管理栄養士の過去問
第27回
臨床栄養学 問143
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問題
第27回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問143 (訂正依頼・報告はこちら)
進行した慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の栄養アセスメントの結果である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1秒率の上昇
- 体重の増加
- 動脈血酸素分圧(PaO2)の上昇
- 動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の低下
- 呼吸商の低下
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この過去問の解説 (3件)
01
慢性気管支炎(少なくとも1年のうちで3か月以上の期間で、2年以上連続して喀痰と咳が持続する)と肺気腫(終末細気管支から肺胞壁の破壊による疾患)を合わせて慢性閉塞性肺疾患と呼ばれます。
慢性、反復性の喀痰や咳がみられ、細菌感染を合併すると膿性痰となります。労作時呼吸困難がみられ、重症化するとチアノーゼを呈します。
1. 1秒率とは息を精一杯吐きだしたとき呼気量のうち、最初の1秒に吐いた量の割合のことをいいます。慢性閉塞性肺疾患では1秒率は低下を示しますので誤となります。
2. 慢性閉塞性肺疾患では、呼吸が十分にできないことによるエネルギー消費が増すことで、栄養状態が低下することが多いので、体重は減少傾向となります。よって誤となります。
3. 動脈血酸素分圧(PaO2)は、十分な呼吸ができないので低下します。よって誤となります。
4. 動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)は、十分な呼気の排出ができないため、上昇します。よって誤となります。
5. 呼吸商とは、呼吸の際に排出される二酸化炭素量と、摂取した酸素量の比のことを言います。二酸化炭素排泄量÷酸素摂取量で算出されます。体内の糖質と脂質の燃焼の比率を反映しています。慢性閉塞性肺疾患では、栄養障害により、体内の脂肪酸が動員されて、脂質の燃焼量が増加しているので呼吸商は低下します。よって正となります。
よって正解は、5. となります。
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02
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、肺の収縮が慢性的に困難で、呼吸が強く妨げられている疾患の総称です。主に、慢性気管支炎と肺気腫があります。
1:1秒率とは、息を精一杯吐き出したときの呼気量のうち、最初の1秒に吐いた量の割合を指します。COPDの場合、この値は低下します。
2:COPDの場合、呼吸そのものに通常以上のエネルギーが消費されるため、一般的には体重の低下がみられます。
3:COPDの場合、酸素の取り込みが不十分なため、動脈血酸素分圧(PaO2)は低下します。
4:COPDの場合、二酸化炭素の排出が不十分なため、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)は上昇します。
5:呼吸商とは、一定時間内における酸素消費量に対する二酸化炭素排泄量の比のことです。これにより、体内で糖質・たんぱく質・脂質のどの栄養素がエネルギー源として利用されたかを知ることができます。
糖質の呼吸商は1、たんぱく質の呼吸商は0.8、脂質の呼吸商は0.7です。
COPDの場合、エネルギー代謝亢進により脂肪の分解・利用も亢進しているため、呼吸商は低下します。
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03
臨床栄養学/疾患・病態別栄養ケア・マネジメントからの出題です。
1:努力肺活量のうち、最初の1秒間の空気量を1秒量といい、努力肺活量に対する1秒量の割合を1秒率といいます。慢性閉塞性肺疾患(COPD)では1秒率の低下が見られます。
2:COPDでは高頻度で体重減少が認められるため、高エネルギー食となります。
3・4:動脈血液ガス分析では、動脈血酸素分圧(PaO2)は低下し、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の上昇が見られます。
5:呼吸商とは、体内で栄養素が燃焼した際に消費した酸素量に対する二酸化炭素の割合を示したものです。COPDでは二酸化炭素排出機能が低下しているので、呼吸商が低下します。
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