分な参加によって、実用的、科学的かつ社会的に受け入れられる手段と技術に基づいた欠くことのできない保健サービスである」
と定義されています。
なお、1986年のオタワ憲章で提唱されたのはヘルスプロモーションです。
これは、
「人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにするプロセスである」
と定義されています。
資金の貸し付けは、政府開発援助(ODA)に含まれます。
ODAとは、政府または政府の実施機関が平和構築やガバナンス、基本的人権の推進、人道支援等を含む開発途上国の「開発」のため、開発途上国または国際機関に対し、資金(贈与・貸付等)・技術提供を行うことを指します。
わが国は、WHOのたばこ規制枠組条約を批准しています。
たばこ規制枠組条約とは、喫煙および受動喫煙による健康障害の防止のために、各国内での対策の推進と、国際間のたばこの移動の管理・規制や技術的協力に関するWHOによる取り決めです。
国際協力機構(JICA)は、政府ベースの技術協力を担っています。
JICAは日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、開発途上国への技術協力をはじめ、資金協力、調査・研究等を行っています。
乳幼児死亡率の削減は、国連のミレニアム開発目標(MDGs)に含まれています。
国連のミレニアム開発目標(MDGs)は21世紀の国際社会の目標として、2000年に採択されました。
「乳幼児死亡率の削減」の他、「極度の貧国と飢餓の撲滅」、「普遍的初等教育の達成」、「ジェンダーの平等推進と女性の地位向上」、「妊産婦の健康の改善」など8つの目標が掲げられており、2015年を達成期限として一定の成果を上げました。
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