管理栄養士の過去問
第27回
臨床栄養学 問144

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問題

第27回 管理栄養士国家試験 臨床栄養学 問144 (訂正依頼・報告はこちら)

食物アレルギーに関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 卵のアレルゲン活性は、加熱処理によって増強する。
  • 牛乳アレルギーの児童には、ヨーグルトを代替食とする。
  • 牛乳アレルギーは、ラクトースがアレルゲンである。
  • 診断には、IgM抗体値を用いる。
  • アナフィラキシーショック時には、アドレナリン(エピネフリン)を投与する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解はアナフィラキシーショック時には、アドレナリン(エピネフリン)を投与する。です。

選択肢1. 卵のアレルゲン活性は、加熱処理によって増強する。

卵のアレルゲン活性は、加熱処理によって減弱します。
アレルギーの原因食品を加熱し、たんぱく質を変性させることによって、酵素の作用を受けやすくなり、抗原性が低下します。

選択肢2. 牛乳アレルギーの児童には、ヨーグルトを代替食とする。

牛乳アレルギーは、ラクトースなどの糖類ではなく、カゼインなどのたんぱく質が原因です。
また、ヨーグルトは牛乳から作られているため、牛乳アレルギーの人への代替食にはなりません。

選択肢3. 牛乳アレルギーは、ラクトースがアレルゲンである。

牛乳アレルギーは、ラクトースなどの糖類ではなく、カゼインなどのたんぱく質が原因です。
また、ヨーグルトは牛乳から作られているため、牛乳アレルギーの人への代替食にはなりません。

選択肢4. 診断には、IgM抗体値を用いる。

診断には、IgE抗体値を用います。
アレルゲンが体内に侵入すると、身体はIgE抗体を産生します。よって、この値が高いとアレルギーを発症する可能性があることがわかります。

選択肢5. アナフィラキシーショック時には、アドレナリン(エピネフリン)を投与する。

アナフィラキシーショック時、体内では細胞から、ヒスタミンやセロトニンなどの化学物質が放出されており、これらがアレルギー症状の発生原因となっています。
アドレナリンは、これらの化学物質の放出を抑制します。

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02

正解は、「アナフィラキシーショック時には、アドレナリン(エピネフリン)を投与する。」です。

選択肢1. 卵のアレルゲン活性は、加熱処理によって増強する。

卵のアレルゲンは加熱によって大きく変化し、温度が高いほど、加熱の時間が長いほど起きにくくなります。よって誤となります。卵のアレルゲンは卵黄よりも卵白の方がアレルギーが強く出ます。

選択肢2. 牛乳アレルギーの児童には、ヨーグルトを代替食とする。

牛乳アレルギーでは、同じ牛乳から作られる乳製品のヨーグルトもアレルギー反応が起こるため代替食にすることはできないため誤となります。

選択肢3. 牛乳アレルギーは、ラクトースがアレルゲンである。

牛乳アレルギーのアレルゲンは、タンパク質のカゼインやβラクトグロブリンなどであり、糖のラクトースではないので誤となります。

選択肢4. 診断には、IgM抗体値を用いる。

診断は、問診による症状、病歴、家族歴などの把握が重要で、抗原を皮膚反応や抗原特異的IgE測定により検査します。よって誤となります。

選択肢5. アナフィラキシーショック時には、アドレナリン(エピネフリン)を投与する。

アナフィラキシーショックとは、アレルギー症状の発症後、短時間のうちに全身にアレルギー症状が出て、血圧の低下や意識障害、場合によっては死に至る可能性もある状態のことを言います。ショック症状や呼吸器系の強い症状などが起こった場合は、すぐにアドレナリン自己注射薬(エピネフリン)を投与する必要があります。症状が軽い場合は、抗ヒスタミン薬や経口副腎皮質ステロイド薬などの内服薬が用いられます。よって正となります。

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03

臨床栄養学/疾患・病態別栄養ケア・マネジメントからの出題です。

選択肢1. 卵のアレルゲン活性は、加熱処理によって増強する。

卵のアレルゲン活性は、加熱処理によって弱まります。

選択肢2. 牛乳アレルギーの児童には、ヨーグルトを代替食とする。

ヨーグルトは乳製品であるため、代替食とはなりません。

選択肢3. 牛乳アレルギーは、ラクトースがアレルゲンである。

牛乳アレルギーでは、カゼインやβラクトグロブリンがアレルゲンとなります。

選択肢4. 診断には、IgM抗体値を用いる。

診断の際に用いられるのは、IgE抗体値です。

選択肢5. アナフィラキシーショック時には、アドレナリン(エピネフリン)を投与する。

文章の通りです。アナフィラキシーショックとは、特定の物質によって引き起こされる全身性のアレルギー反応のことです。呼吸障害や循環障害を起こします。この時、患者本人によるアドレナリン自己注射薬の使用が認可されています。

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