管理栄養士の過去問
第27回
臨床栄養学 問130

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問題

第27回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問130 (訂正依頼・報告はこちら)

α-グルコシダーゼ阻害薬とスルフォニル尿素薬を服用している2型糖尿病患者が、通常の4分の1の朝食を摂取した。その2時間後に、血糖値は40 mg/dLを示し、手足のふるえや脱力感をきたした。対処法として正しいのはどれか。1つ選べ。
  • グルコース投与
  • スクロース投与
  • インスリン投与
  • ラクトース投与
  • フルクトース投与

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この過去問の解説 (3件)

01

・αグルコシターゼ阻害薬は、でんぷんやショ糖を分解する酵素の作用を抑制し、炭水化物の消化吸収を遅延させ食後の過血糖を改善します。
・スルホニル尿素薬は、膵臓に作用し、インスリンの分泌促進します。低血糖に注意が必要で、特にアルコールやアスピリンの併用時に要注意です。

文章より、経口血糖降下薬や食事量が少ないことによる低血糖状態で、血糖を上げる必要があることがわかります。

1. グルコースは、αグルコシターゼ阻害薬の影響を受けず、すぐに血糖を上げることができるので正となります。

2. スクロースは、グルコースとフルクトースからなる二糖類で、αグルコシターゼ阻害薬の影響を受け、分解されにくくすぐに血糖値を上昇させることができないので誤となります。

3. インスリンは、さらに血糖値を下げることになるため誤となります。

4. ラクトースは、グルコースとガラクトースからなる二糖類で、αグルコシターゼ阻害薬の影響を受け、分解されにくくすぐに血糖値を上昇させることができないので誤となります。

5. フルクトースは、単糖類なのでαグルコシターゼ阻害薬の影響はあまり受けませんが、肝臓でグルコースに変わるまでに時間がかかり急な血糖値の上昇は期待できないので誤となります。

よって正解は、1. となります。

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02

正解は 1 です。

臨床栄養学/傷病者・要介護者の栄養アセスメントからの出題です。

α-グルコシダーゼ阻害薬は、でんぷんや糖質の分解を抑えて、ブドウ糖の吸収を遅らせることで、食後の急激な血糖値上昇を抑える薬です。またスルフォニル尿毒薬は、膵臓のβ細胞に直接作用してインスリン分泌を促す薬です。これらの服用に併せて、食事量も減少したことで低血糖症状を起こしているので、糖の補給が必要となります。ここではα-グルコシダーゼ阻害薬の影響を受けないグルコースを投与するのが適切です。

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03

正解は 1 です。

問題文では、一般的な糖尿病患者に対してα-グルコシダーゼ阻害薬(二糖類の分解を抑制)とスルフォニル尿素薬(インスリン分泌促進)を処方している状況下で、低血糖の症状をきたしたことがわかります。
この場合、血糖値(血中グルコース濃度)を素早く上げるための対処法を取る必要があります。

2:スクロース(ショ糖)は、グルコースとフルクトース(果糖)が合わさった二糖類です。
これだとα-グルコシダーゼ阻害薬により分解が抑制され、グルコースの吸収がされにくいため、血糖値が上がりません。

3:インスリンの投与は、より血糖値を下げることになるため不適切です。

4:ラクトース(乳糖)は、グルコースとガラクトースが合わさった二糖類です。
これも2と同様、α-グルコシダーゼ阻害薬により分解が抑制され、グルコースの吸収がされにくいため、血糖値が上がりません。

5:フルクトース(果糖)は単糖類のため、α-グルコシダーゼ阻害薬による影響はありません。しかし、吸収されてから肝臓でグルコースに変換されるまでに時間がかかり、血糖値の早急な上昇には向きません。

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