管理栄養士の過去問
第27回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問23
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問題
第27回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
酵素に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- α-グルコシダーゼは、加水分解酵素である。
- フェニルアラニン水酸化酵素は、チロシンからフェニルアラニンを生成する。
- アンギオテンシン変換酵素は、プロテインキナーゼである。
- HMG-CoA還元酵素は、アセチルCoAによってフィードバック阻害をうける。
- アミラーゼは、酸化還元酵素である。
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この過去問の解説 (4件)
01
【1.α-グルコシターゼは、加水分解酵素である。】です。
グルコシターゼは、二糖類のグリコシド結合を加水分解し、単糖類を生成します。
2.フェニルアラニン水酸化酵素は、フェニルアラニンからチロシンを生成します。この酵素が欠乏すると、血中のフェニルアラニン値が上昇し、フェニルケトン尿症を発症します。
3.アンギオテンシン変換酵素は、加水分解酵素です。ポリペプチドであるアンギオテンシノーゲンを加水分解して切断し、アンギオテンシンⅠを生成します。
プロテインキナーゼはたんぱく質をリン酸化する酵素のことを言います。
4.HMG-CoA還元酵素(レダクターゼ)は、コレステロール合成の律速酵素です。代謝産物のメバロン酸や、食事由来のコレステロールによりフィードバック阻害を受けます。高コレステロール血症の患者は、この酵素を阻害する薬物で治療しています。
アセチルCoAはTCAサイクルでATPを産生する役割をもっています。
5.アミラーゼは、多糖類のグリコシド結合を加水分解する加水分解酵素です。酸化還元酵素には、アルコール脱水酵素や乳酸脱水酵素などがあります。
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02
α-グルコシダーゼは糖のα-1,4グルコシド結合を加水分解する酵素です。α-1,4グルコシド結合はマルトース(麦芽糖)のグルコースとグルコースを繋ぐ結合に代表されます。
2.フェニルアラニン水酸化酵素(フェニルアラニンヒドロキシラーゼ)はフェニルアラニンの芳香環にヒドロキシ基を付けることで水酸化し、チロシンを精製する酵素です。
突然変異でにより体内でこの酵素の活性が下がった場合、フェニルケトン尿症となるため体内でフェニルアラニンを代謝できなくなります。患者は治療用にミルクやフェニルアラニンを含まない食事によって血中のフェニルアラニン濃度をコントロールする必要があります。
3.アンギオテンシン変換酵素はアンギオテンシンⅠをアンギオテンシンⅡに変換するプロテアーゼ(ペプチド結合加水分解酵素)です。アンギオテンシンはⅡの形に変換されることで血圧を上昇させる働きがあります。この酵素の働きを阻害することで血圧の上昇を抑える薬がACE阻害薬(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)として利用されています。
プロテインキナーゼはたんぱく質分子にリン酸基を付けてリン酸化する酵素の総称です。
4.HMG-CoA還元酵素(HMG-CoAレダクターゼ)はアセチルCoAから合成された3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoAを還元してメバロン酸を精製します。メバロン酸はさらに変換されてコレステロールとなります。この代謝経路をメバロン酸経路と言い、HMG-CoAはコレステロール合成の律速酵素と呼ばれています。
MG-CoA還元酵素はメバロン酸経路の最終生成物であるコレステロールからフィードバックを受けることで、コレステロールの過剰合成を防いでくれます。
血中のコレステロールを低下させる薬としてHMG-CoA還元酵素阻害薬がスタチンという薬物名で開発されています。
5.アミラーゼは糖のグリコシド結合を加水分解する酵素です。人体では唾液、膵液中に分泌され、デンプン中のアミロースやアミロペクチンを加水分解することでグルコースやマルトース、オリゴ糖を生成します。
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03
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち/生体エネルギーと代謝からの出題です。
1.正しい記載です。二糖類を単糖類に分解する酵素です。
2.フェニルアラニン水酸化酵素は、フェニルアラニンからチロシンを生成する酵素です。
3.アンギオテンシン変換酵素は、たんぱく質分解酵素です。プロテインキナーゼとは、リン酸化酵素のことです。
4.HMG-CoA還元酵素がフィードバック阻害を受けるのは、コレステロールです。
5.アミラーゼはでんぷんを分解する、加水分解酵素です。
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04
α-グルコシダーゼはα-1,4-グルコシド結合を加水分解する酵素です。
代表的なものに、二糖類のマルトースを分解するマルターゼがあります。
2.フェニルアラニン水酸化酵素は、肝臓でフェニルアラニンをチロシンへと代謝する酵素です。
この酵素が欠損すると体内にフェニルアラニンが蓄積され、尿中に大量のフェニルケトン体が排泄されるフェニルケトン尿症を発症します。
3.アンギオテンシン変換酵素は、アンジオテンシンⅠをアンジオテンシンⅡに変えるタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)です。
プロテインキナーゼとは、タンパク質をリン酸化する反応を触媒する酵素です。
4.HMG-CoA還元酵素は、肝臓でアセチルCoAからコレステロールを合成します。
この酵素の阻害剤スタチンは脂質異常症の治療薬として世界中で多用されています。
5.アミラーゼは、グリコシド結合に働く加水分解酵素です。
主に膵臓と唾液腺から分泌されます。
酸化還元酵素とは、2種の基質間の酸化還元反応を触媒する酵素です。
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