管理栄養士の過去問
第27回
臨床栄養学 問127

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問題

第27回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問127 (訂正依頼・報告はこちら)

経鼻胃管により経腸栄養剤を投与した時に生じた下痢の原因である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • 乳糖を含むものを使用した。
  • 投与速度を400 mL/時とした。
  • 投与時の温度を4℃とした。
  • 浸透圧の低いものを使用した。
  • 前日に溶解したものを使用した。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 乳糖不耐症の場合は、下痢を起こす可能性があります。よって正となります。ただし、乳糖は、小腸の消化酵素ラクターゼで分解されるので、経鼻胃管の場合は、小腸を通過するので通常であれば乳糖も消化ができます。

2. 投与速度が400ml/時だと速いので下痢の原因になります。胃であれば200~300ml/時、小腸であれば100ml/時以下が適当です。よって正となります。

3. 投与時の温度が4℃は低いので下痢の原因になります。体温に近い40℃前後が望ましい温度です。よって正となります。

4. 浸透圧が高い場合は下痢の原因となりますので、300mOsm/lを超える栄養剤は濃度を薄めて使用する必要があります。よって誤となります。

5. 前日に溶解したものの場合、細菌感染による下痢が起こる可能性があり、正となります。

よって正解は、4. となります。

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02

正解は 4 です。

臨床栄養学/傷病者・要介護者の栄養アセスメントからの出題です。

経腸栄養で下痢が起こりやすいのは、投与速度が遅い(通常:100~200ml/時)、浸透圧が高い、温度が低いといった場合や、細菌が繁殖した場合などにより起こります。
選択肢4では浸透圧の低いものとしていますが、これは「高いもの」の誤りとなります。

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03

正解は 4 です。

経腸栄養剤の投与による下痢は、よくある合併症の一つです。

1:乳糖を含むものを使用しても、患者が乳糖不耐症などでない限り、下痢は起きません。
乳糖の消化酵素であるラクターゼは、小腸で分泌されます。経鼻胃管の場合は、栄養剤が直接胃に入りますが、その後小腸を通過するため、乳糖もきちんと消化されます。

2:投与速度400 mL/時は、速すぎるため下痢になります。
適正注入速度は、胃なら200~300mL/時、小腸なら100mL/時以下です。

3:投与時の温度4℃は、低すぎるため下痢になります。
適正温度は、体温に近い40℃前後です。

4:浸透圧に関しては、高いと小腸内で水分を誘発するため、下痢の原因となります。

5:前日に溶解したものを使用した場合は、細菌繁殖による下痢が考えられます。
栄養剤は調整後6時間以上経過すると、細菌繁殖が加速します。

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