管理栄養士の過去問
第27回
臨床栄養学 問142
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問題
第27回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問142 (訂正依頼・報告はこちら)
内分泌疾患と血液検査値の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 原発性アルドステロン症 ------- 血清カリウム値の上昇
- 原発性副甲状腺機能亢進症 --- 血清リン値の上昇
- 甲状腺機能亢進症 ----------- 血糖値の低下
- 尿崩症 --------------------- 血漿浸透圧の上昇
- 褐色細胞腫 ----------------- 血中アドレナリン(エピネフリン)値の低下
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この過去問の解説 (3件)
01
2. 原発性副甲状腺機能亢進症とは、パラソルモンが過剰に分泌されるもので、中年女性に多い疾患です。骨から血液にCaが動員されるので、血中のCaは高く、リンは低いが、パラソルモンが高くなります。よって誤となります。
3. 甲状腺機能亢進症とは、思春期の女性に多く、大部分がバセドウ病と呼ばれる型です。甲状腺機能を正常に保てず、トリヨードサイロニン(T3)やサイロキシン(T4)が大量に血中に放出されている状態です。体重減少、微熱、多汗、指の震え、情緒不安定、脈拍増加、眼球突出、基礎代謝率増加などがみられます。甲状腺ホルモンは、糖新生、グリコーゲン分解、腸管からの糖吸収促進などによる高血糖、コレステロール代謝亢進、たんぱく質異化亢進を起こします。よって誤となります。
4. 尿崩症とは、なんらかの原因で尿量が4ℓ/日以上となった状態です。視床下部にあるバゾプレッシン不足によるもので、腎臓で尿が濃縮されずに比重の低い尿が排泄されます。このため多量の水を飲み、頻回の排尿をすることが必要となります。尿比重が低くなるため、血漿浸透圧は上昇しますので正となります。
5. 褐色細胞腫とは、クロム親和性組織から発生する腫瘍でカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)の過剰分泌を引き起こします。高血圧、糖尿病、頭痛、発汗、動悸などの症状がみられます。よって誤となります。
よって正解は、4. となります。
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02
1:原発性アルドステロン症とは、副腎皮質の腺腫やがんなどにより、副腎皮質ホルモンであるアルドステロンが過剰分泌されることによって起こる症状のことです。
尿細管からのナトリウムの再吸収とカリウムの排泄が促進され、高血圧や低カリウム血症になります。
2:原発性副甲状腺機能亢進症とは、副甲状腺の腺腫や過形成(細胞の増加)などにより、副甲状腺ホルモンが過剰分泌されることによって起こる症状のことです。
小腸からのカルシウム吸収、尿細管からのカルシウムの再吸収、及び骨吸収(骨を破壊して吸収する)が促進され、高カルシウム血症になります。また、尿細管からのリン吸収抑制により、低リン血症になります。
3:甲状腺機能亢進症(バセドウ病)とは、甲状腺の腺腫などにより、甲状腺ホルモンが過剰分泌されることによって起こる症状のことです。
基礎代謝が高まり、食欲は亢進しますが体重は低下します。また、小腸での糖吸収、糖新生、及び肝グリコーゲンの分解などが亢進し、高血糖になります。
4:尿崩症とは、脳下垂体後葉から放出されるホルモンであるバソプレシンが、何らかの原因により分泌低下または作用不足になることで起こる症状のことです。
尿細管での水の再吸収がうまく行われなくなることにより、尿は薄く多くなり(浸透圧が低くなる)、血漿は濃くなります(浸透圧が上がる)。
5:褐色細胞腫とは、副腎髄質にできる腫瘍のことです。
副腎髄質から放出されるホルモンであるアドレナリンの過剰分泌により、血中アドレナリン値は上昇し、高血圧や心拍数の増加がみられます。
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03
臨床栄養学/疾患・病態別栄養ケア・マネジメントからの出題です。
1:原発性アルドステロン症では、アルドステロンの過剰分泌が尿細管に作用して、カリウムの喪失が見られるため、血清カリウム値は低下します。
2:原発性副甲状腺機能亢進症では、尿細管からの再吸収が抑制されるため、血清リン値は低下します。
3:甲状腺ホルモンには消化管からの糖の吸収を促進する働きがあるため、甲状腺機能亢進症では血糖値が上昇します。
4:尿崩症では多尿をきたし、尿比重が低くなります。この状態では血漿浸透圧は上昇します。
5:褐色細胞腫はカテコールアミンの産生が増加して起こり、代謝亢進の状態となります。そのため血中アドレナリンの値は上昇します。
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