管理栄養士の過去問
第27回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問34
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問題
第27回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問34 (訂正依頼・報告はこちら)
糖尿病に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 微量アルブミン尿が認められれば、腎症3期以上である。
- 試験紙法で尿たんぱく質が持続陽性であれば、腎症2期である。
- 尿糖が陽性であれば、糖尿病と診断できる。
- 尿中C-ペプチド排泄量は、インスリン抵抗性の指標である。
- インスリンの絶対的不足によって、尿ケトン体が陽性になる。
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この過去問の解説 (3件)
01
ケトン体とは、脂肪分解時の中間代謝産物です。
インスリンが不足している場合、体内のエネルギー源が糖質から脂質に変換され、脂質の代謝が盛んになりケトン体が大量に生成されます。
よって、蓄積されたケトン体が尿から排出され、尿ケトン体が陽性となります。
以下、詳細の説明です。
1.微量アルブミン尿が認められれば、腎症2期以上に当てはまります。
2.試験紙法で尿たんぱく質が持続陽性であれば、腎症3期以上に当てはまります。
3.尿糖が陽性でも、糖尿病とは診断されません。
糖尿病の診断基準は、以下の①~④のいずれかが確認された場合で「糖尿病型」、
⑤および⑥の血糖値が確認された場合には「正常型」、
いずれにも属さない場合は「境界型」と診断されます。
①空腹時血糖値126㎎/dl以上
②75g経口ブドウ糖負荷試験で2時間血糖値200㎎以上
③随時血糖値200㎎/dl以上
④ヘモグロビンA1c6.5%以上
⑤空腹時血糖値110㎎/dl以上
⑥75g経口ブドウ糖負荷試験で2時間血糖値140㎎以上
4.尿中C-ペプチド排泄量は、インスリン分泌量の指標です。
C-ペプチドはインスリンとほぼ同量分泌されることから、1日分の蓄尿を用いてC-ペプチドを測定し、インスリン分泌量を調べます。
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02
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち/栄養障害と代謝疾患からの出題です。
1.微量アルブミン尿陽性は、腎症2期です。
2.尿たんぱく質の持続陽性は腎症3期です。
3.糖尿病の検査項目に尿検査はありません。
4.尿中C-ペプチド排泄量はインスリン分泌量の指標となります。
5.正しい記載です。インスリンの不足ではケトン体が生成されるので、尿ケトン体が陽性になります。
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03
【5.インスリンの絶対的不足によって、尿ケトン体が陽性になる。】です。
インスリンの絶対的不足により、脂肪細胞でのトリグリセリド分解が促進され、大量の脂肪酸が血中へ放出されます。
さらに肝臓では糖新生が促進され、オキサロ酢酸が不足します。
それにより、脂肪酸をβ酸化してできたアセチルCoAがクエン酸回路に入れなくなり、蓄積されたアセチルCoAがケトン体となって尿から排出されます。
1.微量アルブミン尿が認められれば、腎症2期と診断されます。
2.尿たんぱく質が持続陽性なのは、腎症3期以上です。
3.尿糖が陽性でも糖尿病とは限りません。
腎性糖尿の患者も尿糖は陽性となります。
4.尿中C-ペプチドの排泄量は、インスリン分泌量の指標です。
インスリンとC-ペプチドは、分泌される顆粒の中で等モル量存在し、血糖値が上昇すると等モル量分泌されます。
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